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ネクサスセイヴァー  作者: 謎の生物
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第9話 俺、変身します!!

書くのに時間が掛かりましたが、ようやく光が変身します。

 俺達の前方で行われているドラゴンらしき怪物とイリナ達四人の戦い。


 しかし交互に連携を取りながらイリナ達は攻撃するが、ドラゴンらしき怪物にはあまり聞いている様子がない。

 俺達の今いる国『エルサリア聖国』で四聖柱と呼ばれ、半神半人故に、普通の人間よりも遥かに優れた戦闘能力に加え、超常の”力”まで使えるイリナを始め、その娘のティナ、レイナも含めてである。(護衛騎士であるユズハは人間止めていないのかどうか知らないので何とも言えない。)


 ドラゴンらしい怪物の襲撃の所為で、村にあるいくつかの家が潰されており、その巻き添えを喰った村人達の遺体もチラホラ見える。


 そんな状況なので、早く逃げなければと頭では理解しているが、それに反して身体は、今までに一度も経験した事がない緊張感と恐怖、そして何より前方で見えるドラゴンらしい怪物の存在が俺達を動けなくしていた。

 目の前の怪物は俺達何ぞ歯牙にも掛けない怪物だと本能的に理解できてしまい、そこから来る恐怖と絶望も俺達をこの場に金縛りにしてとどめている理由の1つだった。


 蛇に睨まれた蛙とはこの事を言うのだろう。事実、村人の大半も逃げたくても極度の恐怖で動けず、中には絶望からくる泣き笑いの表情になっている。


 イリナ達もそれを理解しているのか、4人で連携をとって果敢に攻撃をし、ドラゴンらしい怪物をそれ以上、村へと進ませない様に奮闘している。

 それを見たらイリナはひょっとしたら領民なのではと、こんな状況でそんな下らない事を考えてしまう俺。


 俺だけでなく可憐や真心の命が掛かっているのに、そんなアホな事を考えている事に対しての誅罰か、ドラゴンらしい怪物がイリナ達に対して口から放ったエネルギー弾らしきモノが、俺達の方にも飛んできた。

 

 「ひ、光君!ドラゴンの攻撃が、こ、こっちにも飛んでくるよ~~!!」

 「ど、どうしたらいいのお兄ちゃん!?」


 切羽詰まった二人の声を聴きながらも、俺自身もテンパっており具体的な案など出せる訳がない。むしろ、俺の方が訊きたいよ!!


 次の瞬間、エネルギー弾が俺達がいた空き家に着弾し、爆発を起こし、爆風を喰らい俺達は吹き飛ばされた。

 俺達はそのまま大地に叩きつけられ、その衝撃と直後に襲って来た激痛で、そのまま暫く動けなかった。


 何とか痛みが和らぎ、可憐と真心を見ると、二人ともあちこち煤で汚れ、軽い怪我も負っている。

 俺も似たようなだが、精神的な衝撃は俺よりも二人の方が強いのか、可憐はとにかくとして真心も普段では考えられない弱弱しそうな表情をしており、今にも泣きそうな表情をしている。


 二人の様子を見て誰か何とかできないかと周りを見回すと、あちこちで村人達が負傷しており、俺達を助けるどころか、自分達が助けが必要な状態で他人どころではない。

 唯一、助けてくれそうなイリナ達ですら、ドラゴンらしい怪物に苦戦しており、俺達を助けるどころではない。


 「畜生、どうすればいいんだよ・・・。」


 思わず嘆きながら、こんな時、俺にどうにか出来る力があればと思ったところで、姫島部長の言った事を思い出した。


 ーお前は特別な力を持っている、この事だけは忘れないでー

 ーあなたの力で世界を救って。世界の命運を託すわ当代のネクサスセイヴァーー


 部長の言う”特別な力”、ネクサスセイヴァーになる力があるならば今、この時こそ発現しろよ!!

 

 俺はこの時、祈ったでも縋ったでもなく可憐と真心を守るために強い意志を持って念じた瞬間、俺の腰に仮面ライダーが身に着けている様なベルトらしきものが具現化した。

 ほんの薄い青みがかった白のベルトで大きなバックルがついており、その真ん中には円形の何もない穴が開いている。

 いくら”力”があるならば発現しろと強く強く念じたとは言え、俺は突然具現化したそれを見て驚き、思わず立ち上がてしまった。


 勢いよく立ち上がった俺に真心や可憐は勿論の事、周りの負傷している村人達も何事かと俺を見た。

 そんな中で真心や可憐は、


 「ひ、光君!?そのベルトのようなモノは何?!」

 「お、お兄ちゃん?!それどうしたの!?」


 驚きの声で二人とも尋ね、その驚きの声に戦っていたイリナ達も何事かと俺の方を思わず見、そして腰にベルトのようなモノを具現化させているのに、驚きで目を見開いた。


 周りがそんな状況とはいえ、今までにないほどの集中を俺はしており、全く気にならず、俺は俺自身の中でベルトが具現化したと同時に自分の中に凄まじい”力”のようなモノがみなぎってくるのが感じられた。

 そして、その勢いのまま俺は咄嗟に浮かんだ某変身ヒーローの姿を変える時の掛け声を叫んだ。

 

 「変身!!」


 次の瞬間、俺の全身に青白い細い光が迸り、全身が輝いたと同時に俺の姿が変わった。

 全身がベルトと同じ薄い青みがかった白のスマートなパワードスーツの様な外見となり、漆黒のスマートな細い瞳にマスクの顔をしている。

 しかし一見するとメタリックなパワードスーツの様に見えるが、細部をよく見ると筋肉のようなものが見え、生物らしさを感じさせる。

 その姿に、ドラゴンを除いたこの場にいる者全員が驚愕した。


 「お、お兄ちゃん・・・?」

 「ひ、光君・・・?」


 可憐と真心が呆然と俺を呼ぶ声を聴きながら、俺はドラゴンを睨みつけた。

 先程までは目に移ったドラゴンが絶対に勝てない恐ろしい存在だと感じたが、今は先程までの恐怖感とそれから来る緊張を感じない。


 ついでに言うならば、レイナ、ティナ、ユズハも今の俺ならば勝てると直感したが、イリナはまだ彼女の方が強いと感じた。

 どうやら四人の中ではユズハが当たり前と言えば当たり前だが、一番強い様である。


 そんな事を僅かに考えた後、俺はドラゴン目掛けて駆け出した。

 信じられない速さで駆け抜け、瞬く間にドラゴンの巨体に近寄り、そのまま跳躍してドラゴンの背に勢いと体重を乗せた拳の一撃を喰らわせた。


 短い悲鳴を上げるドラゴン。そんなドラゴンの様子にイリナ達、特にティナとレイナの姉妹は驚いた様だった。


 だがレイナ達に比べたら、それなりのダメージは与えた様だが、倒すのには到底至ってないらしく、俺も敵の一人と認識されただけだった。

 そこにイリナが「天道光!!」と俺の名を叫び、続けて何かを言おうとしたが、そこにドラゴンが全身を発光させ、全身から強力なエネルギーを放出し、俺達はそれを受けてそれぞれが大きく吹き飛ばされた。

 

 「うわあああっ!!」


 イリナ達もそうだが、俺も大きく悲鳴を上げながら可憐と真心の近くに、三回ほどバウンドしながら、吹き飛ばされてしまった。


 「お兄ちゃん!?」

 「光君?!」


 二人は一瞬、変身した俺に戸惑い、身体が固まった様だが、それからすぐに倒れた俺に駆けつけてくれた。

 

 「クソッ、変身だろうと何だろうと戦える”力”があったのは確かだけど、この程度の”力”じゃ、あのドラゴンをどうにか出来る力じゃない!!」


 俺は倒れた状態で、そう悪態をついていると、距離的に近かった可憐が、わずかに早く「お兄ちゃん!!」と俺に駆け寄り、俺の身体に手をやって起こそうとした瞬間、可憐の胸元から小さい、しかし激しく輝く赤ピンクの球が出て来た。


 「な、何それ?」


 この事態に驚き固まる俺と可憐をよそに真心が呆然と尋ねる様に呟いた。

 俺も可憐も答えられない中、その激しく輝く赤ピンクの球は俺の手の中に納まった。

 これを見た瞬間、俺はラノベのネクサスセイヴァーの話を突如、思い出した。後で思うとこれは天啓だったのかもしれない。


 その話を思い出した俺は立ち上がり、再び何事かと俺を見る可憐や真心をよそに、その球をベルトの中央に開いている円形の穴にはめ込んだ。

 球はピッタリと嵌り、次の瞬間、変身した俺の全身に赤ピンクのエネルギーが迸り、両足、両肩、両腕、腹部胸部の所々に赤ピンクのラインが走り、顔も漆黒のスマートな細い瞳は赤ピンクに輝いており、更にアンテナかセンサーと思われるモノが二本出ており、その先端も赤ピンクに輝いている。

 マスクもおりており、よりスマートになっている。


 大きく変化した俺を可憐や真心、イリナ達を含め村にいる人間全てが、再び驚きの表情で見つめた。

光が変身した姿は、イメージ的にユニコーンガンダムとガイバー1のところどころを足したような感じです。

可憐から出た球をはめ込んだ時のイメージはユニコーンガンダム・デストロイモードと仮面ライダー電王ソードフォームを足したようなイメージです。

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