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ネクサスセイヴァー  作者: 謎の生物
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第7話 アンソン村に着くと・・・。

色々と仕事や旅行などで書くのが遅れました。

 ゴブリンを何とか撃退した俺達。

 そのおかげでゴブリンの持っていた武器を手に入れる事ができたので、俺とあまり力がない可憐はナイフを、真心とコレットは棍棒を持ってアンソン村を目指して進んだ。

 と言っても森自体はゴブリン達を撃退してからすぐに通り抜け、平原に出るとまだ距離はあるが前方に集落のようなモノが俺達の目に移った。


 「あれがアンソン村ですよ。」


 とコレットが教えてくれた。

 まだ遠方なので、詳しくは分からないがパッと見た感じ、RPGのゲームに出てくる田舎の村のイメージそのまんまの気がした。

 あ、イメージと言っても日本風ではなく西洋風ね。


 村へ行く道中、平原を歩いていると今度は透明な緑色をしたグミを30サイズぐらいの箱ほどの大きさにした生き物、生き物なのかあれは?

 とにかく、スライムみたいなのが草むらから出て来た。それを見たコレットは、


 「皆さん、スライムというモンスターです!モンスターとしては大したことありませんが、触れられると溶かされるので気を付けてください!!」


 と大声で説明してくれた。しかし、やっぱりスライムか、そうじゃないかと思ったんだよ。見た目からして・・・。

 

 俺がそんな事を思っているとコレットは、臆する事無くスライムに近づき、そのまま勢いよく蹴飛ばした。

 蹴飛ばされたスライムは、3回ほどバウンドしながら地面を転がり、そのまま水の様に広がり、瞬く間に大地に染み込んでいった。


 「ふう、スライムは退治しました。これで大丈夫ですよ。」


 コレットの説明に真心が「そ、そーですか。」と少し呆然としながらも返事を返したが、俺達は揃って思った事はースライム弱ッ!!-だった。

 俺達の思っていたことが表情かおに出ていたのか、コレットは苦笑しながら、スライムはモンスターの中でも一番の最弱で一対一なら10歳ぐらいの子供でも勝てるぐらいに弱いと教えてくれた。

 俺はあまりの弱さに、スライムが少し気の毒に思ったぐらいである。


 しかし、モンスターとは言え、生き物が目の前で殺される光景を見ても、今度はゴブリンを倒した時ほどの衝撃はなかった。

 それはチラッと真心と可憐の様子を見た限り、二人も同じの様である。

 

 ゴブリンを倒した直後は、初めての命のやり取りによる極度の緊張に加え、モンスターであれ命を直に奪った事による動揺で、俺は凄まじい疲労感に襲われ、可憐も硬直した様に固まっていた。真心はその場面を気絶していて見ていないので影響はなかったが・・・。

 しかし、真心はスライムが死ぬところを見ても、平然としているので、案外こいつは俺や可憐よりも度胸があるのかもしれない・・・。



 「ここがアンソン村です。」

 

 コレットの案内で俺達は村の入り口の前に辿り着いた。

 パッと見た限り、アンソン村は村の周りを木の柵が覆っている素朴な感じのするのどかな村という感じで、逆に言えばこれと言って特徴のない田舎の村とも言え、ファンタジー小説に出てくる田舎の村のパブリックイメージをそのまま具現化したような村だった。


 村の中に入ってみると掘っ立て小屋のような家が立ち並んでおり、あちこちに畑もある。しかし集会か何かの途中なのか、村人達は広場に集まっていた。

 入口付近にいるので、何のために村人達が集まっているのか俺達には分からないので、コレットに尋ねてみるとコレットも首を傾げていた。

 どうやら、前々から予定していたお祭りなどではなさそうである。

 村の出入り口で考えても分かる訳ないので、俺達は村人達の元へと行く事にした。

 近づくにつれ、中心にどうみても村人とは思えない四人の鎧姿の女性達がいた。

 鎧姿と言っても本格的な鎧姿は4人の中でも中心人物と思える見た目30歳前後の一人だけで、他の三人、中心人物と思われる女性の左右一歩後ろに控え、俺達からみて左側の女性は20歳前後、右側は俺達と同じ年ぐらいの少女で、その少女に更に一歩後ろに控えている20歳前後の女性は軽装なのだが。

 四人ともパッと見た限り美女美少女の顔立ちをしており、皆、良い身体つきをしているのだが、一番後ろに控えている女性以外、3人ともよく似た顔立ちをしている。

 恐らく、この三人は身内なのだろう。


 だが、俺達が眼を引いたのは武器と鎧に身を固めた姿でも、アイドルでも通用するような美貌でもなく、彼女達の髪の色だった。

 四人の中で一番年長者で、まとめ役と思われる女性以外、皆、長い髪をしていたが、四人全員の髪の色が地球では絶対ありえない色をしている。

 年長者の女性は藍色、左右にいるによく似た顔立ちの二人は青、一番後ろに控えている女性は紺色の髪だった。


 さ、さすがは異世界ファンタジー、地球の常識は通用しない。それなのに強い違和感を感じないのは、俺もそれだけ二次元に浸っているからなのか・・・?

 

 「まるでファンタジー系のアニメに出てくるヒロインみたい。」

 「可憐ちゃんもそう思う?私もなんだかアニメのキャラに出くわした気分なんだよね・・・。」


 どうやら可憐と真心の様子からして、二人もそれなりに二次元に浸っている様である。


 俺は、あの四人の様に髪の色が地球じゃありえない色をしている人が他にもいないか村人達を見回してみると、40人ぐらいいる村人の中にも何人か、俺達から見てありえない色をしている村人達を見た。

 髪の色がカラフルなのはこの世界では常識の様である。


 そんなことを思いながら村人達と四人の女性達の元へとそれなりに近づくと向こうの俺達に気付き、最初に村長らしき男がコレットに声を掛けた。


 「コレット!ご領主様がお越しになられた。お前も失礼の無い様、ご挨拶なさい!」

 「えっ!?ご領主様?!し、失礼致しました。私はこの村に住んでいるコレットと申します!!」


 村長の言葉に慌てて頭を下げながら丁寧語で自己紹介するコレット。

 

 「そんなに緊張しなくても構いませんよ。急に訪れたのは私達ですから。」


 コレットの自己紹介に四人のまとめ役と思われる最年長の女性が優しい微笑みを浮かべながら、穏やかに返し、それを聞いてホッとするコレット。

 そして領主の女性は俺達の方を向いて尋ねた。


 「あなた達はこの村の者ではなさそうですが、何者でしょう?」


 女性は優しい微笑みを浮かべながら穏やかに尋ねたが、コレットの時と違って目が全然笑っていない。

 おまけに残り三人の女性も何気に身構えてるし・・・。


 俺達は三人、困惑した顔を見合わせた後、代表して俺が答えた。


 「い、いや、何者と訊かれてもただの遭難者としか・・・。」

 

 答えてから通行人と答えるべきだったと思ったが、時すでに遅くコレットを除くこの場にいる全員が俺達を怪訝な表情で見たが、領主の女騎士達や村長を始めとした何人かの村人が合点が言ったという表情となり、何か納得した様子となった。


 「あなた達は”扉を開いた者”と呼ばれる人達なのね。」

 『”扉を開いた者”?』


 領主の女性の言葉に俺達は思わず首を傾げた。


 「この世界と隣接する異界を繋ぐ扉を開き、世界の境を超えて来た者達の指す言葉よ。古来より”扉を開いた者”の伝承は世界中で伝わっており、私もよく耳にしたけど実例に出くわしたのはこれが初めてだわ。」


 肩をすくめ苦笑しながら言い終えると、彼女は俺達三人の目をそれぞれ見つめ、両手を大きく広げて言った。


 「ようこそヘルヴェティアへ、”扉を開いた者”達よ。」


 いきなり異世界人とばれるとは思わなかったけど、この仕草から見て、この領主、意外と茶目っ気がないか?

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