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ネクサスセイヴァー  作者: 謎の生物
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第10話 ヒーロー、俺!?

今回はチュートリアルの無双戦です。

 可憐から出て来た激しく輝く赤ピンクの球、それをベルトにはめ込んだ瞬間、更に”変身”した俺を、この場にいる全ての者が呆然と見つめている。


 そんな中、当事者の俺はこの姿になった瞬間から先程までとは比べ物にならないぐらいに全身に力が漲っているのがハッキリと自覚できた。


 変身する前は圧倒的な強者で、恐怖でこちらが動けなかったドラゴンが、今はオオトカゲの出来損ないにしか見えない。

 イリナ達も先程まではイリナの方がまだ強いと思っていたが、今ならばイリナどころか4対1で戦っても勝てるとハッキリと直感した。


 先程まで暴れていたドラゴンすら俺がこの姿になった途端、暴れるのを止め、俺だけを凝視している。まるで目を離した瞬間、殺されると言わんばかりに・・・。


 俺がドラゴンを倒すために一歩踏みだすと、ドラゴンは気圧された様に一歩後ずさった。

 俺が更に一歩、二歩と足を踏み出すと、ドラゴンも同じ様に後ずさり、俺は遂に打って出ようと構え、一気に駆け出すと、ドラゴンも自棄になった様に大きく威嚇する様に咆哮すると俺に向かって来た。

 

 そして、お互い間合いに入って瞬間、ドラゴンは尻尾で薙ぎ払おうと、遠心力たっぷりに振り回してきた。


 その光景に可憐や真心が「お兄ちゃん?!」「光君っ!!」と絶叫したが、俺は何なく振り回してきた尻尾を左腕の片手だけで掴んで受け止めた。

 この俺の行動に可憐と真心は先程とは違う驚きを露わにし、村人達も同じ様に驚いている。


 ネクサスセイヴァーの活躍を伝え聞いているイリナ達ですら軽い驚きを露わにしている。

 

 ドラゴンも驚きこそしたが、すぐに俺を振りほどこうと尻尾に力を入れたが今の俺の腕力の前にはビクともせず振りほどける気配がない。

 正直、俺自身も内心、びっくりしているぐらいである。

 俺はそのまま両腕で尻尾を持ち、そのまま村の外へと向かって駆けだした。


 すぐにドラゴンの尻尾は伸びきり、そのままその巨体も引きずられ始め、ドラゴンも力を入れて全力で光に対抗しようとしたが、やがて力比べに開けて引きずられ始めた。


 俺はそのまま、更に尻尾を持つ両腕に力を籠め、大きな叫びに近い声を上げながら尻尾を持ち上げて遠心力をつけて、そのままドラゴンの巨体も横凪に薙ぎ払う様に投げ飛ばした。


 勢いよく地面に叩きつけられたドラゴンは悲鳴の様に短い叫び声を上げたが、巨体だけあって体力も高い様で、すぐに起き上がり、怒りの咆哮を上げ、その叫びに可憐や真心、村人達は震え上がり、そしてイリナ達も気圧されたが、俺にはただの虚勢にしか感じられなかった。


 俺に向かって口から魔力かエネルギーか知らないが、光弾を放とうと口を大きく開け、喉を輝かせ始めた瞬間、俺は目にも止まらぬ速さで、ドラゴンの身体へと駆け寄り、そのままの勢いで右ストレートを叩き込んだ。


 次の瞬間、ドラゴンが大きな悲鳴を上げながら、その巨体が大きくぶっ飛ぶと言う漫画やゲームのような展開が起きた。

 再び大地に叩きつけられると、先程の俺と同じ様に3回ほどリバウンドすると、痛みの為かのたうち回っている。


 俺はそれを見て、変身した自分の右こぶしを信じられないモノを見る気分で見つめた。


 そこにイリナが俺に対して叫んだ。


 「何をしているの?!今がチャンスよ!!敵を追い詰めたのだから止めを刺しなさい!!」


 イリナの言葉に俺は戦闘中だと言う事を思い出して、ハッと我に返り、ドラゴンを見た。

 ドラゴンは痛みを堪えながら起き上がっている様子で、先程に比べて弱弱しい。

 しかし、俺を見る目はより凶暴になっており、戦意は失っていない様である。しかし、大きく咆哮すると羽を広げてそのまま空に浮かぶ。


 何のつもりだ?と思っていると、ドラゴンはある程度の高さまで宙に浮くと、そのまま凄い勢いでこちらに突撃してきた。

 どうやら、自棄になったのか、それとも破れかぶれか、特攻を仕掛けてきやがった。

 今の俺一人ならば難なく避けて終わりだが、あの巨体が凄い勢いで大地に激突したら、村は大被害となる。


 どうするべきか、誰か良いアドバイスをくれないか!!と思わず周りを見渡したら、可憐と真心は呆然と迫って来ているドラゴンを見ている。

 村人は激突した時の村の惨状を理解して絶望の表情となっている。

 イリナ達は、母親のイリナは「だから、さっさと止めをさせと言ったでしょう!!」と俺を凄い形相で睨んでいる。

 娘と従者のティナとレイナとユズハは何とかしてくれと縋る表情で俺を見ている。


 俺と同じで平和な日本で暮らしていた可憐と真心はともかく、この世界の奴らはどいつもこいつも役に立たねぇ!!と内心、頭を抱えながら迫りくるドラゴンへと視線を戻す。


 どうしたらいいんだ!?とパ二くりかけていたところに、ふと1つのアイディアが思い浮かんだ。

 先程の勢いをつけた全力右ストレートパンチで、あの巨体をぶっ飛ばせたのだから、大地を蹴って勢いをつけた状態で、手よりも強力な足による全力両足蹴りならば、加速の着いたドラゴンの巨体もぶっ飛ばせるのでは?


 そう思った俺は迷っている時間も無いので、さっそく実行しようとすると何故か、より全身に力が漲り、より行けると思い、勢いよく地面を蹴ってドラゴンへと飛翔し、そのままの勢いでくるりと体制を変え、自分に向かって来る俺に対して怯んだドラゴンの顔に向けて全力の両足蹴りを放った。


 次の瞬間、足先が赤ピンクの光に包まれながらドラゴンの顔面に直撃すると、ドラゴンの顔面は粉砕され、それでも勢いは止まらず、そのままドラゴンの身体を両断して突き抜けた。


 俺の思っていた展開と違い、どうすんのこれ!?と思いながら急いで両断されたドラゴンの亡骸を見ると、ドラゴンの亡骸は赤ピンクの光に包まれ、次の瞬間、粒子となって消滅した。


 どうやらドラゴンは倒してみたいで、村と言うより可憐と真心の危機が去って安堵したと同時に、かなりの高さの上空まで跳躍しており、このあたり一帯だけでなく、さらにその先も見て取れた。


 普通の俺ならば遥か先の光景などぼんやりとしか見れないが、変身した今の俺にははっきりと見えた。


 村の南には大きな山があり、その麓に塔があり、その逆の北のいくらか先には良く栄えたかなりの規模の街があり、川沿いに従って東の遥か先にはそれ以上に大きな街があり、その中心には巨大な城がある。

 あれが聖都なのだろう。

 逆にさらに西を見ると大きな河が流れており、更にその先に北に見えた街と同じ規模の街が見えたが、こちらは街と言うより都市という感じで、この辺りと趣が違う。恐らくあれがアークロンド帝国の街なのだろう。


 こうして、この世界をザっと見回していくと、ここは地球じゃないと言うのが、改めて思い知らされた。

 おまけにこの姿に変身する”力”を俺が持っていた以上、レイナの言っていた様に可憐と真心も何か強力な能力か”力”を持っていると考えた方がいいだろう。


 果たして、これからどうなるのか、俺は漠然とした不安を感じながら、この世界を一人、見つめるのだった。

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