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君が知る世界に僕はいない  作者: 緑川 詩奏
3/3

第3話 世界

「悠くん!いつまで寝てるの?もうホームルーム終わってるよ!」

悠くん?僕のことだろうか。

「ん…」

目を覚ます。

そこは教室だった。

「悠くん、今日寝すぎだよ。寝不足?またゲームやってたんでしょ!」

さっきから隣でキンキン声を出しているのは誰だろう。

「祐希??」

祐希は高校生の時に付き合っていた彼女のはず。

どうして彼女がここにいるんだ?

僕は野本秀作に屋上から突き落とされたはずだ。

とっくに死んでいるはずだ。

これは、夢の中なのか?野本が最後に言った言葉を思い出す。

「ちょっと、僕のほっぺつねってくれない?」

彼女は容赦なくつねる。

「痛い痛い痛い痛い!」

夢じゃない…これは現実だ。

「今、何年の何月何日だ?」

「…2006年、7月5日」

ちょうど11年前だった。


僕は1人の高校生になっていた。

僕が十数年前に通っていた高校だ。

十数年前に付き合っていた彼女。

全く同じ光景だった。

11年前に遡り、全く違う人生を歩むことが僕には可能なのだ。

ならば、

野本のような恐ろしい男に出会わずに済む道を選びたい。

そう思った時、河合先輩の顔が頭に浮かんだ。

11年後に野本に殺されてしまう彼の姿が。

彼の死を阻止できるかもしれない。

彼のことを救えるのは僕だけかもしれない。

そう思った。

でもあんなに怖い経験をした以上、

生まれ変わっても警察官になりたいと思える状況ではなかった。

まだ高校3年生の7月。

進路選択にはまだ時間がある。

ゆっくりと決めようじゃないか。


「なにぼうっとしてるのよ、帰るよ」

そして、元カノである押田祐希ともやり直すチャンスなのだ。

高3の冬、受験に追われていた僕は祐希の気持ちを考えられず、とても怒らせてしまった。それが別れた原因だった。

別々の進路に進むようになってからはメール一つすらしていなかったが、僕は大学生になってからも彼女を忘れられず、好きな人が出来なかった。

同じミスは侵さない。

後悔しない人生を送ろう。

そう決意して祐希の右手を握った。

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