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デートアフター -ver雪菜-

噛むほどに 甘みと癒し 染みてゆく


7月デート翌々日、月曜日、放課後

じゃららら、はむっ、ポリポリ

私は小さいチョコをカラフルにコーティングした和風チョコを手に取り、一気に口に放り込んだ

そして思い切り噛む、これが結構スッキリする、糖分も取れて甘いもの好きにはたまらない

もぐもぐ


「もう雪菜、どうしたのよ、学校にお菓子を持ち込むとか、そんな不良になって」

遥がちょっと目を潤ませながら言った


「不良じゃないわよ、ただの気分転換よ、遥も食べる?」


嬉しそうに頷いた遥が手を出してくる

そして遥の手に渡すと見せかけて、筒ごと口の中に入れる


「ふぐぎゅ・・んーんー」


「あはは、どう?美味しいでしょ?・・・はぁ」

なんか自分でもわかる、今日の自分、なんかおかしい

遥の可愛い反応見ても、なんか萌えない


「よしよしっ・・・ねぇ雪菜、相談のろうか?」


そういって頭を撫でられる

その反応は少し意外だった

少し酷いことしたのに、怒るどころか心配してくれた


「遥は、お見通しなんだね」


「あたりまえじゃん、友達ならわかるもんだよ、何があったかまでは知らないけどさ」


その一言が嬉しい、ほんとこのクラスで唯一、心が通ってる存在ともいえる

そんな遥になら話してもいいかなと思えた、遥は私の救世主だし、私が勝手に思っているだけだけどね

それでも心の支えだ


「じゃぁさ、放課後、付き合ってもらっても良い?」


「うん、っていうか今、放課後な」


いや、今が放課後とか何言ってるんだろう、遥のボケはなかなかだ


「えっ?うそ!何言ってるの?まだお昼休みじゃない?」


そう言って時計をちらっと見てみる

3時半だ、本来なら放課後で、残る人なんて珍しいってくらいの時間だ


「もぉ時計~」

そう言われて再び時計を見ると、やはり3時半だった


「もしかしてずっと待ってた?」


「うん、みんなもう帰っちゃたしね、2人になれるまで待ってたのよ、で、どうする?」

そう言って、正面から上目使いしてくる遥

私は少し照れくさくなる


「そっか、じゃぁ私も帰る、じゃぁね」

そう言って、カバンを掴み、手を振って、教室を出た

慌てて、遥が追いかけてくる

「ちょっと酷くない?何か相談しようと思わない?」

私を追いかけてくる遥を待った


「ふふっ、冗談よ、途中まで一緒に帰ろう」


そして歩く足を合わせ私は智也さんとのデートのことを話した

もちろんいい雰囲気で告白して、断られたことも


「雪菜のことは嫌いじゃないけど、付き合えないって言われたんだね、まぁ最初から口説かれてたもんね」


「うん、あの言葉すごい嬉しかった、智也さんってほんと良い人だよね」


そう、あの桜が舞い散るあの日に、どこかであったことないって漫画みたいな言葉

智也さんはあのオフ会の時に会ったことを少しだけ覚えてたみたいだ


「ってかさフラグ立てるには早すぎたんじゃない、そんなクライマックスはもっとイベントこなしてからじゃないの?」


フラグとかそういう言葉があると、完全にゲーム思考だと思える


「もぉ、わたしがそ〇ろうみたいじゃない」

その言い方はやめなさいと、頭を叩かれた、ちょっと痛い

でも、遥のいう事は確かだった、まだ出会って3ヶ月だし、ゲームみたいに密度の濃いイベントなんて一昨日のデートくらいだ

つまり、この後何か事件とか起きて、それをうまく解決することが出来れば、見事ハッピーエンドに行けるということ

ただここは現実リアルで、セーブ&ロードも出来なければ、攻略サイトもない

イベント(行事)はある程度予測できるけど、自分で動かないと、何も起きないのだ

私はこれから頑張るしかないなと思った


でも何をどう頑張るかなんて、分からない

ほんと何かをしなきゃいけないけど、何をしたらいいのだろうか

やっぱりなんか少しイライラする


「遥、ありがとね、ちょっと用事思い出したから、この辺で」


遥と別れ、私は歩き始めた、今日はヒトカラへ行くんだ

私のストレス発散方法の1つだ

私は制服姿のまま受付を通った

今は4時だから、4時間思い切り歌える

しかも案内されたのはステージルームだ

歌手のようになりきって舞台に立ち、スタンドマイクで歌える

今日はなんかついてる気がした


まずはジュースを取りに行く

そして炭酸を一気に飲み干す、すごくうまい

「げふぅ」

それだけで気分がよくなる

そして私は曲を入れて歌い始める

思い切り歌う、そしてたくさん飲む

とにかく何事も全力でやる、それがストレス発散に繋がるのだ

そして、何度目か、ジュースを取りに行くとき、すれ違った

というより腕を掴まれた、そのまま振り返る

会いたくない時に会ってしまうそれは宿命なのだろうか


「雪菜っ、来てたんだな、1人か?」

名前を唐突に呼ばれて驚く


「えっ?うん、あそこの角部屋」



「そっか、後で遊びに行ってもいいか」

そんなこと言われて、断れるわけはなかった

智也さんには言いたいこと、聞きたいことがたくさんある

だから話せる機会が出来るのは嬉しかった

それから30分くらいすると智也さんは部屋にやってきた


「ほんとに来たんですね」



「うん、雪菜と話したかったから」

その言葉は嬉しい、きゅんとくる台詞の中でかなり上位に入る

何気ない言葉、特に深い意味はない、純粋な言葉

ただ話したい、意識しなければ簡単なのに

意識すると何を話していいか分からなくなる

現に遥とは毎日話していても、話しのネタはつきなものだ



「そう・・・ですか」

上手い言葉が見つからない

智也さんは私の隣に腰を下ろした

とてもじゃないが歌う雰囲気ではない


「カラオケはよく1人で来るのか?」


「うん、くるよ、だって1人のが好きなだけ騒げるもん」


「気を紛らわせるため、もしくはストレス発散のためか?」


「うん」

智也さんも1人でくるのだろうか

そんなイメージはない、常に彼の周りには誰かがいる

私とは反対なイメージがある


「でも今は俺といる」

そう言って智也さんはほほ笑む

「うん」


「なら、一緒に思い切り歌おう」


「うん・・・えっ?」

智也さんは曲を入れると、私の手を掴んで立たせた

そのままステージへと歩く、私は手を引かれたまま、マイクを持たされ歌う

っていうかなんで、私がいつも歌う曲、智也さんは知ってるのだろうか

そんなわけなかった、智也さんと密室は初めてだ

やっぱりなんか見透かされてる気がする


でも今はこの場で最高に歌い上げたい、智也さんと一緒に

私たちは体力尽きるまで、全力で歌った


「はぁ・・・楽しいな」


思い切り歌い、まだ時間は30分くらい残っている

でも私たちは疲れてソファーで余韻に浸ってる

「ってかなんで、私が好きな歌分かったんです?」


「なんとなくかな、なんてね、じゃぁそろそろ戻るな」

そういって立ち上がって、智也さんは部屋を出ようとする

私は慌てて止める


「待って、もう少しだけ・・・いて」

そういって私は彼の背中にしがみついた

智也さんは何も言わずに立ち尽くしている


私を振り切ってそのまま出てって欲しかった

歌だけ歌って最高だったなで終わらせてよ

そんな優しくされたら、嫌いになれないよ

なんで振ったのに話しかけてくれたの?

めんどくさいと思って無視しないの?

名前で呼んでくれて嬉しかったよ


他にも聞きたいこと言いたいことはたくさんある、でも1つだけ


「あのさ、私のこと、嫌いじゃないって言ってくれたよね、私にもまだ、チャンスあるかな?」


智也さんは振り返り、私の頭をなでる

優しくしないでよ、振るなら思い切り振ってよ

それじゃ嫌いになれないじゃん

そして耳元に顔を近づけて一言

「大丈夫・・・大丈夫だよ」


その曖昧な一言を言うと智也さんはドアを開け、部屋からでていった


- 大丈夫 背中に強く しがみつき 君のゆく道 我は求める -

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