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第7章 卒業式

-過ぎてゆく 日々は戻らず 風が吹く-

3月1日、卒業式当日


朝、相変わらず目覚ましより早く起きた、ふと今までの出来事を振り返る、ただサッカーやってバカやってきただけじゃなかった、初恋を忘れようと部活に熱中しても、やっぱり結衣にゃんは忘れられなくて、そして再開して、最近はほとんど病院でおしゃべりしてる、前みたいな日々が戻ってきたみたいだ

ただ違うのは話せる時間が少し短くなったこと、話題に雪菜の話しが出ることだ

それでもやっぱり話がとまらないのは相変わらずで楽しいのだ、そんなこと考えてるうちに良い時間になった


「あれ、遥は今日は休みか?」


「うん、智也の卒業式は前行ったし、眠いから寝るよ、いってらっしゃい」

いや、そう言う理由でサボってもいいのか、まぁ別に来なくても困らない日だろうけど、そう思いながら遥に手を振り玄関を出る、そこに待っていたのは雪菜だった


「おはよう」

とりあえず朝の一言、向こうも元気な声で返してくる、遥と正反対な感じだなと感じた瞬間だ


「今日は智也さんと登校できる最後の日ですよ、さぁ行きましょう」

確かにそうだ、俺は留年の予定はないためこの学校に行くのは今日が最後だ、俺たちは手を繋ぎ最後の道を歩き始めた、そして繰り広げられるのは思い出話だ、懐かしく感じてもまだ1年しかたってないのだ


「ほんと1年前はさ、こんなふうになるなんて思わなかったな」


「智也さんってば私の心にもゴール決めちゃうんだもんね」

そういう事言われると嬉しいが、そのシュートはかなり無意識なうちに打っていたシュートだ、言うならば無回転シュートならぬ


「それは、無意識シュートだな」


「・・・それでも私はすごく嬉しかったよ」

そう言って体を反転させて、俺に抱き着いてきた、お互いにしばらく抱きしめあったままで

風が強く吹く、やっぱり寒いが、雪菜の髪がなびくのに見惚れていた


「なんかギャグがつまらないと、智也さんだって感じがする」

なんか酷い言われようだ、確かに今回のはつまらなかったかもだけど、毎回つまらないわけではないと願う、ほんとたまに笑ってくれてた人も、つまらなさに笑っていたのだろうか、ギャグって単純だけど難しいから困るよなと思う


「この学校に来て、この場所で智也さんに会ったことない?って聞かれた時、凄い嬉しかった」


その思い出は確かにこの変だ、風が強く、あの頃は桜が待っていた、そして遥と涼もいた、今は偶然にも2人きりだ、でもいつかはみんな自分のもとを去って行く、それは誰もがそうであると思う、ずっと一緒に居れる人は限られてる、きっと雪菜はそんな限られた中の1人なんだ


「それが初めての出会いだったもんな」


雪菜はふふっと静かに笑って、再び横を歩き始め学校へと着いた、こんな特別な登校初めてだった、なのに懐かしく嬉しくなった、俺は手を振りながら去って行く雪菜に

「ありがとなっ、また放課後」そう言って、手を振った


俺は少し浮かれた気持ちで教室へと行く、どうやらさっきの見てた人がいてからかわれた、というか普通の登校時間なのであたりまえではある、でもそれが嬉しかったりする

そして友達と懐かしい話しを繰り広げてる、卒業する日はだいたい定番なのか、早めに来たと思っても話してる時間はほんとわずかで、先生が来て廊下に並ばせて体育館へと行く

まずは歌を歌う、国歌を歌い校歌を歌う、そして定番の卒業ソング、嫌になるほどに繰り返し歌わされ続けた、思い出は美化するものだ、もうすでにその記憶は大変だったでも楽しかったなに変わっていた


人は変わらずにはいられない、誰かを好きになって、別の誰かを好きになった時、どちらを選ぶか、それは自分の心しかわからない、勇気ある選択は人を傷つける、でもその逆もあるのだ、むしろ選べないとどっちも傷つけて何も得られない気がする、例え相手は選ばれなくとも笑顔でいてくれればそれでいいのだ


「はいっ」と自分の名前が呼ばれ大きな声で立ち上がり歩き出した、ここで貰うのは卒業証書という名の未来への片道切符だ、卒業したらもう後戻りはできない、時間は巻き戻らない、人生一度きり大きな夢を掴め、夢を掴みに行くのに戻る必要なんてない、そんな校長先生からのエールだ

普段は長い話しで退屈だが、たまにいいことを言う、だからこそここぞという時に、輝くのではないかと思う


やがて卒業式も終わり、卒業生が出て行く、俺も一緒に歩いた、いつもより胸を張り、堂々と歩いた、この3年間で一番輝く道を


教室に戻り席へ着くと一息ついた、再び友達と雑談で楽しむ、やがて先生が入ってきて、最後のHRが始まった、この日は先生の言葉がやたらと胸に突き刺さる、本当にいい日と思える


「はい、じゃあ最後に如月、お前が締めろ」


「えっ、俺っすか?締めるの俺でいいんすか?、最後の最後に一番おいしいとこ貰ってもいいんすか?最後バシッt」


「さっさとしろ、締まらんだろうが」

先生に突っ込まれて壇上へと立つ、みんながもうすでに笑い始めてる、いかん何も考えてない


「学級委員でもないのにみんなを見渡すのも、これで何回目かなんて数得てないですが、良い眺めです、しかしこれが最後と思うと少し悲しいです・・・」


俺はいう事を考えてなかったので、1人1人名前を呼んで一言ずつ言った、俺にはこれくらいしか言えない

後は思いつくがままに言った、まとまりがなくてかっこ悪いかもだけど、そしたら笑えばいい


「まぁ、先生みたいに長く生きてないのでかっこいいことは言えませんが、自分に素直に生きていけばいいと思います、俺はサッカーをやりたいから大学でもサッカーします、試合とか見に来てくれると嬉しいです、それと思ったことは素直に伝えられたらそれは素晴らしいなって思います、いつ言えるか、いつ会えるかなんて分からない、次のチャンスはないかもしれない、そんな時は唐突に訪れます、その時に後悔しないで今みたいに胸を張って自分自身の道を歩めたらそれはかっこいいと思います、来月からは新たなスタートを胸を張って1歩を踏み出しましょう

では最後に1本締めを」


「それは俺の役目だっ、てか飲み会じゃないんだからよ、でも如月、土壇場でよくやったな」

良いとこで先生が割って入ってきた、俺は素直に席へと戻った、先生に褒められすごく嬉しかった


「今の如月みたいに、普段はバカでもやる時はやるのが男だ、どんな奴でもかっこいい一面はあります、なのでどんな時でも自分に自信を持って、後悔ないように生きてくれっ以上、学級委員挨拶」


「起立、礼、ありがとうございました」

これで俺らの高校生活の過程は一通り終えた


最後の放課後となり、みんなそれぞれ写真を撮ったり、卒業アルバムに書き込んでいる

俺もその中の1人だった


「あ、智也さん、お疲れ様です、かっこよかったよ」

聞かれていたの少し恥ずかしかったりする

「おぉ雪菜ちゃん来たのか」

まさかの来訪者にざわつく、雪菜も何気にこのクラスに馴染んでいた


「特に何も用意してないんですけどこれでお会いできるの最後かなと思ったので」

卒業しても会おうよ、みんなで遊ぼう、そんな声をかけれるこのクラスは本当に良い人の集まりだな


「で、一番はやっぱり智也のボタン貰いに来たんでしょ」


「あ、それ欲しかったんですけどね、でも貰うのは私じゃないです、私はふられちゃいましたし」


再び周囲がざわつく、めんどくさいからこの話はしてなかった、雪菜め最後にこんな罠しかけやがって


「智也さん屋上で待ってるって伝言預かってきました、行ってらっしゃい」


もう少し、色々と話していたかったがそう言って雪菜に背中を押された、しかし今時、卒業式の日に屋上で告白するやつがいるのか、ベタすぎるというか、でもこの学校でそんなことするやつを俺はしらない

いったい誰が待っているのか、その扉の先に答えはある、俺は扉を開けた


扉を開けるとこちらを振り返り少女が歩いてきた


「卒業おめでとう」

俺の大好きな人からの言葉だった


-卒業で ふわりと1歩 リスタート 未来あすへと向かい 風吹き空へ-


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