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初めての葛藤 - ver雪菜 -

- 今年初 君待つ時間 ドキドキと -


放課後になり、私は智也さんの教室の前で待っていた、どうやら私のクラスが先に終わったみたいだ

このちょっとした時間、ほんの数分といったところだろうか、その時間は何とも言えない楽しみな気持ちになる、会うのは楽しみだ

私はゆいにゃんと智也さんのことをもう少し知りたい、私の予想だと聞いて後悔するかもしれないようなことを聞く、だけど聞かないと先には進めない気がして、私は智也さんの彼女になりたいんだ


話が終わったのか先生が出て行った、智也さんのクラスは今、放課後を迎えた

私は出てくるまで待った、扉に背を預け、カバンを両手で持つ、パラパラと数人が教室から出てきた、その中に智也さんもいた、智也さんは友達に手を振って私の前に来た


「お待たせ、じゃあ行こうか」


そう言って私の手を掴み隣を歩く、私はほんの少しだけ寄りかかる、懐かしいこの感覚、私はなんだか嬉しくなってきた、もし辛い時、疲れた時、泣きたい時もこうすれば大丈夫な気はする、体の充電も出来るだろう、私は今から行くカラオケ屋までずっと寄り添っていた、カラオケ屋につき、ドリンクをとってきて、ソファーへと座る


「さて、さっそくお昼ですね、私、作ってきたんだよ」


そう言って私は今朝作った弁当を広げた、この店はもちろん、持ち込みOKなとこだ

私は智也さんに箸を渡した、いただきますと言って早速口へと運ぶ、まずは唐揚げを食べた

きっと唐揚げが好物なのだろうか、そもそも唐揚げ嫌いな人は聞いたことがないわけだが味のほうはどうなんだろう


「うん、うまいってかあれだね、これ冷食の唐揚げだよね」


私は冷食ということを見抜かれたことに少しへこむ、どうやらこの唐揚げは経験済みだったようだ

そして次にきんぴらごぼうを食べる、これは普通にうまいなと言ってた、冷食かどうかはわかりにくいみたいだ

さぁそして卵焼き、をぱくりと食べる、もちろん私はその姿を眺めるだけだ

その結果を楽しみに待つ、綺麗に焦げ目がなくて、甘めの卵焼きは口に合うのだろうか


「この卵焼きさ、俺好みに甘くしたのか?、これすごい好きだぞ」


そういってもらえて嬉しかった、残すはウィンナーだ、これがうまくいけば今日の評価は高いと思う、簡単なものばかりだが喜んでもらえればそれでいい、そして次の段階へと昇る階段になればそれでいいんだ

そして智也さんはウィンナーをぱくり、すかさずご飯もぱくりと食べる


「うん、うまい」


ただ悲しかったのは梅干をハート形にしたのにそれに反応してもらえなかったことだ、そして残りの弁当を一気に食べきると、空になったお弁当箱を渡してきた


「ありがとな、ってかお前は何も食わないのか?」


そういわれてふと気づいた、自分の分を何も用意してなかった、私はいいやと少し遠慮気味に言った

それよりも聞きたいことがあった、今はそっちを優先させたい


「それよりも、質問いいかな?」


「まぁ、答えれる範囲でならな」


そしてここから私の質問責めが始まった

まず聞いたのは、結衣にゃんとの出会い、そしてどんな風に仲良くなったか


智也さんがサッカーを小学生の時からやっていて、ケガをして出会ったのが結衣にゃんでずっと一緒にいた、中学も同じクラスでずっと一緒にいた、同い年の利点というやつだ

周りからは付き合ってるのとか噂が立つくらいに仲が良くてよくからかわれてたりもしたらしい


「それであんなに仲が良かったんですね、でも付き合ってないんですね」


「まぁな、ごめんなさいって言ってキスしていなくなって、急に帰ってきたけどどうすればいいかはわからないんだよな」


「付き合ってないならやっぱりチャンスはあるのかな、1番じゃなくてもいいのかな」


「まぁないわけじゃないな、雪菜のこと嫌いじゃないしな」


「誕生日の時、盛大にやってくれて嬉しかったですよ、プレゼントまでもらえましたし、智也さんはさプレゼントに何か願い込めました?」


「まぁ雪菜のことを思って選んだわけだしな、何を願ったかは言わないけどさ」


やっぱりそこまでは教えてくれなかった、そして私はふとその時のことを思い出す

ここであえて聞いてみる、今日は何かがおかしいような気がした

いつもとは違う何かが私の中にある、今じゃないと出来ないことがあるはずだ


「ねぇ智也さん、私とキスって出来ますか?」


私は唐突に何言ってるのだろうか、こんな迷惑な質問をするなんて何を言ってるのか、完全に早まってしまっただけだ

返事は帰ってこないが、智也さんは恥ずかしそうに顔をそらした、私はすかさずこう言った


「じゃあ智也さん私とゲームしましょう」


「・・・うん、やるか」


少し警戒したようだが頷いてくれた、さすがは智也さんだ

そして、私はポッキーを取り出す、まさかこんな形で役に立つとは思ってなかった

私は箱を開けて、1本智也さんへと差し出した、ポッキーゲームとは1本のポッキーを2人で両端から食べていき、先にポッキーを折ったら負けという単純なゲームだ、単純ゆえの奥深さもある、ただ私もやるのは初めてだが憧れはあった


「えっ?ポッキーゲーム?雪菜とキスするのはまずいというか・・・」


「智也さん、ゲームですから大丈夫ですよ、ほら」


ポッキーを差し出すと智也さんは素直にくわえた、後は向かい合って私が反対側からくわえればゲームスタートだ


「えへへ、じゃぁいきますね」


そう言って、智也さんの膝に座り、くわえた瞬間に思ったよりも距離が近くて一気に顔が熱くなった

智也さんの表情を窺うが何も動かない、私は少しずつ食べ進めた、やっとの思いでチョコの部分に差し掛かる、私は智也さんの肩に手を置き、口の中に広がる味を堪能する。これからの出来事はさらに甘いんだと、ここまできたら私が一方的にいくしかない、そういって徐々に進める

なんでこんなことが出来ているのか私にもわからない、密室効果なのだろうか、もうなんだっていいや

私はゆっくりと目を閉じて食べ進める、もう少し、もう少しだ


さらに距離は近づき吐息がかかる位置で1度止まる、残り3センチ程でゴールだ、鼻先が軽く当たる、今智也さんの目には私しか映ってない、今だけは私だけの人、さりげなく手を首の後ろに回す、残り3センチ程の距離を私は一気に行った


私の初めてのキス、ゲームに頼ったけども、すごく甘いキスだった

息の限界まで私は唇を離さなかった、唇を離すと智也さんの胸に顔を埋めた

やってから後悔をした、これじゃ次に顔を合わせるのがつらくなりそう


「ごめんね」

好きな人がいるのを知って、自分のわがままでキスをした、言葉では謝るがでもキスできたことだけは嬉しかった


「いいよ、雪菜のこと嫌いじゃないから」

こういう時の優しさは傷つく、少し突き放してほしかった、自分の中で生まれる矛盾、どうすればいいのか

結局この後はお互いほとんどしゃべらずにカラオケ屋をでた

「ありがとな、弁当うまかったよ、じゃあな」


そういって智也さんは去っていった

お弁当をおいしいって言ってくれたことは嬉しい、キスが出来たこともものすごく嬉しい

ただ、最後のじゃあな、この言葉が心に残った


-分からずに 進めたチャンス 穴空いて 君が去りゆく みつめたままで-

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