第1章 君との出会い
第1章
- 目覚ましを 止める前に 起きる俺 -
4月6日午前6時50分
俺は、ふと目を開いた
そして鳴る前の目覚ましを手に取った
目覚ましが鳴る10分前に起きた
今日から再び学校が始まる、朝のちょっとした時間
何か振り返るのにはちょうどいい時間
俺はそれなりに充実した春休みを送ったと思う
楽しかったかと聞かれれば、即答で楽しいと応えるだろう
親友の川西涼と妹の遥と3人でよく遊んだ、春休みだった
その中でも、遊園地に行ったのが一番の思い出だ
俺は机の上にあったパンフレットを手に取り、眺めた
こうして眺めるだけで思い出すことが出来る
メインのジェットコースタは少し怖かった、それよりもフリーフォールはもっと怖かった
お化け屋敷では遥に振り回され、
ウォータースライダーでは涼と思い切りはしゃいで楽しかった
夕方くらいになると、涼と遥は少し雰囲気が良かった
俺はその時に初めて、1人で観覧車に乗った
観覧車から見る夕暮れは綺麗で、昔を少し思い出していた
また、こいつらと行きたいなと思う
ただ次行くときは3人ではなく4人で行きたいと思った
そうすれば、1人で乗ることはないから
1人だと寂しいから
4人だと楽しい、でも俺は特別な人と2人だけの特別な時間を過ごしたかった
そんな思いを思い返していた
・・・もう1度、もう1度だけ
「智也っ、おはよう、また遊園地行きたくなったの?」
布団の上で思い出を振り返ってると、ドアの方から声がして、顔を向けると新しい制服に身を包んだ、妹の遥の姿があった
遥は今年から同じ高校に通う、2個下の妹だ
「まぁな、また行こうぜ」
「うん、あ、それより制服どう?変じゃない?」
遥は嬉しそうに両腕を広げて、くるっと回る
肩にかかるくらいの髪をピンクのリボンでピッグテール
白い肌に、ちょっと大きめのセーラー服、そして、いつもより長めのプリーツ
我が妹ながら普通に可愛いなと思う
「良い感じだけど・・・やっぱし、お前はフレアのが似合うな」
「それは智也のスカートの好みじゃんか、もう」
朝から適当な話題にも付き合ってくれる、元気な妹だ
この1年、そんな遥と学校に通えるのは嬉しかった
朝の登校も退屈しないですむ
朝食を済ませ、カバンを持って遥と登校する
外には桜が咲き、綺麗なピンク色が広がっている
隣には、遥がいる
「なんか久々だな、遥と登校するの」
「ね、2年ぶりだもんね」
そういうとさり気なく、遥は俺の手を取った
触れる手の温もり、中学の時も登校する時によく手を繋いでたことを思い出す
その感じが少し懐かしい気がした
「これから智也と一緒に登下校出来るってなんか嬉しいな」
そう言われると、少し嬉しい、だがちょっとだけ恥ずかしい
遥は俺の肩に頭を乗っけてきた
いつもなら撫でたりするのだが、今は登校中だ
誰かに見られるのすげぇ恥ずかしい
「まったく、くっつきすぎ」
「あはは、ごめんごめん、でもどうせ恋人とか作る気ないんでしょ?勘違いされてもいいんじゃない?」
「まぁそうだけど、さすがに恥ずかしいから、手だけにしとけ」
「うん」
手だけでも恥ずかしいのだがそのくらいなら問題ないだろう
妹だしいいかと甘やかしてしまう
俺が恋人を作ろうとしない理由、過去のちょっとした出来事が原因だ
それを遥は知っている、あの時は遥のおかげで立ち直れたくらいだ
遥が明るく元気に接してくれてたおかげで立ち直れた
遥には感謝してる、そんなことはなかなか面と向かって言えないけど
「じゃぁね智也、また後で」
学校に着いて、うわばきに履きかえた
学年で階が変わるため階段のとこで別れる
今日は始業式しかないから半日で終わる
放課後は遊びにでも連れてこうと思った
遥は手を振り、階段を上がって行く、俺はその後ろ姿を見送る
階段を上がる時に左右に揺れる髪は可愛い
妹相手に見惚れるのは自分でも変だなとはたまに思う
でも可愛いから仕方ないかとも思う
そんな遥の後ろ姿を見ていると声をかけられた
「よっ、遥ちゃんと登校とか羨ましいな」
「まぁな、退屈しないからな」
話しは途切れないし、見てると可愛いし、かなりの楽しい
そこまで言うとさすがにドン引きされるであろうから言わないでおく
涼は俺の親友で背が高く、クールなやつだ
頭がよくて、頼りにもなる
どうやら今年もクラスは同じで、相変わらず席も近かった
「そういやお前、進路とか決めたか?」
そう言われたものの、俺は進学しようかなくらいしか考えてなかった
その話題を振られて、3年だし決めないとまずいなとは思っていた
「そういうお前は?」
と聞いてみたものの、涼も似たような答えだった
大学は涼と同じとこ行って、楽しく過ごし将来を決めたい
その後も同じ道をたどれたらそれはすごい楽しそうだと思う
「おぉ、始業式始まるぞ、体育館に行くぞ」
先生の合図でみんなが体育館に移動した
そしてお決まりの校長の話し、やはり長いと思う
こういう時はつい別のことを考えてしまう、例えば
校長先生の頭とかけまして健康な生徒と解く
その心は、毛が(怪我)なくてほっとする
校長先生のイメージってやっぱりハ〇だと思う
そして怪我と毛がをかけてみると、うまくいく
・・・自分で思ったけどホントくだらない
それよりも校長は式の度にくだらない話しをするよな
良くネタが尽きないものだと思う
俺もネタはそれなりにあると思うけど、誰かに言えるものはほとんどない
言うとやっぱり恥ずかしいって思ったけど俺は何対抗してるんだろう
くだらないことを考えてるうちに始業式は終わった
そしてHRも終わり、後帰るだけだ
午前中で学校が終わる時、そんな時はだいたい誘いがある
「よしっ智也、飯でも食べに行こうぜ」
「おう、遥も連れてっていいか?」
涼が頷いた、俺は携帯を取り出し遥に連絡した
返事はすぐに帰ってきた
「おっ、準備出来たら向うから待ってて、だってさ」
俺は正門で待ってると送ると涼と一緒に正門へ向かった
そして涼と2人で校門前で待つ
「そういえば、さっき、くだらないこと思いついたわ」
「ん、なになに?」
と、興味を示してきた
俺は、式の途中に考えた謎解きを言ってみた
「・・・・・・・・」
「いや、黙り込むなよ」
「お前がしょうもないこと言うから、むしろお前が火傷するレベルだぞ」
と思い切り笑われた、自分でも確かにしょうもないなと思った
次回はもっとおもしろいの考えよう
適当に話ししてると遥がこちらへ歩いてきた
遥は片方の手を振りながらもう片方の手は誰かと繋いでいた
早速友達でも出来たのだろうか
俺らの前で止まるとお待たせっと言った
「おっ遥ちゃん、制服可愛いじゃん、似合ってるよ」
「ふふっありがとうございます、可愛いですよね、この制服」
遥は上機嫌にくるりと1周した
スカートが少しだけ、ふわりとまくれ上がる
その姿についニヤけてしまう
足が少し長いのか見えそうで見えない感じをうまく醸し出していた
俺はそれよりも隣の子が気になっていた
「ところで遥、その子は?もう友達出来たのか?」
「うん、この子は如月さん、今日、会って意気投合しちゃったっけ」
遥は自信満々に笑った
そして横にいた如月さんと目が合った
その時、風が吹いた
彼女のロングの髪がふわりと揺れる
「初めまして、如月です」
その風はまるでこれから何かが始まることを予感するような風
俺は思わず、思ったことを聞いてみた
「あの、如月さん、どこかで会ったことない?」
彼女は少し考え、言った
「ん~、えっと、初めて・・・ですよ・・・ね?」
戸惑いながら、周りを見ながら言う
しばし沈黙が流れる、少しまずいかも
でも、そんな時はだいたい涼が助け舟を出してくれる
「智也ぁ、そんなベタに口説くなよ、如月さん困ってるじゃないか、前世で会ったことあっても分からないだろ、普通」
俺の肩をたたいて隣で涼が笑った
「だよねぇ智也ったら、口説くなら、ここで出会ったのは運命かもしれないとか?ストレートにさ、手を握られたらドキドキするよねぇ、」
そして遥も笑い出した
沈黙して気まずくならなくてよかったものの
俺は無性に恥ずかしくなってきた
「お前らはもう、あ~、ほらっさっさと飯行くぞ」
そう言って俺は歩き出した
「待てよっ、智也、あ、桜も綺麗だけど、君のほうが綺麗だよとかよくないか?」
「どれでもいいわっ」
歩き出した俺の後ろを涼と遥が追いかけてくる
遥に手を取られ、如月さんもしっかりついてきた
4人でご飯を食べるのは楽しみだ
俺が思ったのは、彼女とどこかで会ったかもしれない
どこかですれ違っただけの可愛い女の子かもしれないとか
前世で会ったことがあるとか、そういうことではないのだ
ただ、直感的にあの子に似ていると思った
肝心なことはまだ何もわからない
俺の心の中に少しもやもやが残った
でも、仲間が増えて嬉しかった
俺は今後すごい楽しみだと胸を膨らませた
- 赤き花、薄まる色に、春の風、願い散りゆく、予感始まり -




