クリスマス -ver雪菜 -
- 弾1つ 願いを込めて スローイン -
クリスマス前日
「じゃぁ今日はこれくらいにしようか、明日はちょっと予定があるから出来ないや」
私は今日も高崎さんとバスケしていた
「そっか、智也さんとデートだもんね」
「まぁね、これで・・・どうなるかな」
そう、明日はクリスマスのデート、数ヶ月前の約束、智也さんはしっかりと守ってくれる
待ち合わせは10時に駅前だ、明日告白してダメだったら諦める
そんな感じで考えていた
「頑張れ、青島さん、あ、でも青島さんに彼氏が出来たら、私とバスケ出来ないよね?」
「その時はごめんね」
「冗談だよ、むしろ私は応援してるよ、デートに飽きたらまた付き合ってくれるくらいでいいからね」
「ふふっなにそれ、飽きるわけないじゃん」
高崎さんとずいぶん仲良くなった
バスケを再びやり始めて、休憩時間にもいろいろ話した、遥ではなく最近は高崎さんを選んでいた
だから好感度が上がったのかな、でも智也さんを選んでないから、好感度は下がってるのかな
その辺がいまいち分からない、そんな便利アイテムはこの世にはない
相手の反応で判断するしかないのだ、だから明日は頑張ろう
「おーい、雪菜~」
私が高崎さんと話してると、遥が来た
「どうした?バスケでもやりに来た?」
「違うよ、少し話したくなって、冬休み暇だし」
「じゃぁ私は帰るね、またね」
そう言って、私たちは見送った
日が落ちるのも早く、夕焼け空が広がってる
「明日だね、ふふっ」
「うん、遥はさ、あれから何かわかった?」
「わかったよ、色々とね、でも教えない」
何があったか、それは自分で確かめなよってことだ
遥から聞き出したとして、私に生まれるのは迷いくらいだと思う
「でも、応援はしてるよ、雪菜がんばれ」
やっぱり応援してくれる人がいる、これはなんとしても成功させたい
私は遥と作戦会議することにした
遊園地にデート行く予定と知ったら、色々と教えてくれた
「智也は怖いのが何気に苦手だけど嫌いじゃないよ、後は観覧車とか何気に1人で乗るよ」
「えっ?1人で?」
そんなことする人は初めて聞いた、遥かは少し教えてくれた
智也に昔好きな人がいたこと、その遊園地は思い出の場所の1つという事
観覧車は2人での思い出に浸るために1人で乗ったこと
かなり重要なことを教えてもらった
つまり観覧車は避けた方がいいのかな、昔の女を思い出すより私を見てほしい
なんだかんだ遥は色々と教えてくれて、助かる、うまく生かせばチャンスをものにできる
明日、がんばろう、私は家に帰ってからテル坊を作った
晴れますようにと、私の心は遥が晴らしてくれた
だから2人の展開が晴でありますようにと、テル坊に祈りを込めた
クリスマス当日
朝が来る、私は相変わらず9時半に駅に着く
約束の30分前だ、何気にこの待つ時間も好きだったりする
ついに始まるのだ、もう迷いはない、私はここで待つ
キミが来るのを待つ、今日の最後のキミの答えを待つ
「おはよう、雪菜」
「それじゃ行きましょうか、智也さん」
私は彼の腕にしがみついた
なんか昨日のこともあってかいつもよりテンションは高い
それにしてもこの腕にしがみつく感覚久しぶりだ
「なんかこの重さ久しぶりだな、なんか最近遠慮してた?」
「いえ・・・またバスケにはまってました、冬休み明けたらまた一緒に帰りましょうね」
「まぁ、そうだな、また一緒にな」
私にはこの約束が儚く思えた
また、この腕にしがみついて帰りたい、ちょっと困ったように笑うキミが好きだ
キミの横顔を見つめてみる、相変わらずかっこいい
何となく感じたのは前ほど目が合わない、キミは何を見つめてるのだろうか
遊園地に着き、早速乗り物に乗る
ジェットコースターはやはり最初に乗るものなのか
私たちはやはりこれに乗る
「なんかさ、雪菜が絶叫系なんだな」
「やっぱり私のイメージって、あぁ言う感じですかね」
そう言って私はメリーゴーランドやコーヒーカップの方を指した
「うん、なんか雪菜ってけっこう女の子じゃん」
「どういう意味ですか?」
そう聞いたら、智也さんはそのまんま、甘えん坊なとこが女の子らしくて可愛いって言ってくれた
そういう事は言ってもらえると嬉しい、私は少し舞い上がる
コーヒーカップ隣に座って肩が触れ合う、私はこつんと智也さんの胸に頭を乗せた
智也さんは頭の上に手を置きポンポンとしてくれた
メリーゴーランドは2人で1つの馬に乗る、私が前で智也さんが後ろ
まるで後ろから抱きしめられてるようだ、このままいつまでも乗っていたい
しかし時間は限られてる、無限の時間なんてない、有限だからこそ価値がある
私は感触を思い出していた、数分の出来事、それはとても嬉しい時間だった
お化け屋敷ではキャーと叫ぼうと思ったがそんなに怖くない
さすが絶叫に力を入れてる遊園地だ
「お化け屋敷のくせに、怖くなかったですね」
「そうだな、携帯に電話したときは怖がってくれてたのにな」
「あれはマジでビビりましたよ」
「ちょっとやりすぎたかな」
ホラー映画の再現、映画は怖かったし、実際に自分の電話に着信来てマジでビビった
あの日のことを少し思い返した、よく誕生日のサプライズでやったと思う
やる時は全力で、そんな感じだった
私の考えるサプライズなんてプレゼントくらいだ
「おもしろかったのでいいですよ、あ、次あれ乗りましょうよ」
この後も、時間の許す限り、智也さんと色んな乗り物に乗った
やっぱり2人で遊ぶ時間は楽しく、日が暮れ始めるまであっという間だった
夕方になり、私は次のアトラクションを目指す
そうそれは観覧車ではなくフリーフォールだ
智也さん落としたいそんな願いからこれにした
椅子に座り、がっちりと固定される
「ねぇ智也さん、怖くないですか?」
「怖いよ凄く、だから手を握ってんじゃん」
そして合図とともに上へと上昇する
そのまま上がって行き、一番上で止まる
「今から落ちるんですよね・・・」
「そういう事言うなよ、余計に怖くなるだろ」
話してるうちにいつの間にか落ちた
声にならない叫び声がこだまする
乗ってる間の1分間はほぼ覚えてない
ただ今はぐったりしてる、まぁとは言っても今から休んでいては乗り物に乗れなくなってしまいそうなのでそのまま観覧車を目指す
「最後に観覧車、乗りましょう」
「そうだな、2人で乗れるんだよな」
少し嬉しそうに笑った、そして順番がやってきて
向かい合て座った
「どうしたんです?まるで1人で乗ってたような言い方して」
「乗ってたよ、この観覧車は俺にとっての思い出なんだよ、だから1人で乗って夕焼け眺めて思い出に浸ってた、変だよなみんなで来て、観覧車だけ1人で乗るなんてさ」
「変ですね、ふふっ、でも今は私と2人ですよね」
そう言って智也さんを見つめた
私といるんだし、私のことだけを見てほしい
今、告白したらOKしてくれるかな、迫ったら、キスとかしてくれるかな
抱きしめてくれるかな、キミの答えは何だろう
「今は雪菜と2人か、言い忘れてたけどメリークリスマス」
今言うのは意外だった、私も笑顔でメリークリスマスと返す
もちろんバッグの中には渡そうと思ったプレゼントがある
でもその前に想いを伝えたい、もう一度だけ
観覧車もそろそろ下へと着く、ほんとに早い1周15分くらいと書いてあるが、こんなに早いなんて
「そろそろ、終わっちゃいますね」
「もう1周乗りたいくらいだな」
「あはは、また今度にしましょう、飽きられても困りますし」
私たちは観覧車を降りた
そしてそのまま出口へと向かう
その途中、ここだ、ここで決めよう、そう思った
「あの、智也さん」
今日は何度もこの名前を呼ぶ、私は今、伝えるんだ
これがきっとラストプレー、今年最後の一番の見せ所
ゴール前で1対1の状況、智也さんが私の目指すゴールで
私のプレゼントがボールだ、私が攻める番だ
「今日1日ありがとうございました、これ、私からのクリスマスプレゼントです
もし私と付き合う気があるなら受け取ってください、ないなら、ここでお別れです」
「・・・お前なんで泣いて・・・」
私は泣いていた、なんでだろう、まだふられたわけではないのに
ゴール前、しばしの間、静寂に包まれた
「まったく泣くんじゃないよ」
そう言って、私は抱きしめられたそのことが嬉しかった
例えるなら、最後のディフェンスをかわした、後はゴールに向かってシュートするだけ
「私はあなたのことが好きです、多分一目惚れです、一度ふられても諦めきれずに今日
今度こそは、智也さんの心にゴールを決めたいなって、だから私の想いを受け止めてくれますか?」
私は智也さんに抱きしめられながら呟いた
心を込めた最後のシュートだ、届け、この想い
- 想い込め ゴールへ向かい もう1度 胸に受け止め キミの元へと -




