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おかえりver雪菜

- 言いたくて キミが来るとき おかえりと -


12月修学旅行最終日


私は待っていた

21時半、遥に教えてもらった時刻だ

この時間に待ってれば、智也さんを乗せたバスが帰ってくる

だから私は待っていた、学校近くのコンビニで、こんなそばで待つ人なんていない

わざわざ待つなんて私みたいなバカくらいだ


3日ぶりに会う、結局メールも電話もしなかった3日間

だから私は楽しみに待っていた、携帯にメールでコンビニで待ってますと一言だけ送った


私は3日ぶりに会うキミをここで待っている

やっぱり君は来てくれた、1人で


「智也さん、おかえり」


「おう、雪菜、久しぶりだな、わざわざ待ってなくてもよかったのに」


私は何か違和感を感じた

てっきり、待っててくれてありがとなとか言ってくれると思ってた

まぁ疲れていれば、1人で休みたい時もあるだろう



さぁ行くぞとコンビニを出て歩き出す

いつも通り私の前を歩く、ただ手を引いてくれない

なんか悔しい、何かあったのだろうか


「あ、そういえばお土産」

そう言って渡されるのは普通の人形焼12個入りだった


「ありがとうございます」

確かに定番だけど、なんか違う

智也さんならもっとおもしろいものを買ってきてくれるかと思ってた

なんか笑える小道具とか、みんなを驚かせるためのものとか

智也さんならそういうの買ってくるかなと思ってた


こんな普通なの、何かがおかしい

やはり、遥が言うとおりクラスの女子と進展合ったりでもしたのだろうか


「さて、それじゃ、またな」

そう言って智也さんは去って行く

明日お休みなのに、誘ってくれない、それは寂しい


「あの智也さん、誰かと進展でもありました?」


「えっ?・・・いや、ないよ」


「そう・・・ですか」



嘘だ、なんとなくそう感じた

その間とか、智也さん見てたら、親しい子が出来たと思った

修学旅行ってそういうものなのかな

私は智也さんの横を歩く、なぜか今日は手を繋げてない

やっぱり怖い、誰かいるんだな

私の彼氏に出来ると思ってた

でもそんなことはないのかな


その後も無言で歩き続けた

「じゃぁな」


「うん・・・」


智也さんと別れた、明日からまた普通に話せるかな

きっと今日は疲れてるだけだと思うことにした


そして休日が過ぎて、月曜日になった

休日はメールもせずに、何となく過ごした

ほんとは話したかった、修学旅行の話し色々と聞きたかった

それを通じて、もっと話して、旅行とかの計画立てたかった


偶然学校で智也さんに会う


「おはよう」


挨拶だけは返してくれた、なんだろうすごいもやもやする

つい、こんな時は遥を頼ってしまう、親友だもん


「で、遥、智也さんに何かあったの?」


「へ?なんもないよ、ってか喧嘩でもした?」



「違うよ、だからわかんないんだよ」


そっかと呟き頭を撫でてくれる

少し落ち着く、私は遥にしがみついた


「まぁドンマイ、雪菜の初恋もここまでか」


「むぅ、言い返せないじゃない」


悔しいよ、こんなあっけなく終わるなんて

まだ、諦めたくない、この前約束したクリスマス

その時に彼女になれるとちょっとだけ確信してた


でもそんなことはないんだ

絶対なんて、ないんだ

今までの日常を、智也さんと過ごせたからこれからも過ごしたい

今日は笑顔で、一緒に帰ろうと誘ってみる


よし、一緒に帰るかとキミは言ってくれた

だから今日も一緒には帰れた

でもなんでか、前みたいに話せない

腕にしがみついてみてもいいかな

私は勇気が出ずに、そっと袖口を掴む、これくらいが今の精一杯

掴んだところで言葉が出ない、一緒にいてもなんか気まずい

今までずっとあたしがしゃべり続けてたから

私がしゃべらないと会話がない、それだけのこと



その日から、私はバスケするようになった

「高崎さん行こう」

そう言って誘ってみたが、実力差はある

いかんせん思い切りできない

本気を出すと、相手にならなかったりする

「はい、ちょっと私を抜いてみて」


そう言って、ボールを渡す、私たちは向き合って構える

「バスケはさ、相手からボール奪えなくても、負けない、点決められたら、自分のボールから始まるから、そこで確実に決め続ければいい」


私は勝負事で手を抜けない、特にバスケは好きだから

漫画で読んで、主人公みたいになりたくて始めた

ちょうど年齢も同じだったし、技も漫画で積み重ねてきた

そしてストーリーと同じように全国大会へ行った


「青島さんはやっぱり強いね、全然勝てないや」

私たちは1勝負終えて、休憩中だ


「好きになれば、何だってできる、人の想いはそれだけ強い、最後はもう意地の張り合い

だけど、いや、だから自分の想いだけじゃどうしようもならないときはあるんだ」


「青島さん、もしかして智也さんにふられたの?」


「ちょっ、わかんない、最近まともに話してないから何とも言えないけどさ」

そういえば、前みたいにクラスまで来てくれなくなった

修学旅行の話も聞けてないし


「きっかけはさ、自分で作れって青島さんが教えてくれたんだよ」


「へ?」


そっか、まだ試合は終わってないんだ

もし、チャンスはあるとしたらクリスマスだろうか

もう約束しちゃたし、気まずいけど何かを変えるならその時しかない


そう言えば、智也さんに渡そうと思ったもの、それを渡そう

それで告白しよう、ダメだったら、バスケ・・・

なんか遥の言うとおりになっちゃう気がする


昔のバスケみたいに頑張ってみよう、違いは本があるかないかの違いだ



私はボールを持って構えた

正面よりはるかに難しい真横からのシュート、少し右にずれればボードの端に当たってしまうし

左に外れれば取り行くのがめんどくさくなる


狙いを定めて、投げた、ボールはリングに当たりガンと音を立てて転がった


- 音を立て 訳も分からず 忍び寄る キミの心に 響き虚しき -


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