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第4章 修学旅行

- 旅行前 眠れぬ夜は キミのせい -


12月初旬

修学旅行当日の朝


「おはよう」


「おっ、早いな遥」


リビングで朝ご飯を食べてると遥が起きてきた

「目が覚めちゃった、それより今日からよね」


俺はうなずいた、でなければこんなに早く起きない

まだ朝の5時半だ、正直言うともう少し寝ていたい


でも、やっぱり修学旅行は楽しみなわけで寝てるわけにはいかない


「お土産楽しみにしてるね」


「結局それかよ、それじゃ行ってくるよ」


俺は遥に見送られ家を出た


やはり外は寒い、12月だし当然のことだ

そんな中、東京へ行く

普段が田舎だからか、ビルが並ぶ、町並みは楽しみだ

俺は初めて行く東京を楽しみにしてる


「と、智也さん、おはよう」


そこには制服姿の雪菜がいた

何でここにいるのか、そう聞いてみた


「3日も会えなくなるのは寂しいから、最後に会っときたいなと思いました」


雪菜には少し前に旅のしおりを見せたので、何時に行き何時に帰るかは大体予想がつく

そして今の一言は心に響く


「そんなこと言われるとすげぇ嬉しい、こんな早くから、寒かったろ?」


雪菜は頷くと思い切りしがみついてきた

こうすれば暖かいですよとかは反則だと思う

そんなこと言われたら引きはがせないし、もちろんそのつもりもないが


「少しだけ、このままで」


朝から可愛い子に抱きしめられるのは嬉しい

その甘い時間を堪能した、雪菜はすっと離れた


「充電完了ですっ、智也さんいってらっしゃい」


俺は手を振り、いってきますと答えた

雪菜と離れて思う

ぬくもりや雪菜の匂いが残ってる

なんだか嬉しい気分になる、俺は旅行がより一層楽しみになった




そして学校につく

早速クラスの奴らにあいさつした

適当に雑談してると、みんなが揃いバスに乗り込んだ

こうして、俺の2泊3日の旅が始まった


朝が早かったせいなのか半分くらいは寝ている

俺も寝ることにした、向こうについて眠かったら楽しめないし

そう思って俺は目を閉じた


無事に東京につき、近くの観光場所をめぐった

ホテルに着いたのは20時頃だった


初日は移動もあって時間が短い

それ以上に楽しかったせいか、あっという間だった

今日は5人でこの部屋に泊まる


「そういえばさ、この前の・・・雪菜ちゃんだっけか?最近どうよ」


クラスメイトに聞かれた

学校でも2人でいるとことか見られてるし、聞くほどのことでもないように思えた


「まぁ順調だよ、だいぶ仲良くなったし」


「付き合ってんの?」


「まだだよ、告白してもないのに付き合えるかよ」


前に告白された時にOKすれば普通に付き合えていた

たぶん今告白されてもOKされると思う、根拠は今朝の出来事とか

その後もいくつか質問されて俺はいろいろと答えた


「で、告白する予定とかは?」


「クリスマスかな」


そう言った瞬間、思い切り笑われた

「ロマンチストかよ、完璧なタイミングだな」


「あ、でも彼女できたら、初詣とか一緒に行けねぇじゃん」



「ふふっ悪いな」

そうやってくだらない話で夜は更けていった




修学旅行2日目朝


7時にアラームが鳴る、そして起きる

今日は朝食を食ったら、自由行動だ


朝ご飯がご飯に味噌汁に、鮭にサラダ

ずいぶんとしっかりした朝食だけど、つまり鮭定食だ

美味かったけど、東京っぽくない

飯食って、部屋に戻る


「じゃぁ俺ら先に行くから」

準備を終えた、クラスメイトが部屋を出て行った


「おう、いってら」

そして涼と2人になった

今日は班行動で、俺は涼と一緒に浅草の予定だ


「さて、俺らは浅草の予定か」


提出するときには、浅草で有名な観光名所を書いて提出した

ただ先生とか見張りはいないので、時間通りにホテルに戻ってくれば、どこかへ行ってもばれないだろう


「なぁ智也、秋葉原行かない?もちろん内緒で」


「えっ、まぁいくか」


そうして俺らは秋葉原へ行くことになった

電車に揺られ20分くらい、目的地に着いた


東京にはこんなにも人がいるし、先生にばれることはまずないだろう

もし見つかったら、乗り間違えたとでも言い訳すればいい

改札を抜け秋葉原に降り立った


「おぉここが秋葉原か、おっ、あの行列なんだろうな」


人がたくさんいて、ビルが並ぶ、そして秋葉原という響きに感動を覚えた

あそこに並んでるのはゲームの先行発売の列らしい


「智也、並んできてもいいか?」


ほんとゲーム好きだなこいつは


「いいぜ、いってこいよ、俺は適当に回ってるから後で改札のとこ集合な」


涼とはここで別れた、俺は特にほしいものではなかったし

集合場所さえ決めとけば大丈夫だ

なにより買わないのに列に並ぶのは何か気が引けた


そして、町並みを見て回りたい


歩いてもビルばかり、人もたくさん、見てるだけで楽しい気分になってくる

知り合いもいない、人ごみに紛れてる、都会って楽しい

たださっきから避けるのに、いっぱいいっぱいでなかなか前に進めない


「おっと」

俺はつまづいて、誰かとぶつかった


「わっすいません」

ぶつかった人に謝った


「もぉ痛いじゃない」

どこか不機嫌そうに言われた

でもこの声どこかで聞いたことがある、ふと目が合い確信した

目の前に倒れてたのは、3年ぶりに会う、好きな人


「あれ、結衣・・・にゃん?」

俺は久々にその名を口にした

まさかこんなとこにいるなんて、知り合いっていうか、大事な人が


「あれ?ともちゃん、久しぶりだね」

俺は結衣にゃん手を差し出した

俺の手を握って、結衣にゃんは立ち上がる

俺はおもわず、思い切り抱きしめてた


「また会えるなんて、奇跡だな、会えてよかった」


「うん、3年ぶりだね、すごく嬉しいよ」

まさかこんなとこで会うなんて思ってもなかった

彼女が俺の大切な人だ、3年前に俺を振っていなくなった人

3年間なにも連絡なかった人、俺が未だに好きな人

たとえ離れていても、会えばわかる人


「あれ、1人?」

俺はだいたいの事情を話した、今は別行動していて1人の状態のことも


「じゃぁ問題ないね、こっち」


連れてこられたのはワックだった


「なぜワックに、全国チェーンじゃん」


「安いし、長くいても問題ないから」


結衣にゃんに連れられて、俺達は秋葉原のワックでひたすら話した

秋葉原にいたのは偶然で、東京に修学旅行に来ていることは遥から聞いてたらしい

遥とは今までメールで近況を伝えあってたこと

おかげで忘れたくても忘れられないどころか、前より好きになってたこと

色々と複雑ではあるが、お互いに好きで、その思いを共有できたこと


「そっか、あ、そういえば何であの時、キスだけしてごめんなさいって」



「だって好きだったもん、卒業式の日に告白とかベタなことが私には凄い嬉しかったし

 実は私から言おうかなと思ってたりもしたんだよ

 でも次の日に東京に行くことは決まってたから、遠距離だと辛いだけかなって

 あんな別れ方したからなんてメール返せばいいんだろうって分からなくなってさ、でもキスは一度してみたかったのよ、こんなこと今だから言えるのよね」


3年ぶりの再会、知りたかったことを聞くことが出来た

あの時、遥にはまたどこかで会えるよって慰められたことを思い出した

その言葉を信じ続けてよかった、あの時は無責任で残酷な言葉に聞こえた

でも何度も言われてるうちに、本気になってる遥を見て、信じたかったんだ

今、その思いがわかった気がする


「でさ、ともちゃんはどうなの?私がいない間に雪菜ちゃんと仲良くなってさ」


「それも遥からか?まぁ仲が良い後輩だよ」


「一度告られて振って、そっから仲良しになって、イチャイチャしてるんでしょ」


遥はどこまでしゃべったんだろうか

その辺もその通りなので頷くしかない


「確かにそうだけどさ、1度振ったのはまだ結衣にゃんのことが好きだからだよ、でもこのまま会えないなら、雪菜と仲良くなった方がいいかなって、いつまでも引きずってちゃいけないのかなとか思い始めてさ」


そういうと結衣にゃんは笑い始めた


「ほんと変わらないね、私のことが好きなのも含めて」

思い切り笑われた、なんか悔しい

なんか話してると時間が過ぎるのを早く感じる


「あ、そろそろ時間だ、そろそろ行こうか」


そう言って、席を立ちあがる結衣にゃん

時刻を確認すると17時近かった、久々に会って、話しすぎたみたいだ


「ん、どこいくの?」


「ホテル、先にいるから後で来てね、同じとこ予約したから」

どうやら、遥から聞いて、同じホテルを予約したらしい

自分の身内に見つかるのを気遣ってくれたみたいだ


俺はワックを出た

そして駅の改札へ着くと涼が待っていた

俺はこの時まですっかりと涼のこと忘れてた


「おせぇぞ、智也、俺よりも満喫できたみたいだな」


「あぁ、けっこう楽しいね、秋葉原って」


涼と合流し、電車へ乗り込む、そして今日のホテルへと向かう

お互いに満喫できたようでよかった

当初の目的とは違ったが、東京はほぼ満喫してないけど本当に良かったと思う

久しぶりの再会、手の温もり、抱きしめた感覚はしっかりある

今夜、また会えるとか夢みたいだ


ホテルに着くと先生が待っていた

「おう、時間ギリギリだな」


「いやぁちょっと駅で迷っちゃって」


「ははっ、東京駅は広いからな」

俺は先生から部屋の鍵を受け取った

やっぱり秋葉原に行ったことはばれてなかった

部屋に入り、荷物を置くとなんか疲れた感じがした


部屋でのんびりしてるとメールが来た

「3階の奥の部屋」と一言だけ、結衣にゃんからだった


「涼、ちょっとお土産見てくるね」

そう言い残すと、俺は部屋を出て、エレベーターに乗った

3階につくと、静まり返っていた

ホテルの廊下って1人だと少しさみしい


俺は奥の部屋をノックした

「さぁ入って」

ドアが開き中へ招かれる

俺は椅子へと腰かけた


「消灯は22時なんだね、で東京タワーは23時までってことでデートしよっか」


結衣にゃんはあっさりと言ってくる

消灯が22時、今が19時くらい

21時半には戻ってきたほうがよさそうだ


「まぁ2時間くらいか」


「もし消灯過ぎたらここにきなよ、絶対に見つからないでしょ?」


「まぁ大丈夫だろう」


東京タワーまでは歩いて10分くらいだ

俺は結衣にゃんと行くことにした


「ってか言うの忘れてたんだけどさ、なんでメイド服なの?」


「これ、それっぽいやつよ、ともちゃんが好きそうなのを選んだのよ」

改めて見直す、こういうの大好きだ、白と黒のコントラストが良くて

細くて白い腕が可愛い

スカートも少し短めだし、ニーソも素晴らしい

少しだけ触れてみる、触り心地が良い生地だ


「どう?良い感じ?」


「すごいね、これ、うん、すごくいい」


「さぁてそれじゃ行こうか」


そう言って俺達は手を握った

部屋を出てエレベーターに乗る

そしてそのままロビーを抜けて外に出る

誰かに会わないか心配したが誰にも会わずに安心した


そして俺は涼にメールを送った

「ちょっと散歩して晩飯食ってくる、帰り遅くなるかも」


とてもじゃないがデートしてくるなんて言えない

こんな可愛いメイド風の結衣にゃんとデートとか嬉しい

ほんと3年ぶりとは思えない、親近感だ

俺たちは少しいちゃつきながら、東京タワーを目指した

隣に結衣にゃんがいる、それだけで楽しかった

腕を組んで歩くのはすごく楽しい


近くで見上げるタワーはすごく大きい

中へと入り、入場料を払う

「高校生2枚で」


「はい、これ私の分のお金」

そう言って、彼女はお金を渡してきた


「いいよ、せっかくなんだし奢るよ」

そうしないと格好がつかない気がした

せっかくのデートだし、格好つけたい


「いいって、限られたお小遣いなんだから大事に使いなよ、それに奢ってもらうより、割り勘の方がたくさんデート出来るでしょ」

そう言われると確かにそうだ

つまりは次もデート出来るみたいだ


「まぁそうだな、でも結衣にゃん、東京住じゃないの?」


エレベーターで最上階まで上がる


「あのさ私の体が弱いの知ってるでしょ?」


「あぁ、昔は病院でずっと話してたもんな」


小学生の頃、サッカーをしていて、足の骨を折ったことがある

その入院先の病院に彼女はいた、その病院が俺と彼女の始まりだった

1ヶ月の間、俺たちはずっと話したり、遊んだりしていた

おかげで退屈せずに済んだ、むしろ一緒にいることが出来て、骨を折った出来事がむしろ嬉しかったくらいに


そしてしばらく会えなくて、中学校で同じクラスになった

俺は一番に結衣にゃんのもとへとかけて行った

そっからまた楽しい日々が過ぎて行った、途中で病気のことを教えてもらった

信じたくはないが、入院を繰り返す彼女を見てると信じるしかないように思えてきた

俺は部活が終わると、いつも病院までお見舞いに行き、時間ぎりぎりまで話していた

彼女のもとへいるのが当たり前で、キミの笑顔を見るのが俺の日課になっていた



どうやらその治療のために卒業と同時に東京の病院に移ったらしい

それで色々と試したが上手くいかず病気はまだ治ってないとのことだった


「それで私は東京の病院から前の病院に戻るの」


「ってことはまたあのベッドで」


「そうね、年明けに戻るからまたたくさん話せそうね」


「夜景綺麗だね」


「うん、ともちゃんちょっと」

そう言うと、結衣にゃんは俺の肩を両手で掴んだ

そして、背伸びをして、ちょんと口先が触れた

久しぶりのキス、あの時は少ししょっぱかった

でも今は甘い、ふんわりと甘かった


「こんなところでロマンチックよね、してみたかったんだ」


「2回目も不意打ちかよ」


「もぉ、こんなカップルが来る定番の場所なんだから、2回目はむん~」


今度は俺から、彼女が言い終わる前に唇を塞いだ、少し長い時間触れあった

なんかすごく愛おしい、キスをするのってこういう感覚なんだ


「気づかなくて悪かったな」


「ふふっ、キスしてくれたから許したげる」

お互いの顔を見て笑う、さっきまでの雰囲気が嘘のように明るく晴れ渡っていた

ほんとに夜の街並みは良い眺めだ、この時間は恋人同士のようだった

俺達は時間が許すまでその場所で眺めていた


「私を好きでいてくれてありがとう」

彼女の別れ際の一言は俺の胸に響いた


- キミがいた 儚いキスは 高見へと 眺める先は 手を繋ぎ行く -



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