仕返し -ver雪菜-
やり返す あなたが応え くれたから
日が昇り、朝が来る
久しぶりに眠れなかった
だって楽しみで、妄想が膨らんで寝れなかった
と言っても、いつもより少しだけ寝るのが遅くなっただけだ
楽しみであっても、布団に入って、目を閉じれば寝てしまうのだ
ほんとお布団に入って数分で寝てしまう
だって気持ちいいから、寝るのは早く、起きるのは遅くなってしまう
それが布団という魔力、睡眠という抗えない壁であると思う
私はその魔力に抗い、睡魔を振り切り学校へ行く
そしてのんびりと授業を受ける
「雪菜、いこっ」
そう言って、声をかけられる、次は体育だった
私たちは更衣室へと行く
そして着替え始める
「ねぇ雪菜、ちょっと」
そういって胸元へと手を伸ばしてくる
「小さな膨らみだよね」
「うるさいなぁ遥だって言うほどないじゃない」
私たちはそんなしょうもないことで笑いあう
智也さんは大きいほうが好きなのかな?ふと疑問に思う
まぁ分かったとこでどうしようもないのも事実なんだが
さて、バスケの時間だ
私の得意分野だ、すごく楽しみだ
ただ、あまり目立ちたくはないので本気ではできない
でもやっぱり体は正直なのか、ドリブルを始めると、つい本気になっちゃう
抜くときはもちろん、パス回しや3ポイントも余裕で決めてしまうくらいに
クラス内はほとんど初心者なため、渡り合える人がいない
相変わらずこっちでも孤立していた
「雪菜、本気出し過ぎじゃない?」
「好きだから仕方ないのよ、なんか抑えられないっていうか」
授業が終わり、再び更衣室で着替える
「ぐいぐい行き過ぎると後で大変だよぉ、色んな意味で」
「なによそれ、意味わかんない」
遥はたまに変なことを言う、でもそれが何かを意味してるのかなって気がする
遥は何か知ってるのだろうか、そんな様子は全くないが
「まぁいいじゃん、行こうよ」
そう言って、手を差し出す、私はその手を掴む
すぐ手を繋ごうとする辺り兄弟なのかな
「ねぇ遥、今日遊びに行っても良い?」
「えっ?まぁいいけどさ」
遥と約束をして、教室へと戻った
体育の後の授業は少しだるかった
お昼の時間、私は相変わらず遥と食べる
「あ、あの、私も一緒にいいかな?ご飯」
誰だろう、同じクラスだけど、ほんとにわからない
「あ、高崎さん、うん食べようよ」
そう言って遥は近くのいすを並べる
3人で囲ったのは初めてだ、
しかし遥と2人じゃないのは少し残念
「えっと、青島さん」
久しぶりに苗字を呼ばれた気がする
苗字だとやはり距離感を感じる、話すの初めてだしあたりまえのことだ
「はい、何でしょう」
「バスケ上手かったね、どっかでやってたの?」
「中学の時にバスケ部だっただけよ」
その後もいろいろ聞かれた
どうやら高崎さんはバスケ部で、私を誘いたいようだ
「確かに上手いけどさ、部活には入りたくないから、ごめんなさい」
はっきり言ってみた、そうすればきっと断れる気がしたから
でも結局は気が向いたら来てねと言われた
完全には断れなかった
そして放課後、私は遥と揃って、教室を出た
遥の家へやってきた
私はこの時間を待っていた
遥の部屋に入るとまず荷物を置いた
「そういえばさ、昼間に話した高崎さんだっけ?仲良いの?」
遥は自分のベッドに腰掛けると、ポンポンとベッドを叩いた
私もその隣に腰を掛ける、遥とベッドの上で肩を並べた
「昔は仲良かったよ、この部屋に遊びに来たこともあったし」
「今はそうでもないの?」
「てりゃ」
遥は毛布を掴むと私ごと押し倒した
私は押し倒され、遥は胸に顔をうずめる
とはいっても胸はそんなに大きくない
「こんなふうにして見つめたらさ、すごい涙目で、気まずくなっちゃった、それ以来今日まで話さなかったのにね、いきなり話してくるんだもビックリしたよ」
「ふふっ、なによそれ、私は嫌じゃないけどね、むしろ好きだけど」
「よかった、私さ、雪菜の匂い大好きなんだよね」
私は遥の頭を撫でる
ここなら誰も邪魔が入らず、たっぷり堪能できる
ただ遥はじゃれ合いたいだけなんだよね
女の子の匂いが好きで、ただ堪能したいだけ
「えへへ、私も、ほんとここなら邪魔はいらないし」
そういってしばらく私たちは毛布にくるまって遊んだ
初めてのことはやはり楽しく感じた
日も暮れて、少し暗くなり始めていた
これ以上やると夜の遊びになってしまう
私たちは毛布から抜け出し、座りなおした
「そういえばさ、最近、智也とどうなの?」
「うっ、まぁあんまり話してないかな、学校でもすれ違わないし」
私はここ最近の出来事を話した
「そっか、じゃぁ隣の部屋だし行って来たら?」
「うん、その言葉待ってた」
やっぱり遥は背中を押してくれた
ずいぶん前に言われた、初恋は実らない、あの言葉はもう忘れていいのかもしれない
今更聞くのもなんか無粋な気がした
部屋の前まできた、ノックまでは遥がしてくれた
「おう」
中から智也さんの声が聞こえてくる
私はドアを開けて、中へ入る
「智也さん、こんばんは」
「あれ、雪菜?なんか久しぶりだな」
確かに最近会ってなかった久しぶりに感じた
でも驚いてることが少し嬉しい
だからこのまま勢いに乗せ誘おう
「今からデートしませんか?」
そういって私は手を差し出す
やはりその手を掴んでくれた
そのまま私は智也さんの部屋を出て、外に出た
外は少し薄暗く、本来ならそろそろ帰ろうかなという時間だ
この時間に2人で外を歩く、それだけでわくわくする
私は思い切り、智也さんの腕にしがみついた
「よかった、いつものお前で安心したよ」
そう言ってあたまを撫でてくれた
私はそれが嬉しい
「安心してください、私は智也さんを嫌いになったりしないですから」
ちょっとしたいじわるはするかもだけど、でもそれはあなたの気を引きたいから
好きな相手に本気で意地悪は出来ない
2人で歩いて、楽しめるこの時間が、最近の楽しみだ
1人では出来ない喜びがある
それを教えてもらった
特に目的もなく2人で歩く
「あの日から、急に連絡も返してくれないし、学校では会えないし、嫌われたのかなって」
「そんなわけないじゃないですか、私は好きですもん」
「ならよかったかな」
会話はするがいつもより口数が少ない
あれ?いつも私がたくさんしゃべってただけかな
それじゃ今が、空回りしてるみたいだ
「ちょっと待ってろ」
そう言って、智也さんは駆けだした
そして離れる手と手、走った先に会ったのはコンビニだた
3分くらいで戻ってきた
智也さんはアイスを買ってきたようだ
「一緒に食おうぜ」
そう言って来たのは公園だった
前に私が告白した公園
もしかして、智也さんからしてくれる
公園のベンチに座った
私は渡されたアイスを食べる
「どうだ、うまいか?」
「冷たいです」
その解答に2人して笑いあう
アイスは冷たいしうまい
少し溶けてもまだまだ冷たい
そしてアイスを食べ終わるまで再び無言が続く
でもそんな時間は嫌いじゃない
「星が綺麗です」
「あぁそうだな」
2人で夜空を見上げる
星なんてお互いに詳しくないからわからないけど
そんなことはいい、結局は一緒にいるための口実だ
気まずくならないための空気作り、それが今見上げる星
いずれそんな口実なくして一緒にいられる時が来るのだろうか
「あの、智也さん、1つだけお願いがあります」
「星に願いをではなく、俺に願いを」
「ふっ、しょうもないですね」
「で、なんだよ?」
私は智也さんと約束を交わした
まだまだ早いけど、1つの約束
クリスマスにデートしてください
それが私の智也に願いをだ
それまで頑張ろう、そうすればきっと付き合うことが出来る
今よりも、1歩近づける、そう思った
今はまだ告白する時ではない気がした
だからクリスマスの力を借りる
なんだか今日は、素敵な日だ
- たりぬなら 溢れる思い その身から 勇気の光 眩い輝き -




