始業式 -ver雪菜-
- 始まりを キミと過ごすは 晴れの空 -
9月初日
昨日で夏休みが終わり、今日から再び学校が始まる
ご飯食べて、着替えて、私は家を出た
久しぶりに学校まで歩くのがちょっとめんどくさいな
今まではご飯食べ終わって、自由だったのに、なんか縛られてる気がして
少し面倒に思えた、この15分の通学でさえも
それでも歩くしかない、私は1人で歩いた
昔も今も投稿はいつも1人だから寂しいということはない
教室について、一息つく、のんびりしてるとやはり遥がやってくる
「おはよう、雪菜」
私はおはようと返した
「あ、そういえばさごめんね」
遥は唐突に謝ってきた
私は特に謝られる覚えはなかった
「えっ?なにが?」
そう聞いた瞬間にチャイムが鳴る
その直後に先生が教室に入ってくる
また後でね、と言って、遥は席へと戻って行った
すごく気になっていた
遥が謝るってなんだろ、私たちの中で改まって謝るなんて、そんなことは珍しい
この続きは放課後になりそうだ
放課後までの時間はいつもより長く感じた
始業式、話しを聞いてるだけでなかなか時間が進まない
ただ立ってるのも疲れる、遥は私の4つほど前だ
なので話しにくい、周りにも友達はいないため、のんびりと話を聞くしかなかった
教室に戻ってHRが始まった
相変わらず、先生の話しは短かった
12時過ぎくらいに今日は終わった
私はふと遥の方を見てみる
クラスの誰かと話していた
1学期同じクラスのため、見覚えはあるがほとんど話したことがないので誰かは分からない
でも笑いながら話してる、そんな友達は遥しかいない私にとっては会話が終わるまでが待ち遠しかった
「ごめん、お待たせ」
そういって、後ろから座ってる私を抱きしめた
もう、相変わらずね、抱きしめられたら怒れなくなるのを知ってるのだろうか
少しイライラしてたがまぁいいかと思った
「で、なんで謝ったの?」
私は単刀直入に聞いた
「えっとね、これなんだけど」
遥はポケットから携帯を取り出した
相変わらず私と同じ携帯、偶然にも同じ機種の携帯だ
「これ、雪菜の携帯なんだ、そして私の携帯がそっち」
「えっ?どういうこと?」
「その携帯の時計10分進んでるでしょ?」
私はそう言われて、携帯とクラスにある時計を見る
確かに10分ずれていた
そして遥は携帯を操作した
私が手に持っている電話が鳴り響く
ちゃん、タンタンタンタン
この旋律は間違いない、背筋がゾクゾクくる音だ
あの映画のやつ、そして携帯に表示された名は”青島雪菜”だった
「これが10分後の自分からの電話の正体、その携帯だけ、手動で10分後に時間を合わせたの」
確かに、普通は自分の電話に着信履歴は残せない、着信なんてめったに来ないから気づかなかった
「なんだぁ、じゃぁ慌てることはなかったのね」
そういって、お互いの携帯を手渡す、どうやらこれがほんとの自分の携帯のようだ
時刻もあってる、電話帳を見てみると、やはり自分の名前はない
なるほど、確かめる時はここを見ればいいんだ
「あれ?遥のロック画面も待ち受けも私と一緒なの?」
ロックは4桁の番号なので被る可能性はあるが、待ち受けは私と智也さんしか持ってないはず
「あぁ待ち受けは智也から、ドッキリに協力してほしいってことで、送ってもらったんだ
ロックの方は4桁だし、多くても全部で1万通りだし、何回間違えても問題ないしで試せばいいかなって、電話帳以外は見てないから安心してね」
私の中で謎はすべて解けた、そして怒る気はない
1つのサプライズでそこまで出来る兄弟が凄いなと思った
ただ、あの待ち受けを遥に送られたのはショックだった
「そっか、けっこうビックリしたよ」
誕生日にこんなサプライズされるのは初めてで嬉しかった
「ごめんね、ちょっとやりすぎちゃった」
「いいよ、別に悪気無いなら許すよ、別に怒ってないし」
そう言うとお互いの顔を見て、笑いあった
そして、2人で帰る、途中まで一緒に帰った
そして遥に手を振り別れ、私は1人になる
その時、携帯を見返した
メールが来ていた、新着2件
1件は今日の朝だ、
昨日は宿題に追われてたりした?
良かったら、始業式が終わったら遊びに行かない?
今日は返信くれると嬉しい
もう1件は一昨日だった
明日って暇かな?
夏休み最終日だし、一緒に宿題やらない?
昨日1人で出かけたことに少し後悔した
私は2つのメールを見てため息をついた
確かに何も見なかったのは嬉しかったが、こういう事は知らせてほしかった
今は13時だとりあえず返信しないと、と思った
でもなんて返せばいいのかな、ここで遥と携帯が入れ替わってたことを言うのはなんかかっこ悪い気がした
たまには嘘、ついても良いよね
誰かを傷つけないための嘘なら、いいよね
そう自分に言い聞かせた、そしてメールを打つ
ごめんなさい、宿題に追われて気づきませんでした
って送ろうとした
でもそれだとただの計画性のない馬鹿だと思われないだろうか
智也さん、返すの遅れてごめんなさい
今から遊びに行きましょう
ってのもなんか唐突過ぎるし
色々と考えては留まって頭を悩ませる
いまいち行動に移せない
考えてるうちにめんどくさくなった
ふと、もう全部言っちゃえば楽になると思った
そして智也さんと、電話してみたいなとも思えた
メールはするけど、思えば電話はしたことなかった
今まではメールで満足していた
1通1通の返信がすごく嬉しかった
何度も読み返したり、悶絶する時もあった
何気ない雑談に、返してくれる、何気ないこと
私にとってはそれがやけに嬉しかった
明日遊びに行こうと誘われた時、これまでにないくらいに喜んだ
来ていく服を選ぶのは大変で、何時間もかけた
寝る前には何を話そうかとか想像して、全然寝れなかったりした
そして想像通りに行かないデートで疲れた、でも楽しかった
手をさりげなく握ってもらえて嬉しかった
私にとってほとんど初めての経験だ
だから初めての電話を楽しみにしよう
今夜電話しても良いですか?
そうやってメールを打った
でも、送る前に少し考えた
これじゃあまりに直球過ぎる
ほんと自分って優柔不断だと思う
ここで1発決めたい、だから私もサプライズで返そう
ものすごくシンプルなサプライズを閃いた
私は散々迷った挙句にメールを送信しなかった
サプライズは明日の夜にやろう
今日1日は心の準備をしようと思った
そう思って、家に帰り、ご飯を食べて、明日を楽しみに眠りについた
明日のサプライズ、成功しますようにと
- 心へと 知らぬ喜び 夢を見て 祈る先は あなたのもとへ -




