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第5話
昼休みになり、指定の時間に図書室へ行く。
すでに伊川さんは図書室の中にいた。図書室はまばらに人がいる。教室で姿を見なかったと思ったら、そういうことか。でも、昼休み始まったときから居なかったような。いつ昼飯を食べているんだ? 少しの疑問を持ちつつ、話しかける。
「伊川さん、おまたせ。早いね。もしかして待たせちゃった?」
「あっ、玲為くん。いつもずっと図書室にいるから、待たせてないよ。大丈夫」
そんな会話から本の紹介が始まった。
「この本はミステリーで、最後のどんでん返しがとっても面白くて」
その本の紹介が続く。伊川さんは、一度良さを語りだすと止まらないタイプのようだ。なんか可愛いな、と伊川さんを眺めていると
「玲為くん、聞いてる?」
「ん、ああうん。聞いてるよ」
危ない危ない。眺めてるのに気づかれてしまうところだった。こうして見るみると伊川さんも顔整っているよな、と感じる。モテそうだけど彼氏いないのかな? まずはそこから調べないとだよな。その後接近する方法を考えよう。
こうして、昼休みは本の紹介で過ぎていった。