第3話
次の日の学校、芽依はいつものように接してきた。ただ、休み時間のほとんどは隣のクラスに行っているようだ。おそらく『大本命』とやらと会っているのだろう。フリーな時間ができたことが、むしろラッキーだ。僕も、自分の『大本命』を探すことにした。隅に位置している自分の机に突っ伏しながら、見渡す。
女子はそれなりにクラスに居る。気の合いそうな人はいるかな。友人が少ない僕は関わりがない人がほとんど。話したこともない。それどころか名前もよく覚えていない。
うーん。これ無理ゲーじゃね。
関わりを作るところから始めないと。これは大本命作るの苦難の道だな。自分の波長と合いそうな人いるかな。眺めていると
「玲為くん、図書委員の仕事のことなんだけど」
「えっと、何かな、伊川さん。」
「図書室に飾るポップカードの件なんだけど……」
話しかけてきたのは、同じ図書委員に属している伊川澪さん。言ってしまえば陰キャだ。僕と同じ分類になると思う。クラスではいつも本を読んでいて、交友関係も不明。顔も悪くない。むしろ自分の好みよりである。
あれ、この人いいんじゃないか。大本命にしたいな。伊川さん狙ってみるか。
伊川さんの話を聞きながらそんなことを考えていた。幸い図書委員でまだ関わりがある方だ。付き合ってるとかも聞いたことがない。
ここから、僕は伊川さんに近づくための方法を考えるようになった。