第13話
「やばっ。もうこんな時間じゃん! 家でないと、ああでも支度まだしてない」
昨日の夜、悩んでいるうちに寝落ちしてしまった。アラームも何も設定していなかったので、起きたときにはもう出ないと遅刻してしまう時間になってしまっている。机の上に散らかっている教科書を適当にカバンに詰めて、制服に着替える。朝食は、まあいいか。食べてる時間なんて無いし。そのまま、自転車にまたがって急いで漕ぎ始める。
*
「おはよう。澪さん」
「あ、おはよう玲為くん。今日はギリギリだね」
「ちょっと寝坊しちゃって」
「えー、気をつけなよー。まあ私も時々寝坊しちゃうけどね」
そう言って笑った澪さんの笑顔は眩しかった。これが恋愛的なものじゃなくとも、自分に向けられた笑みだと思うと胸がドキドキした。もう少し話していたかったけど、先生が入ってきてSHRが始まっちゃったから、席に着かざるを得なかった。早く来ていればもっと話せていたのかな。ああ、でも遅刻寸前だったから澪さんに話しかけられたんだ。もっと仲良くなればこんなこと考えなくていいのに。考え事でいつの間にかSHRが終わる。
次は移動教室か。澪さんは友達と行くみたいだ。澪さんの友人関係もよくわかんない。多少の人と浅く付き合ってる、みたいな感じがする。
メアドの件とか話すのは次の休み時間辺りになるかな。わかんないけど。今日中の目標にしよう。




