第11話
授業が終わって、伊川さんにいつものように話しかけに行く。違うことと言えば
「澪さん、さっきの授業なんだけどさ」
「う、うん。玲為くん何かな」
伊川さんのことを名前呼びすることだ。伊川さんの頬が少し赤らんでいるような気もする。いや、気のせいか。名前呼びのこと何も言わないってことは、名前で呼んでいいってことかな。あーでも、実は嫌なんてこともあるかもだし。まあいっか。当たって砕けろと言うし。
その後は特に何もなくいつも通りに終わった。名前呼びは続けてたけど、最初以降何もなかったから、やっぱりあれは気のせいだったんだろう。少しがっかり。でも、脈があるかもなんて流石に図々しすぎる。なら普通だな。そう思えば多少沈んだ心ももとに戻るような気がした。ゆっくり進めていけば良いんだ。時間はまだたくさんある。焦らず少しづつ距離を縮めていこう。
ゆっくりしすぎるのも良くないらしい。他の男子と澪さんが仲良さそうに話していて、嫉妬を起こしていた。他の男子と仲良く話しているなんて普通のことだろうと言われるかもしれないけどこれには多少なりとも理由がある。今まで他の男子と話しているところを見たことが無いからだ。少しどころか結構自分と同じ友達いないシンパシーを感じていて、仲良くできれば付き合うこともなんて考えていた。後半は殆ど妄想だが。だからこそ他の男子と話していることに嫉妬というか危機感を覚えていた。
あの男子のことを探ってみようかな。一人だから充分に調べられないだろうが。




