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華やかな蝶に魅了されていく俺は、もうこの沼から抜け出せないのだろう!

作者: 七瀬






“華やかな蝶に魅了されていく俺は、もうこの沼から抜け出せないのだろう!”



俺はクソ真面目に、生活を送っていた。

なんなら? 節約家でミニマリスト!

お金を使わない生活に、家の中も必要なモノ以外何も置かない!

7畳半の部屋も、物が何も置いてないから? ガランとしている。

服も夏服から冬服も含めて、10着しかないし。

色は、“黒か白しかないんだ!”

部屋に置いているモノも、黒か白のものばかり。

そのおかげで、28歳で貯金が5000万円も貯まったよ。

毎日の食費も、1日700円までと決めているし、外食はこの生活を

してから一度もないんだ。

どんなに疲れて仕事から帰って来ても、必ず家で作って食べる。

今日の晩ご飯は、“節約オムライスだ!”

お金を使わない生活に、完全に体が馴染んできていたこの時、

職場の先輩に誘われて、俺は初めて夜の華やかなお店に連れていってもらう。

その時、“全て先輩の奢りだった事もあり、俺はただただ楽しくお酒を

飲んで家に帰った!”

ただ? あんなに華やかな世界があるのかと思うぐらいキレイな女性が

煌びやかなドレスに身を纏い、俺みたいな奴でも丁寧な接客をしてくれた。

因みに俺の左隣に座った女性に俺は完全に一目惚れしてしまう!

俺はまた彼女に会うために、あの華やかなお店に足が向かってしまった。



【いらっしゃいませ~】


『あら? 昨日、藤田さんに連れて来てもらっていた、東野君じゃないの、

今日は一人で来たの?』

『・・・あぁ、今日は一人です。』

『さあさあ、どうぞ! ハオルちゃーん! 東野君の横に着いて~!』

『はーい! 今すぐ行きまーす!』

『もう直ぐ、ハオルちゃんが来るから待っててね。』

『はい!』




・・・彼女は昨日、俺の左隣に座ってくれた女の子。

“源氏名は、ハオルちゃん。”



もっと彼女の事を俺は知りたい!

彼女に俺だけを見てほしい!

俺がどれだけ君の事を好きか知ってほしんだ!





 *





その後、毎日俺はあのお店に通うようになった。

既に今までの俺の生活は完全に崩れ始めていたんだ。

節約もやめ、部屋もゴミで散らかりぱなしになる!

何しろ、仕事にだんだん行かなくなったんだ。

仕事に行けば? 上司や先輩が俺に偉そうに指示を出すし、怒られる事

も多々あった。

後輩は仕事もまともに出来ないくせに、態度も悪く俺がイライラする

後輩も数人居るのがまた腹が立つ!

そんなバカな後輩の面倒を上司は俺に全部任せようとしているみたいで、

“そもそもなんで俺が?” と思うようになった。

なんで後輩が仕事で失敗したのに? 上司は後輩に直接怒らないで全部

俺に怒るんだよ、意味分かんねーわ!

俺は何にも悪くねーじゃん!

なんで俺がアンタに怒られなきゃなんないんだよ!

“コイツの失敗だろう! 怒られる相手、間違ってないか?”

きっと上司も、俺より若い男性社員達に嫌われたくないから、全部俺に

言ってくんだよ。

本当に面倒くさい事を俺に押し付けてくんな!







 *






・・・こんな事もあって、俺は会社から遠のいていった。

俺が仕事を休みがちになり始めると? 会社の上司や先輩達が、

しつこく俺の携帯に電話をひっきりなしにかけまくってきた!

【俺は全部完全無視!】

どうでもいいから、俺は電話にも出ないんだよ。




でも? 流石に仕事にほとんど来ないから? 直接俺のマンションまで

会社の上司と先輩が押しかけて来たんだ!



【ピーポーン】



『居るんだろう? 居留守すんなよ! お前、なんで仕事に来ないんだ、

みんな心配してんだぞ!』

『・・・・・・』

『お前が居ないと? 仕事が回らないんだよ! 早く仕事に復帰してくれ

ないかな? 頼むよ!』

『・・・・・・』

『・・・ひょっとして? なんか悩みでもあんのか? なんでも聞いて

やるぞ! 早く戻って来ーい!』 

『・・・・・・』

『分かった! 今日は一先ず帰るけど? また来るからな! 待ってんぞ!』

『・・・・・・』





めんどくせー上司と先輩が俺の住むマンションにやって来た!

以前の俺なら? こういう事を上司や先輩にされたら、完全に情に

流されてマンションの下まで行って話を聞いてもらっていたと思う。

でも? この頃の俺はあのお店にどっぷりハマっていてまともな判断が

出来ていなかったんだ!

あの時、俺は上司や先輩がマンション下まで来た事にイライラしていたし、

腹が立った!

その後、俺はまたあのお店に足を運ぶ。

少しでも早く俺は、【ハオルちゃん】に会いたくてしかたなかったから!

俺の今まで節約してコツコツ貯めてきた貯金5000万円も半分まで減っ

ていた。それでも俺はハオルちゃんに沼っている!




『“毎日でも俺はハオルちゃんに会いたいんだ!”』

『じゃあ、毎日! お店に来て私を指名してね。』

『うん!』



 




こんなに一人の女性にハマるなんて、、、!?

俺の人生で一度もない!

もう俺の人生に、ハオルちゃんが居ない世界なんて考えられないよ。

どうしようもないぐらい俺はキミが好きなんです!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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