神の光
「あの空に浮かんでいる巨大な物体の名は、【神の光】。町の運命変動係数が一定の値を上回ると発射される、変動率強制停止装置よ」
目の前の女の名はキャッチ。
僕はキャッチから、通称【神の光】と呼ばれてるらしい大型レーザー天体についての話を聞かせてもらった。
その内容は明らかにやばかったが、発動条件の情報はゲットできた。
にしても、町ごと消せばモーマンタイ。
なんてイカれた発想、普通できないって。
「それ、あの拳銃を持った部隊は大丈夫なのか?アイツらの仕事、運命の反逆者を殺すことなんだろ?」
犯罪者にカラーボールを投げただけで運命の反逆者扱いされるのに、反逆者を撃ち殺すなんて仕事してる方が余計危ないんじゃ……。
「執行部のこと?それについては問題ないわ。執行部かどうかに関わらず、私達善組織の人間は【神の光】にいないものとして扱われてるから、何してたって問題にはならないのよ」
なにそれズルすぎ。
「そんなことより、お前こんなところで何してんだよ。犯罪者にこんなとこいられたら、運命変動係数が上昇してみんな消し炭なんですけど」
ある程度落ち着いてきて目を覚ましていたシュートは、さっさと帰れと促している。
「お前らは殺しに来ないのか?犯罪者だぞ、僕は」
「バッカ野郎、それは執行部の仕事だ。俺達パトロール部は、こうして犯罪者見つけて、執行部に連絡して、後は待つのが仕事なんだからさ」
シュートは仕事を内容をペラペラと喋っている。
【神の光】の対象にならないからって、気楽なもんだよまったく。
時期にここに執行部が来るってことは、その前に取りに行く必要があるということ。
なら、今すぐに動き出さなければ。
死体を増やすのはゴメンだからね。
僕はベンチから立ち上がり、魔法学校跡地の敷地内へと踏み込む。
「何してんだよキョウメイ。母校に行く暇があるなら、さっさとこの町から出ていけって……」
「シュート。僕の目的は、ここにある」
シュートの静止を無視し、僕は魔法を行使する。
見張りは拳銃を持っている。
動きながら防御魔法を張るのは普通に難しい。
だから違う手段を使う。
目眩まし用の砂爆弾。そして、行動不能にするだけの電気を手のひらに帯電させる。
そして一気に。
「おい、キョウメイ!」
あの場所へ向かって駆け出した。
見張りの目をくらまして、全員気絶させる。
一人残らずだ。
上空に砂爆弾を投げる。
落下地点である見張りの密集地帯に到達した瞬間、砂爆弾は爆破する。
なんだこれは!
何が起こってる!
爆発した数個の砂爆弾は砂煙となり、見張りの人達の視界を遮る。
突然の状況に見張りの人達はパニックになり、それぞれの思うことを口にする。
そんな大きな隙の間に僕は見張りの一人に近づき、手のひらで見張りの首を掴む。
叫ぶまもなく、気絶し倒れる見張り。
砂煙の中から、声が一つ減る。
そしてまた一つ、もう一つとどんどん減り続ける。
やがて、見えない襲撃者の手によって、見張りは一人残らず倒されてしまった。
煙が晴れた頃にはすでに、魔法学校校舎跡に一人の学生が戻ってきていた。
「ただいま」
歓迎されない僕に、お帰りは帰ってこなかった。
なんかいっぱい書ける気がする!かけちゃう!
追記
タイトル変えようといろいろ考えてみましたが、元のほうがしっくり来るので戻しました。