知りたいジョウケン
この写真の人物がなにを研究していたのか、調べてきて欲しい。
なんて言われて、魔法学校跡地に来たはいいんだけど。
学校が爆発してからもう一年くらい立つというのに、どうしてまだ見回りがいるんだよ。
理由なんて考えるだけ無駄だ。
どうせ、一つしかないんだから。
「たぶんここに探してるものがある。さて、どうやってこの包囲網を突破しようか……」
殺すか殺さないか、なんて一番の問題じゃない。僕が一番危険視しているのは、例の巨大レーザー衛星だ。
あれの発動条件がわからない以上、僕は動くに動けない。
こんなことになるくらいなら、あの時ぶっ飛ばした善組織の人から聞き出すんだった。
「おっ、犯罪者はっけーん」
背後から声をかけられた。
みつかった。吐かせて殺す。
瞬時に声の主を地面に抑えつけ、魔法でチェーン状の炎の鎖を生み出してそいつの首に巻き付ける。
「がっ……ががが……ッ!」
コイツ、男か。
おっと、首がしまっているようだ。
この状態で対話しようにもできないな。
鎖を少し緩めた後、僕は生死を決める質問をする。
「空に見える巨大衛星の発動条件を教えろ。返答によっては、お前を殺す」
「待って!待ってって!俺だよ、わかるだろ?」
同情を買うつもりだなコイツ。
返答する気はなさそうなので、とりあえず気絶程度まで首を絞めて、それから聞き込みを続けよう。
「やめてキョウメイ!ソイツも私もクラスメイト!忘れちゃったの!?」
僕を止めようとしがみついてくる女。
あいにく顔に見覚えは……あるような無いような。
「じ……ぬぅ……」
女に気を取られ、力の加減をミスってしまった。
慌てて鎖から手を離したものの、生きてるかどうかは真ん中ぐらいと言った感じだ。
「シュート!」
女は僕を押しのけ、男を抱えて名前を呼ぶ。
女が男の名前を呼ぶたびに、僕は頭の中の記憶を頼りに彼らの特定を急ぐ。
クラスメイト……魔法学校……爆破直前……あっ。
前の席にそんなやつがいたような気がする。
まあ、だから何だという話だが。
僕は炎の鎖を持って、今度は女の方に近づくと……。
「待って!わかった!話すから!話しますから、少し待ってください!」
僕は女の必死の懇願を受け入れ、少し待ってあげることにした。
その間に女はシュートに回復魔法をかけ、ギリギリのところで命を繋ぎ止められたのだった。
「し……死ぬかと……思った……」
シュートは息を荒げながら、安堵するかのように言ったのだった。
眠い。眠くない。眠い。眠くない。眠い。眠くない。眠い。眠くない。
エクバのことをヘルカイザー育成ゲームって呼んでるのワイだけだと思う。