知らないジジツ
「隊長の敵ぃいいいい!」
数人の兵士が、銃口を僕に向けている。
役所から出てすぐこれである。
防御魔法展開。
今までよりも、厚く固く。
バババババババン!
七発の弾丸が僕を殺さんと襲い掛かる。
しかし弾丸は、僕の魔法に殺された。
ばかな!?防御魔法が間に合うなんて!
防御魔法なんて簡単に貫通できるはずなのに、どうしてソコで落ちるんだ!
兵士たちは狼狽え、口々に言い始める。
まるで、想定外だったかのように。
「打たれてから間に合わないなら、打たれる前に張ればいい。威力が高いのなら、厚く分厚くすればいい。そんなことすら理解できないのか」
僕は当然のように言ってのける。
この程度のこと、チビの頃から出来て当たり前のことだ。
僕はこれを、魔法の基礎だと考えてるくらいにね。
「魔法の形を変える!?そんなこと出来るものか!」
「えっ、マジ?」
思わず聞き返してしまった。
あぁ……出来ないのかぁ……なんていうか、ごめんなさい。
「みなのもの、落ち着け!たとえ一発が無理でも、何発も同じところに打ち込めば、綻びが生じるはずだ。そこを撃ち抜くのだ!」
勇気ある兵士がそう口にする。
突如輝き出した兆しに、兵士たちの闘志が再度燃える。
なるほど、確かにそうかもしれない。
否定はできない。
なぜなら、やられたことがないから。
だけど。
「させるかよ」
勇気ある兵士を蹴り飛ばす。
勢いよく壁にめり込んだ勇気ある兵士は、気絶しているようだ。
殺生は気持ちがいいものではない。
この程度で死ぬんじゃないぞ。
「アカゲさん!!」
兵士の一人が名前を叫ぶ。
おそらく、あの勇気ある兵士のことだろう。
仲間意識は素晴らしいが、叫んでる暇があるのか?
さっきよりも少し弱めに。
軽くジャブるくらいに、一撃。
叫んだ兵士にお見舞いした。
そして流れるように、他の兵士を戦闘不能にした。
「生きてるだけ、僕に感謝してくれ」
いい感じの捨て台詞を吐いて、僕はその場を発とうとする。
だが、それを止めるかのように立ちふさがる者がいた。
「感謝はしないさ。どうせもうすぐ、お前ごと消し炭だ」
渋いおっさん。
当然のように面識がない。
「……誰だお前」
警戒しながら僕は聞く。
すると、懐かしいかちゃんと答えが帰ってきた。
「俺たちは運命反逆軍。そして俺はそのリーダー、ディス・カウンター」
運命反逆軍?いつの間にか、知らない勢力が生えてきたらしい。
あとたぶん、関わらないとお話が進行しない系の勢力だ。
僕は察しがいいんだ。
ああ、面倒くさい面倒くさい。
何言われても断ろう。
「残念だがキョウメイくん、君に断る権利はない。断れば、死ぬだけだ」
断りづらいこと言ってくるな。だけど、どうせハッタリだ。
カマかけてそのまま断ろう。
「死ぬだけって。何を根拠にそんなこ……と……を……?」
ディス・カウンターは上空を指差した。僕は従うがままに上を向く。
そこにあったのは。
町一つ焼き尽くしかねない、超大型ビームレーザー衛生だった。
「はは。クソゲー」
間空きすぎて、前作何してたか大半忘れてた!
てへっ!