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欲したミライ 掴むセカイ

「だいたいわかった。つまり、そういうことか」


あの後、満身創痍の覇道を質問攻めにし、なんとなく真相にたどり着いた。

それは、真相というにはあまりに直球であり、果てしなく面倒くさいラスボスが待っていることを示唆していたのだ。


「おい、俺を置いてくな。つまりどういうことなんだ?」


「わかんなくたっていいさ。どうせ、後で向こうから顔出してくるから」


イチゴウが僕に聞く。

一瞬教えてやろうかとも考えたが、面倒くさくなったので放棄することにした。

なんせ内容が内容なため、説明したところで、すぐ信じてもらえる気がしない。


「それで貴様はどうする?このまま、逃亡を続けるのか」


覇道が僕に問いかける。

答えなんてわかってるくせに、わざわざだ。

だから、僕は答えた。


「んなわけないでしょ。むしろ……僕がしかける」


決意を背に、僕は城を後にする。

勇気はいらない。

ただ見せつける。

僕の本気を。

ただ目の前に。

叩きつけてやる。


ーーーーーーーーー


この世界で一番でかい国。

名前は知らない。

僕は、その国の放送局の一室を、僕は力でジャックした。

もちろん物理的に。


僕の魔法は優秀なんだ。

拘束、対人、カギ開け代わりのドア壊し。

なんでもできる。


でも僕は、そんなことを自慢したくてここに来たんじゃない。

ただ少し、宣戦布告がしたかっただけなのだ。


「あー、あー、窮屈で退屈な毎日を送っている愚民共諸君。僕は悪組織リーダー、ヤミノ・ダークマター・キョウメイ。今日は皆さんに、お知らせがあって少しの間だけ乗っ取らせていただきました。して、そのお知らせは……」


少しだけ間を置いて、僕はにっと笑いながら話を続けた。


「善組織に対して、僕は宣戦布告する!この腐った秩序を作り出した暗黒の正義に、悪の炎で鉄槌を下す!探して回るのは飽きたんだ。全部引き連れて、僕を殺しにここまで来てみろ。善組織のカディアさん?」


全世界放送をぶつ切り、僕は放送局から出る。

放送局の外には、有象無象が僕を待っていた。


「ふざけんな!俺たちはこれで良かったのに!」


「こんな世界ぶっ壊せ!」


「私達の平和を返して!」


「取り戻して!私達の今までを!」


「全部わかったままなら、苦しむことなんてなにもないのに!」


「私の夢を取り戻して!」


人だかりは二極化する。

どちらにも間違いはない。

ただ、信じたものが違うだけ。

違うから、ぶつかり合ってしまう。

ぶつかり合うから、いつか答えが生まれる。

その答えだって、正しいのかはわからない。

だからこそ、信じたい。

争いの果てに生まれる正しさなんかじゃなく、自分がなすべきと思ったことを。

自分の心にある正しさを。

間違いを恐れず、間違いを認められる。

認められる強さを。


僕はこれから、誰かの幸せを壊すだろう。

だとしても、僕は行く。

誰かの幸せを 失ったものを取り戻すために。

僕の一歩に、迷いはない。




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