キュウサイの一蹴り
クリミーには、人を見下す最低最悪のクセがある。
そして、見下すのに夢中になっていると、戦闘中にも関わらず能力を解く。
能力にまだ慣れてない証拠だ。
だからこうして、緩み切る機会を与えてみたらこのざまだ。
死者が蘇った理由はわからない。
だが、能力が付与ていたところを見るに、校長が一枚噛んでる事だけは間違いない。
とにかく先へ進もう。
ここで得られることは何もない。
ーーーーー
ビッグダム牢獄にて。
今この瞬間、一人の男が処刑されそうになっていた。
「や……止めてくれ!俺はただ、娘を助けたかっただけなんだ!」
処刑対象は必死の命乞いをするも、看守には何も響いておらず、看守は、鉄格子から銃口を覗かせるのを辞めようとはしなかった。
「知るかよ!俺が知ってるのは、お前が犯罪者だってことだけだ!つまり、処刑しちまえば俺の手柄!お前も他の奴らみたく、俺の手柄のためにしねぇえええええええええええ!」
看守は犯罪者を殺そうと、銃の引き金を引こうとする。
牢屋の中の犯罪者は、ただただ目をつぶりながら死の瞬間を待つことしかできなかった。
「ドロップキィイイイイイック!」
しかし、規制を発しながら看守をドロップキックした謎の男によって、危機を免れるのだった。
その謎の男が僕なんだけど。
看守はギャヒンッとキッショい悲鳴を上げながら、気絶してしまう。
看守は案の定マジゴッド・スゲージャンだったのだが、やっぱり兄弟って結構似るんだなー。
「あ……あのッ!助けてくださり、なんと感謝したらいいか……」
牢屋の中の犯罪者は、僕に凄く感謝してくれているようだ。
まあ、この惨状を見たら感謝したくなるのもわかるけど……。
「あの、生き残りとかってお前以外にいる?」
僕の問いに、犯罪者は震えた声で答える。
「わずかですが、生き残っていると思います。しかし、大半はもう……」
僕は周りの牢屋を見渡す。
中身をよく見る気にはなれないが、どの牢屋も血溜まりができていて人が倒れてるとだけ言っておこう。
「侵入者にビビったか……」
「いえ、ヤツはずっと前からそうでした。我々を処刑対象とよび、刑の執行まで何日あろうと構わず、気が済むまで殺して回る。あれに恐怖を抱かない人間はいないと思います」
僕のせいではないと言わんばかりに、犯罪者は最近の看守について語る。
アイツ、とんだクソ野郎じゃん。
「とりあえず、名前教えてくれ。犯罪者じゃ分かりづらいし」
「わかりました。わたしの名前はワルイン・ゼンイ……だれが犯罪者ですか!」
すごいぞワルイン。こんな状況でちゃんとツッコミができるだなんて。
だから僕は、ワルインをなだめるため、そして僕も仲間だと証明するためにあるカミングアウトをかますことにした。
「安心しろ。何を隠そう、僕は犯罪者で脱獄犯だ」
「どこに安心すればいいんですか!?」
どうやら、安心してくれなかったようだ。
しょんぼり。
「とりあえず、ワルインは生き残った人達連れてここから逃げろ。あっ、テロリストになりたかったらこの地図の場所に行ってくれ」
檻を壊してワルインを外に出した後に複製しておいた地図を渡し、僕はその場を離れた。
「身勝手すぎませんあの人……」
ワルインの何がなんだかわからない発言が、虚空に響いた。
よーしつかれた。
手足がばちこり筋肉痛や!
つら。




