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神様稼業  作者: ガム
9/25

伝承の蛇 5

お久しぶりです。

「私の名前は・・・ククルだ。そう呼んでくれ。」


とっさに神話のヘビの名前であるククルカンから拝借した。

まあ、本人(本ヘビ?)に会うこともないだろうし。


しかし、サミラといったか。その・・・なんというか、こう、ぽやーっとした子だ。

あの三人組やいつぞやのオッサン、それにこの子は浅黒い肌に暗い髪の毛をもっていた。

唯一違ったのはこの子の瞳が金色であり、その他は黒や茶色だった。



「その、サミラちゃんは私が怖くないのかい?」


かねてよりの疑問である。なにせ大の大人が失神する位だ。

サミラは俺の目を見ながら、首をすこし傾げる。


「え?別に怖くないよ?おじいちゃんがヘビさんを大切にしなさいって言っているし、おじいちゃん自分で飼っているし・・・あ、私もよくお世話するんだよ!」


 ヘビな俺が言っちゃなんだが、趣味の悪い爺様だ。

うん、教育上良くない。いや、待てよ。あえて飼うことで偏見に左右されないよう育てているのか?

実際そこまでは考えてないのだろうが・・・っと話が逸れた。


「ほう、ヘビを飼っているのかい?いい子だね。ところでその首飾り、なかなか珍しそうだ。」


本当はヘビ飼ってるほうが珍しいのだが・・・と思いながら、例の神様のメッセージが入っていた首飾りについて聞く。


「これ?これはおじいちゃんが私にくれたんだよ。私の宝物!」


サミラはにこりと笑う。かわいい笑顔だ。

だが、神様と直接かかわりがあるわけではないようだ。

とはいえ、あの装飾には何かあるかもしれない。調べる必要がある。

ここはひとつ・・・


「宝物か。私の宝物はこれだよ。触ってごらん。」


といって額を見せる。


『えっ?』


今は宝石が付いているように見える、我らがアッちゃんである。


「わぁっ!きれい~!!」


と、アッちゃんを触るサミラ。

アッちゃん、小刻みに震えているけど大丈夫か?

そして、本題に入る。


「よかったら私も宝物を触ってもいいかい?」


 欲すればまずは与えよ。ってね。




改めて触ってみると、光るわけでも文字がでるわけでもなかった。

尻尾で撫でているが、見た目どおりの木の細工だ。


(どうだ、アッちゃん。)


(この木はオアシスの木だ。それに神々の比較的新しい形跡を感じる。

 む?御主人。下のほうに穴があるぞ。)


垂れ下っているため、気がつかなかったが装飾の下には確かに小さな穴があった。

何気なしに穴に触れると


「あれ?」


ぷるんっ! という可愛い効果音とともに俺は装飾に吸い込まれた。

中は暗いが、外の様子はわかる。戦隊モノロボットのコックピットのようだ。


「これも神様の仕業かねえ・・・」


こうも無茶振りな展開だと、そうとも疑いたくなる。

おそらくは、これでこの子に着いていけということだろうが―


「あんまり使い勝手は良くないな。」


この巨体である。

首をあげれば、大人が見上げる位の大きさだ。

そんなモンスターの類が町で突然現れれば騒動になる。

結果として、サミラに影響が全く無いはずがないだろう。

砂漠を抜ける移動手段として考えておくか。


『あれれ~?』


サミラのどこか抜けた声が聞こえる。

・・・天然っていいよね。


『御主人、なにか不埒なことを考えなかったか?』


「気のせいだヨ。さて、ぷるんっと。」


巨大なヘビがいきなり消えたと思ったら、またいきなり現れたのに驚いたのだろうか。

サミラの金色の双眸が大きく開かれていた。


移動手段はとりあえず手に入れた。あとは、今後の方針だな。

まずサミラがここに来た経緯、尋常ではない。

事の背景は当事者に聞いたほうが早い。

と言うより、サミラは何も知らないだろうという俺の直感である。

まずはサミラを遠ざけたほうがいいだろう。


「サミラちゃん、あそこのラクダをあっちの木に結び直すことはできるかい?

 私はごらんのとおり、手がなくて結べないんだよ。」


嘘である。さっきまで尻尾で器用に結んでいた。

うなずいて、ラクダへと走っていくサミラ。素直なのはいいことだ。

三人組はサミラの走ったほうの反対側に拘束してある。


さあ~て、楽しい尋問タイムのはじまりはじまり。

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