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63 ギリギリ

投稿が遅れて申し訳ありませんでした。

こちらが最新話となります。

 あの後フラッシュはシスターラウラとあれこれ話始めてしまうわ、レイラから連絡を受けたマリーさんも合流してくるわ、なんかバタバタしだしたため、オレたちは一旦解散することになった。


 まあ、なんだかんだ楽しかったからオレとしては大満足だったが、皆はたいへんそうだなぁ…。


 そして次の日の昼休み。


 オレは学校の屋上へと来ていた。


 姫路に呼び出されたのだ。


「なんで呼び出されたかは想像ついているでしょ?」

「昨日のことだろ?なんか皆大変そうだったよな?組織同士で手を組むんだっけ?」

「たしかにそういう話で動いているけど…。それよりも、あなたがデモンズゲームのプレイヤーだったなんて驚いたわ…。一体いつから参加し始めたの?」

「大体一ヵ月くらい前かな?まだ1シーズンしか参加してないな」

「1回のシーズンで2回のゲームだったかしら?よく生き延びられたわね…」

「まあ、いろいろ頑張ったからな…。そっちこそ、一体いつから教会のエージェントなんかやってんの?」

「訓練を受け始めたのは大体10年前ね」

「10年前…。まだガキの頃からか…。映画とかではエージェントにするために子供の頃から訓練漬けとかよく聞くけど、現実でもあるとはな…。事実は小説よりも奇なりってやつか…」

「それを言うならこっちのセリフよ…。さて、無駄話はここまでにして、本題に入りましょうか?」


 本題?


 はて?


「昨日はハンターズギルドの依頼でゴーストの排除をしていたみたいだったけど、アレの始末はプロである私たちの仕事よ?危険だからこれからはヤツらの相手は私たちに任せて、あなたは手を出さないようにしなさい?」

「は?嫌だけど?」

「は?」


 オレからの返答が予想外だったのか、間抜けな声を出す姫路。


 なんでオレが素直に言うこと聞くと思ってたんだコイツは…。


「てか、プロ?つまりあれか?幽霊退治は自分たちに任せて、素人であるオレたちは引っ込んでろ…。そういうことか?」

「正しくは『あなた』は引っ込んでいなさい、と言ったつもりなんだけど…。昨日の2人はすでに裏の世界の住人…でもあなたはまだ裏の世界の住人とは呼べないわ。つまり、今ならまだ引き返せるってことよ。だから…」

「もうプレイヤーとして参加している以上は逃げることなんてできないだろうが」

「私たち教会側が保護すれば、強制的にゲームに参加させられることはなくなるわ。それに、参加者リストから除外される方法もあると聞いたことがあるから、私たちに保護されるのが嫌なら、その方法でもいい。とりあえず私が言いたいのは、普通の生活に戻りなさいってことよ」

「断る」


 たとえ本当に普通の生活に戻れるとしても、オレは絶対に戻ることはしない。


 こんな楽しくて面白いこと、やめられるわけないだろ。


「あなたね…」

「オレはオレの意思でデモンズゲームに参加することを決めたんだ。無理矢理やらされてるわけじゃない。そのオレの意思を無視して勝手なこと言うな」


 オレはオレの意思を無視して勝手なことを言われるのが嫌いなんだ。


 そんなオレの返答に、怒りの表情を浮かべる姫路。


「あなたねぇ…!」


 その瞬間。


 オレはまた幻覚を見た。


 あのモンスター通り魔の時と同じように。


 今度は昨日見たゴーストのようなヤツがガラの悪い女を襲っている映像だった。


 場所は…。


 映像からはわからなかったが、なんか繁華街の方から強い匂いがする。


 あっちか…!


「あ!ちょっと!まだ話は……!」


 教室へと走ったオレは自分の荷物を掴み、飛び出すように廊下へ出ようとしたところで愛衣が話しかけてくる。

 

「たっくん?どうしたの?」

「悪いけど愛衣、先生に具合悪いから早退しますって伝えておいてもらっていいか!?」

「それはいいけど…。具合悪いなら大人しくしてなきゃ…」

「いやいや愛衣、確実に仮病でしょ。おい阿久津!サボろうなんてアンタ…」

「時間がないんだ!じゃあな!」


 そう言ってオレは走り出す。


 理由は簡単だ。


 オレの見た幻覚で襲われた女が見ていたスマホの画面。


 そこに表示されていた時間が今から約30分後だったからだ。


 急がなくては…!


「待ちなさい阿久津君!まだ話は…」

「話は後だ姫路!ゴーストが現れる!」

「なっ…!?」

「人を救いたいならついて来い!」

「わ、わかったわ…!荷物を持ってくるから、少し待っていて」


 そう言って自分の教室へ入っていく姫路。


 一分一秒が惜しいが、焦っても仕方がない。


 少し落ち着こう……。


「ちょっと阿久津!さっきのは一体…」

「お待たせ阿久津君。三橋さん、申し訳ないんだけど、私、阿久津君とちょっと私用を片付けなくちゃいけなくなって…」

「え!?阿久津と!?そ、それって…」


 オレと姫路を交互に見る三橋。


「わ、わかった…。その、気を付けてね…」


 そう言ってオレたちを見送ってくれる三橋。


 なんだ?なにか違和感があるなアイツ…。


 まあいい。


 今はゴーストの方が最優先だ。


「走るぞ姫路。場所は恐らく繁華街の方だ!」

「どうしてわかるの!?」

「優勝景品として素晴らしい人生を送りたいって願いを叶えたからか、未来予知みたいなのが働くようになったみたい!」


 あのモンスター通り魔の件といい、最早そうとしか思えない。


 しかも、面白そうなことが起こりそうな場所が匂いでわかるという徹底ぶりだ。


「デモンズゲームに勝って叶えた願いによるもの…。それならあり得ないことでもあり得ることになる…。だとしたら本当に…?」

「考察は後にしろ!全力で走るぞ!」


 幻覚で見た時間まで後20分。


 間に合うかはギリギリだった…。

お読みいただきありがとうございます。

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