表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/125

59 領域

「なにあれ?なんかもやがかかってるっていうか…」

「アレはゴーストの眷属だよ。自分の手足として邪魔者を排除する手足みたいなものさ」


 眷属?


 さすが悪霊…。


 そんなものを用意してまで自分の身を守ろうとするとか、死んでるくせに生き汚いヤツだ。


「あれくらいならオレでもなんとか出来そうだし、2人は本命のために力を温存しておいて」


 そう言って前に出る。


 オレはオレにできることを…だ。


「そうかい?なら任せようかな?大我ならこの程度余裕だろうし」

「いいのか?彼は優勝経験者とはいえ、つい先日プレイヤーになったばかりなんだろう?」

「初優勝直後に出会った私がルーキーと気づかなかったんだ。実力は保証するよ」


 レイラの期待を裏切らないようにしないとな。


 右腕に魔力を込めて眷属へ接近、ヤツらをまとめて爆破する。


 残っているヤツらには黄色の強化する炎を混ぜた複数の炎弾をプレゼントする。


 どうだ?


 中々の威力だろ?


 拍子抜けするほど簡単に眷属は消えていった。


「これで片付いたかな?そんなに疲れなかったな」

「1シーズンを闘い抜いただけでこの実力…。しかも、もしかして複数の能力を持っているのかい?ますます君を味方に引き入れたくなったよ…。これは本格的にハンターズギルドと同盟を結ぶのも手だな…」

「複数の能力を持つ異能ってそんなに珍しいの?」

「それはそうさ。通常の異能っていうのは、基本的に能力は1つ。その中でも才能ある者は応用が効く能力を発言するとされている中で、複数の能力を持つ異能に目覚める人というのはさらに希少なんだ」


 そ、そうなんだ…。


 初耳なんだけど…。


 マジで未来のオレってなんでこんな重要そうな情報を知らなかったんだろうな?


 マジ信じられないわ。


「ってことはオレ、かなりレアな能力なんだね…。あんまり実感ないけど…。たしかに樹里愛たち…オレと一緒にゲームを生き抜いた人たちの異能とはちょっと違うような気はしてはいたけど…」

「まあ、大我…というよりは、大我と一緒にあのゲームを生き残った人たちには、私たちもまだ接触出来ていないからね…。珍しい異能だと気づかなくても無理はないさ。そのあたりの情報の共有もしたいし、できれば私たちも接触したいところなんだが…」

「話がしたいなら、話せると思うよ?皆の連絡先知ってるし。1人は近所に住んでるし」

「本当かい!?なら、この件が終わったらぜひ紹介してほしい。あ、出来ればマリーさんにも立ち会ってほしいんだけど、大丈夫かな?」

「さあ?わからないけど、話せば立ち会うんじゃないかな?付き合いは短いけど彼女、そういうところは抜け目無いみたいだし」


 なんか大事になってしまったなぁ…。


 まあ、樹里愛に任せておけばなんとかなるかな?


「それはそうと、さっきから気配察知や魔力感知をしてるんだけど、一向にゴーストの気配を感知できないんだけどさ…。こっちで方向合ってるの?」

「大丈夫だと思うよ?まあ、ゴーストに近づけば、その独特の気配ですぐにわかると思うし、安心していいよ?」

「さっきの眷属もまあまあ変な気配だったけど、ゴーストはもっと変な気配ってこと?」

「変というか、禍々しいというかね…。まあ、そのうちわかるよ」


 なにそれ…。


 凄い気になる…。


 それはそれとして…。


「話は変わるんだけどさ、フラッシュってもしかして1人でここに来たの?サバイバーズギルドのトップの1人なのに」

「いや、ホントはもう1人来ているんだけどね…。その……彼女は回復の異能持ちだから後方で待機してもらっているんだ…」

「なんか含みのある言い方だけど…。なんか事情があるの?」

「彼女…エネミーは平気なのに、ゴーストは怖いらしくて…」

「ああ…なるほど……。まあ、モンスターパニック系の映画は平気だけど、幽霊物の映画はダメって人もいるし…」

「彼女はまさしくそういうタイプだね…。普段は雄々しいんだけどね…」

「そういうギャップに男性は心打たれるんじゃないのかい?」

「まあ、たしかにそういうところも魅力的というのは事実だけどね……」

「てかあれだね、オレたち廃病院でなんの話してんだよって感じだね」

「たしかにシチュエーションとしては最悪だね。まったく……空気読みなよゲイル」

「えぇ~…。ローレンスだってついさっきまでノリノリだった癖に…」


 そんな話をしながら廃病院を奥に進んで行くと、ある地点から明らかに周囲の空気が変わったのを感じた。


「なにこれ?なんかこう……気持ち悪い…」

「ゴーストの領域に入ったからね。感じるかい大我?これがさっき近づけばわかるって言っていた理由だよ。ゴーストっていうのは強くなれば強くなるほど、周囲の環境を自分用に作り変えてしまうんだ。私たちはそれを『領域』と呼んでいる。この領域の中にいる限り、ヤツらに有利な環境で戦うことになるから、より一層注意が必要になる。覚えておいてね?」

「ああ、わかった…。それにしてもなんていうかこう…息苦しいっていうか、体が怠いっていうか…。魔力のあるオレですらこんな状態なんだ。ここに出入りしていたっていう一般人は平気だったのかな?」

「恐らく…より多くの餌を釣るために、領域を展開せずに見逃した人たちがいたんだろうね。その人たちがこの廃病院の噂を広めて、それに誘われて来た人たちを捕えていたんだろう…。しかしこの領域の強さ…。かなりの人数を呪い殺している可能性がある…。急いで片付けた方が良さそうだ」

「そういえば地味に気になってたんだけど、ゴーストが人を襲う理由って、やっぱりエサにするためなの?」

「ああ、その通りだ。そして大量の魂を喰らったゴーストは恐ろしく強くなり、さらに多くの人間を襲おうとする。するとどうなるかわかるかい?」

「どうなるってそりゃ…。霊脈に向かう魂が少なくなって、結果、世界が荒れる…?」

「そういうことさ。だからゴーストは排除しなければいけないんだ」


 フラッシュの説明はわかりやすいなぁ。


 こんなこと言うとまたエリーが泣くだろうけど、ぶっちゃけエリーの説明よりもすんなり理解できた。


 

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ