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51 面白いこと

誤字報告があった箇所を修正しました。ご指摘ありがとうございます。

 そう言い放った直後、オレはモンスター通り魔の尻尾を躱し胸へ向けて右ストレートを放つ。


 ヒットする瞬間に魔力を解放。


 さっきと同じように爆破す……る……。


「え……?」


 なんか予想以上の爆発が起きて目の前の景色が吹き飛んだんだけど……。


 モンスター通り魔が断末魔を上げる暇もなく消滅してしまった……。


 なんだこれ……?


「エ、エリー……」


 茫然自失のまま無意識にエリーに連絡する。


『どうしたの、大我?もしかしてあの変なの倒した?』

「あ、ああ。倒したんだけど…」

『歯切れが悪いわね。どうしたの?』

「なんか変な炎が出たんだけど、まあいいやって爆破したら予想以上の爆発が起こってアイツが消滅したんだけど」

『何言ってるの?あの変なのに頭でも叩かれてパーになっちゃった?』


 コイツぶっ飛ばしてやろうかな…。


「そうじゃなくて、変わった色の炎が出たと思ったら、信じられない威力の爆発が起こったんだよ。それで、跡形もなく吹き飛んだ」

『よくわからないけど、あの変なのを倒したってことね?」


 簡単に言うとそうなんだけどさ…、もう少しこう…。


 エリーに対して言葉にならない気持ちをなんとか伝えようと四苦八苦していたら、レイラが駆けつけてきた。


「大我無事かい!?」

「レイラ?オレは無事だよ?それよりもそっちこそ大丈夫だったの?結構ボロボロみたいだけど…」

「見た目ほど酷くはないさ。それよりもあのモンスターは…?」

「オレが消し飛ばした」

「…………?消し飛ばした?」

「そうなんだよ、なんか黄色の炎が出たから赤い炎と合わせて爆発させたら大爆発が起きてさ!そしたらアイツが跡形もなく消し飛んだんだ!!」

「そうか、さっきの大爆発は大我が……。さすがに驚いたよ…。大我、もしかして複数の能力が使えるのかい?」

「多分そうだと思う。普通の炎と再生の炎、それに今回の黄色の炎と…。今のところは3種類かな?これからも増えるかもしれないけど」

「やっぱりそうか…」

「どうかしたの?」

「いや…。なんでもないよ…。それよりも、巻き込まれた人たちはどうしたんだい?1人はそこで死体になってるようだけど…」

「アイツは自業自得だから気にしなくてもいいよ、他の人たちはちゃんと逃がしたし。そうだ!エリー、生きてる人たちの記憶は改竄できるんだよね?」

『ふぇ!?あ、あぁ…、うん。だ、大丈夫、それは任せて』

「なら一緒に怪我をした人たちの回復も頼むよ」


 さすがにあのままにしておくのも可哀そうだし。


『そうね、そっちも任せて。それにしても……』

「どうしたんだ?」

『いえ、今回の事件で亡くなった人たちに関してはどう誤魔化したものかと思ってね…』

「たしかにねぇ…。犯人跡形もなく消し飛んじゃったし…」

『なんで他人事なのよ…。アンタがやったんでしょ?まったく……。犯人いないんじゃ誤魔化すのも大変なんだからね?』

「でもそんなの悪魔にしてみたらどうでもいいんじゃないの?」

『そうもいかないのよ。今回殺された人たちの遺族とかが復讐したいと思ったまま死んだりすると、ノイズが強くなったりして困っちゃうし…』


 ああ、そういう悪影響が出たりするんだ。


「まあ、終わったことをあーだこーだ言っても仕方ないよ。切り替えてこ?」

『はぁ……。アンタと話してると真面目に考えるのが馬鹿らしくなってくるわね…』

「ふふ…。それはたしかにそうかもね」


 心外だな。


 これでもオレは結構真面目なのに。


『まあいいわ。私はこれからいろいろやることがあるから、これで失礼させてもらうわね』


 そう言って通信を切られる。


 まあ、こんなわけわからないことが起こった以上、忙しくなるのは仕方ないよね。


 頼んだよエリー。


 心の中でエリーに丸投げし、オレはレイラとの会話を楽しんだのだった。



~エリーSIDE~



『ちょっとアルヴィス!?あの化け物のこと、あんた何か知ってるんでしょ!?』


 昔の知り合いに問い詰める。


 こいつは無駄なことはしない。


 あの場にいたのも何か理由があるはずだ。


『はあ……。連絡してきて早々うるさい女だ……。騒々しいことこの上ない……』


 本当にこいつは一々腹が立つ対応しかしてこない。


 というか、今日はなんかイライラしてばかりな気がする…。


 半分以上大我のせいなのは気のせいだろうか?


 まあいい、それは後で考えよう。


 今はアルヴィスのことが最優先だ。


『あんた、何が目的なのよ!』

『私の目的は昔から変わっていない……』


 昔のまま?


 まだあんな寝言を叶えるために動いているのかしら?


『無理に決まってるでしょ?欲望を持たない生命を生み出すだなんて』


 そんなもの、存在するはずがない。


 そもそも、欲望がない生物なんて生命として間違っている。


『それは貴様らが不可能だと決めつけているだけだ……。私は産み出してみせる……。完璧な生命というものを……』


 そう言い残して通信を切るアルヴィス。


『そうして辿り着いたのがあの化け物?相変わらず狂ってるわね』


 そう。


 あんなものでは世界は変えられない。


 いえ、たとえどんな存在だろうとこの世界を変えることなんてできないのだ。


 変えられるとしたら…。


 あの型破りで非常識な少年が脳裏に浮かぶ。


 が、すぐに振り払う。


 今はそんなことよりあの未来の記憶で見た滅亡を変えることが先決だ。


『頼むわよ大我…。未来を変えられるかはアンタに掛かってるんだからね…」


 私は無意識に(多分初めて)他人に対して願望を口にした。



~アルヴィスSIDE~



 最近拠点にしている建物に入る。


 ここは目を掛けた人間が購入した建物だ。


 地下室があるため、私たちは主にこの地下室で活動している。


「首尾はどうだ?」

「実験用にわざと…ウォッホン!!予想外に逃げた実験個体から得られたデータにより、どうすれば成長及び覚醒をするかを解析しました……!!」

「ほう?してそれは?」

「データ上ですと、デモンズゲームのプレイヤーとの戦闘、その中でも攻撃を喰らった瞬間に急激に数値が上昇していたんです……!!そこから導き出される結論は一つ……!!」

「つまり魔力に触れることにより成長、覚醒が促進されるということです…」

「付け加えるなら、命の危機に晒されているのが条件と考えられます……!!」


 なるほど。


「それなら、デモンズゲームのプレイヤーを実験体にぶつけるようにしよう。エドモンド、そのあたりの手配は任せたぞ」

「グフフフフフ。任されましたぞ」


 さあ、始めよう。


 私たちのアーク計画プロジェクトを。



~皆人SIDE~



 月曜日、今日からまた新しい一週間が始まる。


 何故か今日は凄い体調がいい。


 今なら試合で簡単にハットトリックでも決められそうだ。


 お?


 前方にチームメイトのコンチが見える。


 挨拶をしようと走り出そうとして、隣にいる大我が見えた。


 その瞬間、変な幻覚が脳裏をよぎり、大我に対して否定的な感情が浮かんでしまう。


 今日は絶好調だと思っていたのにおかしいな?


 だが、そんな感情はただの幻覚だ。


 だって、俺と大我は友達なのだから。



~大我SIDE~



 月曜日。


 愛衣と一緒に登校している最中、コンチに出会った。


 いつも通りうるさいコンチ。


 そこに皆人も合流してきた。


 皆人はあのモンスター通り魔と接触しているからな…。


 記憶を無くしているか、少し探りを入れておくべきか?


「やあ、皆。おはよう」

 

 いつも通り挨拶をしてくる皆人に少し安心感を覚えるが、念には念をだ…。


「なあ、皆人。この前の老人の死体がたくさん発見された事件のことだけどさ…」

「ああ、あの事件な…。うん…。俺たちあの時間近くにいてさ、もうビックリだったよ…」


 少し気になる間があったけど、一応忘れているのか…?


 オレと会ったことも覚えてないみたいだし…。


 まあいっか。


「これからもああいう事件ってあるのかね?」

「あるね。模倣犯ってのはどんな事件にも現れるもんだ」

「もう、たっくん?不安になるようなことを言うのはやめてよ。それより今日の授業だけど……」


 愛衣はそう言うが、オレにとっては死活問題だ。


 面白い事件や話っていうのはたくさんあればあるだけいい。


 なにも起こらないつまらない日々なんてのは、拷問にも等しいのだ。


 だからこそオレは今日も思う。


「何か面白いこと起きないかな…」

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