45 モンスター
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「どうしたん……」
「しー!理由は後で話す。今は黙ってついてきてくれ」
かなり声を抑えて言ってくる皆人。
なんなんだ一体?
「ふむ?ここは彼に従った方が良さそうだね」
「そうだね…。とりあえずついて行こうか」
というわけで、黙って皆人について行く。
途中、気配察知をしてみたら少し離れたところに魔力を持った何かを感じた。
生物っぽいんだけど、明らかに人間ではない。
なんなんだあいつ……。
「阿久津!?アンタ無事だったのね!」
「馬鹿野郎!デカい声出すんじゃねぇよクソガキ!」
何人かいたおっさんのうちの1人がオレに声を掛けて来たクラスメイトの女子、〈三橋加奈〉を罵倒する。
「アンタの声も大概だろ?人の振り見て我が振り直せって言葉知らないのか?」
暗に自分の声もうるさいでしょ?って暗に注意してあげる。
オレは優しいんだ。
「もう1回言ってみろよクソガキ!」
「オレの友達よりアンタの方がうるせぇって言ったんだよ、わかったらその口閉じろよおっさん」
うるさいおっさんが怒鳴っているが、無視して皆人に話を聞こう。
人の優しさを無駄にするおっさんなんてもう知らん。
「で?何があったんだ?」
「変なヤツが人を襲って来るんだよ」
「変なヤツ?」
「おい!聞いてるのか!」
うるさいな。
「ちょっと!静かにしてよ!」
うるさいおっさんへ注意する三橋。
気持ちはわかるが、とりあえず落ち着かせないと。
「おい、可奈、静かにしないとまずいって!」
オレが注意する前に三橋に声を掛ける男子がいた。
アイツは……門倉の金魚の糞だな。
ちなみに名前は覚えてない。
「三橋さん落ち着いて」
三橋?に皆人が落ち着くように言ってる裏で、さっきのおっさんがギャーギャー騒いでいる。
変なヤツから隠れている割に緊張感がないな…。
もっと愚行を繰り返して、バッドエンドを迎えてもらうって最期が似合いそうなおっさんだ。
「まったく……なんで私がこんな目に……」
なんかぶつくさ言ってる爺さんもいる。
なんて言ってるか耳を傾ける。
「まったく、最近の若いもんはどいつもこいつも……」
で、出た~!!
パニックホラーとかで「最近の若いもんは…」とか言っちゃうジジイ!
ホントにいるんだなぁこういう人…。
ちょっと感動。
まあ、それはともかく。
「その変なヤツから隠れてるのか?」
「ああ、そいつヤバいヤツなんだ。手がなんか変な形をしていて…」
はて?
変な形の手をしたヤバいヤツとな?
さっきの幻覚が頭をよぎる。
「ん?」
なにかの匂いを感じた。
今まで感じたことのない匂いだったので気配察知をしてみる。
すると、偶然にもさっき感じた、魔力を持った何かがこっちに近づいて来ているのに気がついた。
匂いの元も気になるが、今はこっちの対処が最優先だ。
「どうしたんだ大我?」
「多分、今話してたヤバいヤツがこっちに向かってきてる…。逃げる準備をしておいた方がいいぞ」
「はあ?なんでそんなことわかる……」
金魚の糞君が何か言ってきていたが、相手をしてる暇はない。
なぜならそのヤバいヤツが、オレたちの隠れている場所へ飛び込んで来たからだ。
「う、うわあああ!!」
皆、驚いて腰が抜けてるな
それはそうと……。
「おいおいマジかよ……」
さっき幻覚で見た通りの、蠍の爪のような腕を持った人型の何かがそこにいた。
なんだこいつ…。
エネミーか?と思ったが気配が違うし、今はデモンズゲームではないのでエネミーではないのだろう…。
じゃあコイツは一体なんなんだ?
「ロ……イドモハ…ネ……」
何かを言っているが聞き取れない。
本格的に何なのかわからないヤツだ。
「ふむ…。私はこんなヤツを見るのは初めてだが君は?」
「オレも初め…」
「う、うわあああ!!」
オッサンが絶叫し、この場から逃げようとしている。
うるせえなぁ…。
そのオッサンへ爪を振り下ろすモンスター(?)。
オッサンの腕は肉を抉られ、鮮血が飛び散る。
「キャ、キャアアアア!!」
三橋?とかいう女子がその光景を見て叫ぶ。
あ~あ…、次の獲物として狙われちゃうぞそんなんじゃ。
仕方ないので三橋を庇って前に出る。
「皆人、皆を連れて先に行け!すぐに追いつくから!」
つーかさっさと逃げてほしい。
邪魔だから。
「なにを言ってるんだ大我!?お前を見捨てて逃げるなんて…!?」
「さっさと行けって、大丈夫だから!!」
「何言ってんのよ阿久津!?」
「心配するなって三橋!皆人、皆を頼んだぞ!」
「わかった…。絶対に追いついて来いよ!」
残っている人たちに声を掛けて走っていく皆人たち。
「さて、と」
これで全力が出せる。
「始めようか?」
そう呟くレイラ。
………。
なにしてんの?
「なにしてんの、レイラ?早く逃げてよ」
「悪いがそうはいかない。なにせ初めて見る手合いだ…。こんな楽しそうな戦場を逃す手はないからね…!」
不敵な笑みを浮かべ、虚空から刀を取り出すレイラ。
……え?
いやいや…それって…。
「…………。もしかしてレイラってデモンズゲームのプレイヤー?」
「そうだよ?君もだろう?」
「そうだけど…。なんで知ってるの?」
「魔力の流れを感じたからね。それよりもヤツのことだ。大我、さっきは聞きそびれたけど、君はヤツに心当たりはあるかい?」
「いや、ないけど…」
「やはり、かい!!」
オレを突き飛ばすレイラ。
なにすんだよ…!?と思った瞬間、さっきまでオレがいた場所へあのモンスターが爪を振り下ろす。
「危ねぇ…なぁ!!」
その言葉を皮切りに、速攻で魔力を込めた拳を顔面へ向けて放つ。
割と本気で。
「痛っ!?随分と硬いな、おい」
だが、爪みたいな腕でガードされる。
しかも、硬すぎてダメージが通った感じが全くしないという状態だ。
厄介だなあの腕…、硬いうえにデカいから、あれを掻い潜って本体を叩くのは結構骨が折れそうだ。
「マタ…ジャマ………カ。クソ…キ……!!」
また邪魔?
コイツ今、また邪魔って言ったか?
「『また』?大我、ヤツと前に会ったことがあるのかい?」
「どうだろ?オレ、アンタとどっかで会ったことあったか…なぁっ!?」
肘から出した炎を爆発させて超スピードで殴る。
命名ブーストパンチ!
これなら反応できないだろう!
案の定顔面に突き刺さるオレの拳。
そして吹っ飛んでいくモンスター。
逃がさないぜ!
ブーストパンチの要領でダッシュ。
速い速い。
一瞬で追いつき追撃で地面へ叩き落とす。
そして気づく。
「うわっ、なんだこれ?」
周囲が鮮血で染まっていた。
周りにあるのは死体ばかり。
しかも爺さん婆さんの死体が多い。
中年の死体もあるが僅かだ。
逆に若者の死体はない。
どういうことだ?
「オ、オマエ、ナ、ナンドモジャマ、シヤガッテ…!」
顔を上げるモンスター。
あれ?よく見るとコイツの顔…なんか見覚えがあるような……?
「なあ?やっぱりアンタ……前にオレに会ったことある?」
「ム、ムテイコウノオ、オレニアンナニシツヨウニボウリョクヲフルッテオイテ、ワ、ワスレタノカ!?」
オレが暴力を?
「やっぱり会ったことあるのかい?」
いつの間にかそばに来ていたレイラに問われ、少し考える。
…………。
あ!?
コイツあれか!
深夜徘徊婆ちゃんを襲おうとしてた通り魔か!!




