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32 規格外

 デュラハンが2体なんて悪い冗談だろ。


 見ろよ、さっきからジャンとジョナサンの攻撃を全て捌いている。

 あんなの2体も出てくるとかバランス調整ミスってるだろ。


「クソ!」


 やぶれかぶれでロングソードを振るが、あっちは騎士だ。

 そんなの簡単に捌かれてしまう。


 ホント厄介だな。


 足を炎にして蹴りを放つ。

 若干よろけたのでその隙に退避だ。


「大我危ない!」


 樹里愛がオレとデュラハンの間に割り込む。

 直後に響き渡る金属音。


 あのデュラハン、態勢崩してたはずなのに即追撃してくるとか厄介にも程があるだろ!?


「ちょっと!?その手大丈夫なの!?」

「大丈夫かどうかで言ったら大丈夫じゃないかな…?」


 そう言いながらも攻撃に転じる。

 この状況を打破するためにも今はコイツを倒すしかない。


 その時。


「エネミーチーム、祭壇への奉納を確認。現在各チームの祭壇への奉納は、プレイヤーチーム残り6、エネミーチーム残り5となります」


 マジかよ、もう!?


「こんなところでちんたらしてる暇はない!目的は達したし撤退するぞ!」


 ジャンの提案に頷き、走り出す。


「ヒヒーン!」


 馬の嘶きが響き渡る。


 後ろを確認するとデュラハンが馬に乗って追いかけてくる。

 さすがに走って馬に勝つのは不可能だ。


「この通路が広いのは馬のためだったんだな、納得」

「今そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」


 ジョナサンが叫びながらボウガンを撃つが、あの馬…痛みを感じてないのか少しもひるまない。


 馬に蹴られそうになり転がって回避する。


 人の恋路を邪魔するヤツは馬に蹴られるってよく聞くが、オレはそんなことしてないので今のを躱せたのだろう。

 

「オレの日頃の行いが良かったから助かったんだな今」

「あなた、どの口で言ってるのそれ?」


 立ち上がるのに手を貸してくれた樹里愛が呆れたように言う。


 良いだろ、オレの日頃の行い。

 良い筈だよね?


「来るぞ!」


 ジャンの警告通りまたこちらへ突っ込んでくるデュラハン。


 受け身ではやられる。


 今度はこっちから攻め込んでやる。


 足に魔力を集中させる。

 最大まで溜めたら一気に開放!


 そしたらこの通り、レースゲームのブーストみたいに超スピードでぶっ飛ぶことができるのだ!


 問題は1つだけ。超スピード過ぎてコントロールできないことだけだ。


 現に今、デュラハンへ斬り込む筈が通り過ぎてしまった。


「「「はあ?」」」


 全員で呆れた声を出すのはやめてほしい。


 あとデュラハン、お前までなんだコイツ?みたいな目で見るんじゃない。


「う、うおおお!!」


 恥ずかしさを誤魔化すようにデュラハンに斬り込む。


 もちろん普通に走ってだ。


 左手にくっついている盾が厄介なので左腕を斬り落としたいところだが、それが難しいんだよなぁ。

 とりあえず片手でロングソードを上段から振り下ろす。

 もちろん盾でガードされるが、直後に炎を纏った回し蹴りを繰り出す。


 足の後ろから炎を噴出させているので蹴りのスピードはかなりのものだ。

 代わりに、勢いがあり過ぎてオレの方が態勢を大きく崩すのが難点だが。


「はあ!」


 オレの蹴りを受け、盾を弾き飛ばされたデュラハンの胴体を斬り裂く樹里愛。


 ナイス追撃。


 強敵デュラハンを倒してめでたしめでたし。

 となるわけもなく。


「ヒヒーン!」


 2体目のデュラハンがオレたちへと迫っていた。

 馬の鳴き声は可愛いのに、嫌いになりそうだな…。


 てかあれだ、正直付き合ってられない。


 そう言いたいところだが、デュラハンの方が機動力が高いため逃げたところで後方から攻撃されるだけだ。


 なので戦うしかない。


 その時、馬が突然態勢を崩し、デュラハンが馬の上から落下した。

 そして間髪入れず、人型の土の塊みたいなのがデュラハンを押さえつける。


「やれ、大我!」


 ジョナサンの声に従いデュラハンにとどめを差す。

 安堵したその瞬間。


「エネミーチーム、祭壇への奉納を確認。現在各チームの祭壇への奉納は、プレイヤーチーム残り6、エネミーチーム残り4となります」


 マジか!?

 こっちはまだ1個も奉納してないんだぞ。

 

「エネミーはもう2つも……。なあ、これこのままじゃ負ける流れじゃないか?」


 ジョナサンの言う通りだ。

 このままじゃ勝ち目がない。


「ああ。正攻法じゃ勝ち目がない…。これはもうボス狙いで行くしかないんじゃないか?」

「だが、ボスということはあのデュラハン以上に強いってことだろう?そんなのに勝てるのか?」


 たしかにジョナサンの言うことにも一理ある。


 このゲームのボスはリッチーという所謂アンデッドの王なのだが、コイツが滅茶苦茶強いうえに厄介なのである。


 様々な能力を使いこなす上に体の硬さもデュラハン以上、しかもスケルトンを召喚することができるのだが、それが無制限に召喚できるという公式チートなのだ。


 正直規格外としか言いようがない。


 本来ならアレックス爺さんがいる想定で作られたゲームだったからだと思うのだが、そのせいで難易度が爆上がりしている。

 そんなチートエネミーなリッチーだが、未来の記憶ではアレックス爺さんに速攻で片付けられていた。


 あの人どんだけ規格外なんだよ。


「まあ、勝てるかはわかんないけどこのままじゃ埒が明かないのは事実だし、1回挑んでみない?」

「正直不安だけど……。まあ、1回様子見するのは悪くないんじゃないかしら」


 そうそう、樹里愛の言う通りだよ。 

 まあ、なんとかなるでしょ。

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