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12 暇

いいね、ありがとうございます!これからも頑張ります!

「見つけた!右端の画面だ!」


 数分後、ジャンが魔法陣を発見したらしく声を上げる。


 あれが目的の魔法陣、このゲームの勝利条件か…。


 だが……。


「ジョナサンの予想が当たったね。何この数…」


 ドン引きする程の数がそこにはいた。


 既視感あるなと思ったらあれだ、駅の中だ。

 あのごった返している駅の中にそっくりなのだ。


 人が多すぎて気持ち悪いよね駅の中って。


「これをかき分けて魔法陣を破壊か。厳しいな」


 ジャンの意見に同意だ。

 さっきも話していた通り正攻法では厳しい、いや、はっきり言ってムリだ。

 

「ということで、いい案は浮かんだか?未来の大我さん?」


 ジャンに煽られるが、いい案なんてまったく思い浮かんでいない。

 誰だよ、未来のオレに任せるなんて言って丸投げしたの。

 オレだよな、わかってる。


「ゴメン。まったくいい案なんて思い浮かばなかった」

「だろうな。いいか?あの数相手にただ闇雲に突っ込んでも勝ち目はないだろ?そこで俺は思ったんだが、これは相手を殲滅しなきゃならない戦いじゃないだろ?つまり……」


 そうか、このゲームの勝利条件はゾンビの殲滅ではない。

 あくまで勝利条件は魔法陣の破壊だ。


 つまり……。


「ふっ、大体わかった」

 

 考えてみたら簡単なことだった。

 戦ったらほぼ負けという状況。

 なら答えは一つしかない。


「へぇ、今のでわかったのか?言ってみろ」

「ステルスミッション。これしかない」


 つまり隠れながら魔法陣に近づき破壊する。

 そうすればあの大量のゾンビと戦わずにゲームをクリアできる。


「全然違う」


 なんだと。

 間違いなくこれだろ。


「いやいや、戦わずにゲームをクリアするにはこれしかないだろ。むしろこれ以外に方法なんて思いつかないぞ」

「アイツら近づいただけで俺たちを感知するんだぞ?ステルスミッションなんて不可能だろ」


 言われてみればそうだった。

 正論過ぎて反論が思い浮かばない。

 

「そもそも俺はゾンビと戦わないなんて言ってないだろ?」

「たしかに言ってなかったな。ということは……」


 オレは少し考えようとして、


「さっぱりわからん。早く答えを教えてくれ」 

「もう少し粘りなさいよ…」


 樹里愛が呆れているが、早く答えが知りたかったんだから仕方ない。


 時間が無いからとかではなく、純粋に気になったからだ。

 断じてわからなかったから諦めたわけではない。


「魔法陣の破壊さえできればムリにゾンビと戦う必要はないってことだろ?」

「ああ、そういうことだ。」


 ジョナサンにはわかったらしい。

 樹里愛もわかっているのか、オレに対して残念なヤツを見るような目を向けている。

 馬鹿にされるよりも悲しくなるから、その目はやめてほしい。


「つまり俺の案ってのは簡単に言うと陽動作戦だ。誰かがゾンビを引きつけて、その間に別の誰かがあの魔法陣を破壊する。シンプルだが、手っ取り早いだろ?」

「悪くないんじゃないかしら。相手が普通の人間なら陽動に気づいて守りを固める可能性もあるけど、ゾンビならそんな知性はない。確実に陽動に引っかかる筈よ」


 言われてみればたしかにそうかも。

 凄いな皆…。

 色々考えてるんだな。


「よし、あとは誰が陽動役をやるかだが……」

「オレがやるよ」


 即答する。


 何故かって?

 皆が危険な陽動を担当して、死んでしまったりしたら困るからだ。


 考えてみてほしい。

 これからのオレの人生はクッソつまらないものだった。

 実際未来の記憶を見たオレが言うのだ、間違いない。


 そんなつまらない人生ランキングトップ独走中のオレの人生に比べたら、三人の人生は確実に面白くなるのは間違いないだろう。


 だから皆が死んでしまっては困るのだ。

 皆が死んでしまったらこれまでの人生で経験したことを聞くこともできないし、これから先の人生で経験することを特等席で鑑賞することもできない。


 そんなのは嫌だ、耐えられない。


 そうなるとオレが体を張るしかない。

 自分の望みを叶えるためだ、キツイことをしなくてはいけないのは仕方がない。


「ダメよ!何を考えてるの!?」 

「何って、一番攻撃力が高いアイテムを持ってるオレが一番時間稼ぎできそうじゃない?だから陽動役はオレが適任だと思うんだけど」


 本当はそんな理由じゃないけどね。

 でも、ある意味オレを含めた皆がハッピーになれる提案だから、悪くないと思うんだけどな。


「いや、お前は陽動役じゃなく本命の魔法陣の破壊をやってもらいたい。理由は今お前が言った通り、この中で一番攻撃力があるからだ」


 ジャンにも陽動役をやることを反対された。

 できれば皆を危険な目に遭わせたくないんだけどな。


「なんで攻撃力がある方が本命なんだよ?陽動役として暴れまわった方がいいんじゃないか?」

「理由は簡単だ、お前のその炎の剣ならあの魔法陣を一撃で破壊できそうだからだ」


 言われてみればたしかにその通りだけど…。


「そして、陽動役は俺たち3人だ」


 その言葉に驚愕する。

 本命の実行役がオレ1人とかマジかよ。

 責任重大過ぎない?


 だが、樹里愛を筆頭に、危険な陽動役は3人が担当すると言って来たので、押し切られてしまった。

 オレがやった方がいいと思うんだけどなぁ…。


 その後、どのタイミングで陽動を開始するのか、オレがどこから突入するのかを話し合った。


 魔法陣があるのはこのショッピングモールのロビーだった。

 このロビー、上空部分は吹き抜けとなっている。

 そのため、オレは2階に潜み、3人がある程度ゾンビを引きつけたら飛び降りてそのまま魔法陣を破壊する。


 作戦としてはこんなところだ。

 複雑な作戦にすると、その分思考をする回数が増え、行動が遅れ、死のリスクが増える。

 だから作戦はシンプルであればシンプルであるほどいい。


 とジャンが言っていた。


「監視カメラで見る限り、あの爺さんゾンビの距離が少し近い。もうちょっと離れてから出ることにしよう」


 ジャンの言葉に従い大人しくする。


 だけど、暇なんだよなぁ……。

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