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109 気配探知

更新が遅れてしまい、申し訳ございません。


最新話投稿しますので、お読みいただけますと幸いです。

~ジャンSIDE~



「こうして向かい合うのはいつぶりであろうな?」

「さあな?そんなことに興味は無いので、最後に会った日から何日後なのかなんて数えてはおらぬよ」


 そんなことを話ながら、二人はお互いの隙を窺っているのを感じ取れた。


 正直マーリオゥがこの街に来ていることがわかった時点で、さっさとヤツを追うために行動したかったというのが本音だ。


 だが、あの二人…ラウルとクリス・セイジの間に巻き起こっている殺気に当てられて、俺は少し冷静に…いや、正気になっていた。


「さて、貴様は一体このゲームについてどこまで把握している?」

「石板型のアイテムを集めることによって、クリアのための道筋が現れるであろうと予想しているが、貴様はどうだ?」

「私も貴様と同意見だ。して、貴様は何枚・・石板を持っている?」

「我が貴様にそんなことを教えると思うのか?」

「思わん。なので、力尽くで答えてもらうことにしよう!!」


 そう言うが早いか、ラウルは砂を固めた礫弾れきだんをセイジへと向けて発射した。


「む…。相変わらずせっかちな男だ」


 そう言うとセイジは自らの腕をまるで岩石のような物体に変化させて、礫弾を防ぐ。


 セイジも転生者の一人だと言っていたラウルの言葉は真実だったようだ。


 今のところ、ラウルの言っていたことは全て事実…。


 ラウルは信用に値すると見て間違いなさそうだな。


 となれば、マーリオゥを追うためにも、本格的に手を組んだ方がいいかもしれない。


 そんなことを考えている間にも彼らの攻防は、目まぐるしく攻守を逆転させながら続いていた。


 ラウルが礫弾を放てば、セイジは腕を岩のような形態に変化させて防ぎ、逆にセイジが腕を水晶のような物質に変化させ、そこから光線のようななにかを放って攻撃すれば、今度はラウルが砂で壁を作り防ぐ。


「一進一退の攻防ってヤツね…」


 樹里愛がそう呟いたが、俺はなにか妙な違和感を感じていた。


 俺でさえ、広範囲に影響を及ぼすような攻撃ができるのに、二人は一向にそんな攻撃をする素振りを見せない…。


 まるで、お互い力をセーブしているような…。


「二人共、周りにいる私たちが巻き添えを喰らわないように戦っているようだね」

「そうか…。だから二人共範囲攻撃を使っていなかったのか…。だが何故だ?」

「二人共気づいているんだろう…。今回のゲームがなにかおかしいことに」

「おかしい?それって…」

「その話は後だジャン。気配探知に集中して。もしも今回のゲームに外部・・から干渉しようとしているヤツがいるのなら、最強格同士がぶつかりあっているこの状況を見逃す筈がない…。仕掛けて来るとしたら、このタイミングだ」


 外部…?


 一体何を言っているのかはわからないが、今回のゲームに違和感があったのは事実だ。


 ゲーム開始までの時間が異様に短かったこと。


 このゲームがファイナルゲームであること。


 プレイヤーがバラバラに転移させられたこと。


 一般人が巻き込まれていること。


 ラウルから聞いた話では、ここまでなら珍しいことではあるが、通常のゲームでもありえないことではないらしい。


 だが、一つ一つなら珍しくないことでも、これだけ一度に起こったことは初めてらしい。


 それだけではない。


 あの国連軍を率いているラウルが何か月も発見できなかったマーリオゥが現れて、何故かジョナサンを連れ去った。


 ここまでの異常事態が一度に起きているのに、それが全て偶然であるということには、俺も違和感があった。


 であるなら、フラッシュのいう通り、これを仕組んだ何者かがいるというのには納得しかない。


 そしてその何者かが介入してくるのなら、今が絶好の機会であるということも納得できた。


 なので、俺はフラッシュに言われた通り、気配探知に注力する。


 ここで俺は一つ、先程思いついたことを試すことにした。


 それは簡単に言うと、気配探知に俺の異能を応用して使ってみるというものだ。


 俺の異能は範囲内の風を操るというもの。


 その風を探知機のように使えば、通常の気配探知以上の精度を得られるのではないかと考えたのだ。


 そして、その思いつきは正解だった。


 ここから少し離れている場所に、気配を消してはいるが、微かに動いているなにかを感じる。


 これは…恐らく呼吸だろう。


 いくら気配を消すのがうまくとも、生物である以上呼吸を止め続けるのには限度がある。


 そして、俺の異能を使った気配探知は僅かな呼吸すら探知できることが証明された。


 これはこの先役に立つ…!


「そこだ!」


 感じ取った気配へ向けて、俺は風の弾丸を放つ。


「チッ!」


 俺が弾丸を放った先から、隠れていた女…宮古桃が現れた!


「宮古桃!?そんなところに隠れていたのか!」


 そう叫んだフラッシュは、間髪入れず光の矢のようなものを宮古桃へ向けて放つ。


「それが効かないのはさっき証明されたで…」

シャドウバインド!」

「はっ…?」


 いつの間にか宮古桃の足元へ移動していたシャドウが、あの女の腕を鎖で拘束する。


 ヤツが何が起こったのかわからないという顔をしたその一瞬。


 その一瞬に、狙いすましたかのようにフラッシュの光矢が宮古桃に到達する。


「きゃああああ!?」


 悲鳴を上げ、派手に吹き飛んで転がる宮古桃。


 そこへ逃がさんとばかりに追撃する影があった。


シャドウインパクト!」

「チィッ…!?」


 シャドウの追撃に対応できず、無様に転がりながら逃げ惑う宮古桃。


 だが、そんなヤツの無様な逃亡劇も長くは続かない。


 なぜなら…。


「はあああ!!」

「きゃああああ!?か、顔…大我君が好きな、私の美しい顔があああああ!!!」

「どさくさに紛れてありもしない記憶を捏造しないで!あの子がアンタみたいな異常者のこと、褒めるわけないでしょ!!」


 そう言って樹里愛は怒りのまま、宮古桃の右腕を斬り落とす!


 ちなみに俺は、大我ならなんにも考えず容姿を褒めてる可能性は十分あると思った。


 アイツよく考えず、思ったことを口にするところあるからなぁ…。


 まあ、今の樹里愛相手にそんな指摘ができるような勇気、俺には無いが。

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