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エデンワールド

この1話は世界観の説明となります。主人公が動き始めるのは2話からになりますので、飛ばしていただいても構いません! 

西暦2022年。人口の約7割が、この仮想現実の世界で生活をしていた……。


 今から約400年ほど前に、イギリスにて産業革命が行われ、人類の歴史は大きく形を変えた。今までの常識からは考えられないほど世の中は便利になり、それに伴い爆発的に大量の物が生産されていった。


 しかしこれらの莫大な物を作るためには資源が必要であり、物を量産するための機械を動かすにも、大量のエネルギーが必要となった。


 この世にある全ての物質にはそれぞれ寿命がある。それは人や虫、機械や惑星に至るまで、例外ではなかった。輝かしく人間を照らしている太陽にだって寿命はある。


 この世にある全てのものは有限であり、その(ことわり)を逸脱するものは、この世界には存在しない。そう、思われていた……。


 しかし今から約100年ほど前、宇宙から謎の物体がこの地球に飛来してきた。禍々しいほど黒く、丸っこい形をしたその物体には、僕たちの常識や価値観、生活をひっくり返してしまうほどの、重大な秘密が眠っていた。


 各国の頭脳明晰な科学者たちが謎の物体について研究していくうちに、ある一つのとんでもない発見をすることになる。


 謎の物体が地球に飛来し、地面に衝突した時の衝撃により、謎の物体に割れ目が生じ、その内側から常に煙のような白い(もや)が排出されたのだ。この白い靄を、天然ガスのように液化させてみると、なんと燃料としての役割を果たしたのだ。


 さらには靄の液体には、人体に必要なエネルギーを補ってくれる役割があることも分かり、多くの人々はこの万能な全てのエネルギーに変換可能な靄を求めた。


 人が限りある資源を求める時、そこには常に「戦争」と言う愚かな2文字が浮かび上がる。この世にある全てのものは、等しく有限だ。誰かの手に渡ってしまったのなら、奪い取ってしまえばいい。


 この世の物が有限である限り、そこに争いが巻き起こるのは必然とも言える。


 しかし争いは起こらず、靄は全ての望む人たちに、平等に行き渡った。


 そう。この謎の物体から漏れ出る靄の凄いところは、全てのエネルギーに変換可能なところではなく、この物体から無限に靄を抽出できる点だ。


 正確には無限と思われるだが、今のところこの物体から靄がなくなる様子は伺えない。


 この無限に資源を抽出できる物体には、その名の通り「インフィニティ」と名付けられ、人々に重宝された。


 インフィニティのおかげで、世界から飢餓は無くなった。エネルギーを必要としなくなった世界は争いをやめ、国という垣根を越え、人と人とが真に手を繋ぎ、新しい道を進み始めた。


 インフィニティが地球に現れてからの人類の進歩は、産業革命など目じゃないほどの躍進を遂げ、ついには新たなるステージに降り立った。


 そう、それこそがこの、仮想現実である。


 インフィニティの靄を液体化させた物に人間の肉体を漬けることにより、現実世界の肉体は栄養を必要としなくなった。


 次に、世界中の人間が手を取り合いAIの研究に力を入れたことにより、技術は革新し、この仮想現実の世界が実現された。


 この仮想世界では、肉体という名の牢獄がない。だから人々は疲れない。傷を負わない。目的地に一瞬で姿を移すことが出来る。


 まさに天国だ。何にも縛られることはなく、全てが自由に、平等に行えるのだから。


 そんな楽園とも呼べるこの世界を、人々はこう名付けた。


「エデンワールド」と。





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