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9:気分は推理『道具を用いて庭を手入れする男の、ご新造の失踪の真相』

ジャンル:推理(またはホラー?)


「春の推理2022」テーマ:「桜の木」に乗っかって、気持ちだけは企画参加で。

300字ぴったり♪

庭は手入れをしなければ荒れる。

草抜きをする人間がいなくなって伸びに伸びて生い茂った緑を、職場から借りてきた草刈り機で一気に刈った。

また、塀の上から道路側にはみ出した庭木の桜の太い枝なども、同じく借りてきたチェーンソーで切り落とした。

嫁の実家からはよく米を貰っていたが、空になった米袋を捨てずに貯めておいたのが役に立った。

45Lの指定ゴミ袋に20Kgの米袋を重ね、刈った草や切り落とした枝などを詰める。米袋を内側に仕込むことで中身が見えなくなり、外の袋が破けにくくなった。

チェーンソーからは、後から切った結婚記念樹の桜の木の臭いがした。

ゴミ袋の中からは、草や木や土の臭いに紛れ、血の臭いと腐敗臭がした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 草抜きをする人間がいなくなって……。 短い中にこの伏線、これでラストの一行がいちだんと生きますね。 見事だと思いました。
[一言] こういうラスト一行でぐるっと覆すお話好きです( ˘ω˘ )
[一言] 面白かったです。なぜ庭が荒れてしまったのか、そしてそれを主人公が手ずからする理由、ジャンルを言われなければ最後にブルッと来たと思います。 島猫。さまの置き場シリーズには短編の創作意欲がかき…
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