28:詩『綺麗探しの心の旅へ』
作者:時空 まほろ 様 の詩作品『届け、この詩よ!』 https://ncode.syosetu.com/n8622hp/ を読んで、自分も詩を書きたくなって書いた作品。
詩を書くと
自分の内面が剥がれ出る
綺麗な言葉を書きたくて
綺麗な詩に憧れて
自分の中に、綺麗を探す
どこにありますか?
私のどこにありますか?
綺麗なもの、綺麗な言葉、綺麗な気持ち
コンコンコン
心の扉をノックして
開き戸……ではなく、昔ながらの引き戸のイメージで
ガラガラガラ
お邪魔します
綺麗なものはありましたか?
見つかりましたか?
ちゃんと探したんですか?
左の扉、中央の扉、右の扉
さあ、どれにする?
順番に開けてみる
コンコンコン
ガラガラガラ
お邪魔します
無くて、次の扉へ
また無くて、次の扉へ
またまた無くて、途方に暮れる
私の中に、綺麗はあるのか
かつて綺麗だったものは、時間の経過で埃をかぶる
ヨイショと持ち上げて、手のひらが黒くなる
指でつうっとなぞってみると、皮膚の上に灰色の層ができる
埃を落とせば? 固く絞った濡れ雑巾で拭けば?
でも、そもそも無かったら?
綺麗が何も無かったら?
カケラでも、オケラでも、ミジンコでも
ほんのわずかでも、綺麗がありますように
普段は見えなくても、暗闇の中、ライトで照らせば反射材で光りますように
綺麗な言葉を書きたくて
綺麗な詩に憧れて
自分の中に、綺麗を探して
自分の内面が剥がれ出た
剥がれ落ちたものにでも、剥がれることで現れたものにでも、綺麗なカケラがほんのわずかでもありますように
綺麗な言葉が書けるといい
いつか、綺麗な詩を書けるといい




