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13、謁見

 巨大なドアを開けられて、一人赤い絨毯の上を歩きます。話ではここを歩くのは、家族全員って聞いていましたが、一人になったようです。転ばないように、転ばないように。前を向きます。


 が、遠いです。遠すぎます。陛下の顔がまだ拳くらいです。5歳児に正装で歩かせる距離ではないと思います。しかも横に見物の大人がいっぱいならんでいます。私は客寄せパンダではないです。見定められているような視線が痛いです。


 みんなが止まるところが絨毯が少しへたっているところ、このあたりかしら。すっと止まって、息を整えて、顔を上げます。


「偉大なる国王陛下にご挨拶申し上げます。お初にお目にかかります。オーキッド伯爵家が娘、リーリアと申します。」


 ここで、カーテシーよね。片足を引き、裾を持ち、頭をまっすぐのまま、腰を少し曲げる。上手くできているのでしょうか。この体勢、じっとしているとぷるぷるしてきますわ。


「先程、創造神の加護と女神の祝福を持つ少女がいることを発表した。そなたで間違いないな」


「はい。間違いございません」


 まぁ、女神様は恋の女神様ですから少し訂正が必要ですね。


「面を上げよ」


 はい。そう言われてから頭を上げるようにお母様に言われておりましたよ。


「・・・ふむ。できれば我が国の繁栄と平和のために尽くしてほしいが。して、お嬢さんの気持ちはどうかな?」


 ざわつく謁見の場です。予想外の発言だったのでしょう。特に「陛下!そのようなはっきりと」と言って止めようとしているのは宰相でしょうか。教会側の偉い人でしょうか。


 ええと、教会へいくと領地に戻ることも家族とゆっくり過ごすこともできないと話をしてましたね。というわけで、教会には行きたくないです。ただ断ったら、王家に求められるかもしれません。そもそも、まだ会ってもいない王太子殿下が結婚相手になるのはいまいち納得できませんね。うーん。王家にも、教会にもつかない返事にしましょうか。


「わかりませんわ」


 5歳児ですもの。許されますよね!お父様も適当で大丈夫そうでしたし。


「ふふふ。はっ!はっははは」


 陛下は笑いをこらえたあと、本格的に笑い始めました。

 ざわつく周りに気を留めず、


「では、王城でまずはこれから美味しいお昼ごはんを食べようか」


 とウインク付でお茶目にランチのお誘いです。もともと昼食の予定ではありましたしね。


「はい!」


 お腹が空いていた私は元気よく返事をしました。


 朝ごはんはパンひとかじりですもの。お腹が空きましたわ。



「では、こちらへ。後でな」



 国王陛下はまだここに残る方々に話すことがあるのでしょう。私を案内人に任せて見送ります。


 案内をしてくださる方は笑いをこらえているようです。


 お父様は眉間のしわをほぐしております。あら?やらかしたかしら?


 お母様は心配そうに見つめています。


 まぁ、空腹には勝てませんわ。


 いざ、王族とのランチへ。



「はじめまして。宰相補佐のコロールといいます。ブルーナスお兄様の上司です。昼食の準備ができるまで、もう少しかかりますので、お部屋まで案内します。殿下達とお待ちくださいね」


 ブルー兄様のお仕事上司、コロール様ですね。よろしくお願いします。



 王城は広く、結構歩いたと思いますが、なかなか目的地にはつかないようです。お腹はもうペコペコです。


「お腹、空きましたわ。朝から正装をする準備で、少ししか食べられなかったんですもの」


 とにかく昼食前に少しでもお腹に入れておかないと、もう歩くことも、話すことも面倒です。


 まだ着きませんの?お部屋が遠すぎて、もう歩きたくないですわ。


 歩くペースが徐々に落ちてきた私を心配して、さすがに


「お兄様にすぐに軽食の準備をしてもらいましょうか」


 と、声をかけてくれました。


「ありがとうございます。で、あと、どれくらいですか?」


 軽食とブルー兄様に会いたくて食い気味に聞きます。


「もうすぐですよ、っとリーリア様の足ではまだまだかかりますかね。お腹も空いているようですし、、、」


 思案気味の様子です。


 もしや、抱っこで運んでくれるのでしょうか?ならそれが楽ちんです。


「抱っこで運んでください」


 もはやお腹が空きすぎて頭が回っていないようです。初めて会った人に抱っこを求めるなどやらかしている気がします。一応鑑定しておきましょう。


【コロール・レプリカン(男)23歳、相談スキル、次期宰相エース、新婚、脇フェチ、妻妊娠】


「失礼します」


 抱っこで距離が近くなると私のぐぅぐぅと低い音を立てて怒っているお腹の虫が聞こえたのでしょう。また苦笑いされておりました。


 抱っこで運んでいただいても、遠いと感じました。目的らしき、部屋の前で下ろしてもらいました。ここまで歩いていたらもう昼食前にはエネルギー不足で動けなくなっていたでしょう。助かりました。


「ありがとうございます。奥様に元気なお子がお産まれになりますよう祈ります」


 我が子を抱きしめるのももうすぐですわ。無事に産まれますように。


「え、つ、妻は妊娠しているのですか?」


 は?知らなかったのかー!


 やってしまった。

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現代物の軽い読み物です。恋愛なしでゆるっと1500字程度ですので、こちらもよかったらよろしくお願いします!
授業中に居眠りする彼の事情
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