女の園ってどこも、いつの世も一緒なんですよね~
2作目です。よろしくお願いします!
後宮とは、皇帝やその妃嬪、皇子皇女たちが住む場所である。その他にも、後宮には多くの女官や宦官たちが暮らしており、後宮内での職務に従事している。
妃嬪の地位は、実家の家柄、皇子を産んだか、皇女を産んだかによってもかなり違っていた。女官も、皇后や妃嬪に仕えてはいるが、皇帝の目にとまり、いつかは自身も妃嬪となるべく虎視眈々とその時を狙っているような者たちばかりである。
そんな戦戦恐恐、殺伐としたところとも言えるのが後宮である。
本来は、皇帝が心休まるところであるべき場所なはずなのだが...。
「心休まる訳なんてありえないだろう。女の戦いの場所で安らげる奴がいたら変態か変人か特殊趣味な奴ぐらいどろう。生まれ育った場所があんなところなんて最悪だろう。なぁ?」
「愚痴なら他所でやってくれませんかね~。こんな所で少女に愚痴ってる奴も大概変人だとは思いますけどね~」
「相変わらずだなぁ、お前は。俺が苦しんでるのに何とも思わないのかよ!」
「?思いませんね。」
「もういい!」
青年はぶすっと不貞腐れる。
「・・・・・・・・・まだいたんですか?」
「少しくらいは優しくしてもいいと思うぞ。」
「ガンバッテクダサイ。」
「・・・」
あまりの気持ちのこもってない励ましに言葉をなくすこの青年、麟月国の第3皇子である。名は劉焔炎。武芸に長けた武漢であり、若干17歳にして副将を任されているほどであった。
騎乗して戦う姿は誰よりも勇猛であり、その勇猛の名に相応しい躯は男女問わずの人気者であった。
「つまり、脳筋かぁ~」
「何か今、すごく不愉快なことを言われた気がしたんだが」
「・・・気のせいだと思いますよ殿下。」
「なんだよその間は!はぁもういい!何か話してたらゆっくりできたからもう行くから」
「お疲れ様です。」
何気ない仲良しな2人のやりとり。
2人がこんな風に話すようになったのは実はそれほど前ではなかった。
2人の出会いは「運命」だったのかもしれない。しかし、街ですれ違ったり、悪漢から美玲が焔炎助け出されたとかそんな劇的な出会いとは程遠く、これからの戦いの幕開けであった。
まだまだ勉強中ですが、応援していただけたらうれしいです。よろしくお願いします!