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ある不器用な恋の物語  作者: 自鳴琴 奏
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この時間になんの意味が?


 この時間になんの意味があるのかしら…。

暇で暇でたまらない―。空も青く正に快晴!乗馬日和だわ! 早く帰りたいわ。


 どうでもいいような世間話を少しして 会話にもならない会話し 沈黙が訪れる…。

さっきからその繰り返しだ。 早く帰りたいー。


 ティーカップに口をつけると同時に、ちらりと目の前に座る婚約者を見る 因みに彼は今日一言も喋ってない、私の話に相槌をうつだけ。


  相変わらず物心ついた時からの無表情――。目も合わせてくれないのね…。

    でも、仕方ないのよね…だって彼は私を嫌っているのだもの…。


そう、仕方ないのだ…スペリア伯爵令嬢アイリスは、ため息をつくのを隠すため 音もたてずゆっくりとお茶を飲む。 口にした瞬間香る最高級茶葉ならではの品のいい味と苦味。


 当然だ、アイリスが今いる場所は筆頭公爵家の壮大な広さの庭園、そこで婚約者との

自称<意味なき苦行のお茶会>の真っ最中なのだ。



 ディリク・リヒト・ブライアン

筆頭公爵家の嫡男 アイリスの婚約者 漆黒の少し癖のある短い髪 切れ長でハッキリとした二重の蒼い瞳 甘い顔立ちながらも男性らしい精悍さも持ち合わせている彼は誰もが見惚れてしまうほどの美丈夫だ、 加えて冷静沈着で頭脳明晰である。 無論社交界では有名人だ。

 女性嫌いで無愛想にも拘らず、彼ーディリク様に熱を上げる令嬢は星の数ほどいるのだ。


私  アイリス・リラ・スペリアは

名門伯爵家令嬢で蜂蜜色の大きなパッチリとした二重の黄金の瞳をもち 緩いウェーブの腰までの長さ栗色の髪をしている。

 容姿は両親も兄も美しいと言ってくれるが…。


 

私達の婚約が結ばれたのは、ディリク様の父公爵様と私の父は学生時代からの親友の一人だったから、息子と1日違いで生まれてきた親友の娘に婚約の申し入れをしたという 何処にでもある話しなのだ。


 貴族の結婚に自由はない…高位であれば尚更 昔に比べて、かなり恋愛結婚も増えたが

やはり爵位が高ければ高いほど政略結婚が当然とされる。

 仕方ない…でも私達の婚約は政略ではない、我が家は確かに名門伯爵家だが…公爵家にとってこの婚約にメリットないと言ってもいいだろう。

出来るなら、可能ならば!私はこの婚約を破棄にしたい!

 ディリク様に相応しい令嬢なんて、いくらでもいるではないか!


確かに私は、生まれて直ぐ未来の筆頭公爵夫人になる事が決められたために、幼少期から本来の伯爵令嬢が受ける、それ以上に厳しい淑女教育を受けてきた。

  

 物心ついた時から現在までディリク様に嫌われ続けている私が、筆頭公爵家という重責を

彼と共に背負い支え合っていける夫婦になれるとは…どうしても思えないのだ。





初めまして!自鳴琴(オルゴール) (かなで)といいます。

何処にでもある話しですが…、よろしくお願いします。

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