表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

R15の読解問題。〜 婚約者を奪った女と奪われた女〜


以下の文章を読んで、設問に答えなさい。



〜問題文〜


「レーニア様!助けてくださいっ!」‬


生徒に開放されている談話室でくつろいでいたら、ソラ様が駆け寄って来ました。


「まあ、今度はどうされましたの?」‬


あまりの勢いに、周りの方々もびっくりしていらっしゃいます。‬


「で、殿下に贈られたドレスを着ていたら、剥き出しの肩を執拗に撫でてくるんです…なんとか我慢していたら、服の下にまで手を入れてきて…」‬


なんだ、そんなことですか。肩から力が抜けました。‬


「まあ、そうでしょうね。殿下なら」‬


私に対しても、度々そういうことをしようとしてきましたもの。なんとか毎回頑張ってかわしましたが。‬


「っ!殿下ってそういう方なんですか!?」


「ええ、そういう方ですよ?ご存知なかったんですか?」‬


だとしたら浅はかと言うほかありませんが、殿下は彼女のそういうところを気に入られたのかもしれませんわね。‬


「知りませんよ!あんなエロオヤジみたいな!しかも人前で!」‬


あらあら。‬


「ふふっ、可愛らしい恋人に浮かれていらっしゃるのでしょう。仕方のない方ですわね」‬


相手が自分でないのであれば、気が楽です。思わず笑みがこぼれてしまいます。‬


「笑いごとじゃないです。なんとか言ってくださいよ!」‬


「私が?殿下に?何故?」‬


言われたことが理解できずに首を傾げました。‬


「だってレーニア様の言うことなら殿下聞くじゃないですか!」


ああ、それは当時は婚約者だったからですよ。‬


「それは昔のことですわ。私と殿下は婚約を解消したのですもの。殿下に意見するだなんて恐れ多いこと、もうできませんわ」


「そんな…」


「別によろしいじゃありませんか。恋人なのでしょう?仲睦まじくて微笑ましいですわ」‬


年相応にいちゃいちゃするカップル、いいじゃありませんか。‬


「よくないですよ!人前で胸揉まれたんですよ!?」‬


「あら、まあ…」


想像以上でした。

殿下ったら随分はしゃがれていらっしゃいますのね。


「私にはどうとも」‬


できないですし、今さらそんなこと言われても困ります。ソラ様がご自分で殿下の恋人になることを選ばれたのですから。‬


「殿下もストレスが溜まっていらっしゃるのでしょう。癒して差し上げるのも恋人の役目ではないかしら?」‬


私は婚約者ではあっても恋人ではなかったので、よくわかりませんが。


「だからってあんな痴女みたいな真似…」‬


そんなにひどかったのでしょうか。もしかしたら


「殿下は人に見られるのがお好みなのかもしれませんわね?」


つい、思ったことを口にしてしまったら、ソラ様は青くなりました。


「そんな…」‬


ふらふらとして倒れそうでしたので、ソファを勧めます。目が虚ろですわね、お可哀想に。

…ソラ様がお役目を代わってくださって本当によかったわ。‬


「まあ、そのうち慣れますわ」


多分。‬


「無理です。なんとかしてください〜」‬


泣きながら抱きついて来ましたが、それこそ無理です。


「一介の貴族の娘が殿下に意見などできませんわ。首が飛んでしまいかねませんもの」


殿下はお年頃ですからね。邪魔をするなんて自殺行為です。‬


「私、いったいどうしたら…」


そうですわね。


「気がすむまで付き合って差し上げたらいいんじゃないかしら?」‬


私の家とは違って彼女の家は男爵家、強く出るのも難しいでしょう。そうなるとあとは受け入れるのみです。‬


「そんな…」


「大丈夫ですわ」


泣きじゃくる姿が気の毒だったので安心させるようににっこり笑うと、彼女は縋るように私を見つめました。


「どれだけ恥ずかしい思いをしても、それで死ぬことはありませんもの」


「いやー!!!!!!!」


彼女は私のドレスの胸元を掴んで号泣してしまいました。いったい何を想像したのでしょうか。

可哀想なので髪をそっと撫でて差し上げました。



〜問題〜

問1. この中で一番腹黒そうな人物は誰でしょうか。


問2. どの辺りが腹黒なのでしょうか。言動を一つ選んで答えなさい。


問3. レーニアは、なぜソラの相手をしているのでしょうか。


問4. ソラは、なぜレーニアに助けを求めたのでしょうか。


問5. レーニアはソラにどんな気持ちを抱いているでしょうか。



以下に解答例。


















〜解答例〜

答え1. レーニア

答え2. 最後の上げて落とすところ

答え3. ソラが困る様を特等席で眺めるため

答え4. 冒頭に「今度は」とあるように、レーニアが毎回ソラの相手をしているから。文章内でソラが言っていたように、王子はレーニアの言うことなら聞いていたから。

それと多分、他に相談できるような相手がいない。

答え5. 個人的には婚約者じゃなくなって喜んでいる。

家的には王家との結びつきを強める機会が失われたのでよくない。←一般論

あと、単純に婚約者を奪われたのは不名誉。←一般論

でもソラが毎回こんな調子なので、すでに溜飲は下がっている。今はちょっとつついて楽しんでいる。



いかがでしたでしょうか。

簡単!全然わからん!こういう解釈じゃないの?などコメント欄にもらえると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったので、私も解いてみました。 問1.ソラ 問2.「殿下に贈られたドレスを着ていたら、剥き出しの肩を執拗に撫でてくるんです…」 ーって、自慢ですか?惚気ですか? レーニアが殿下の事…
[一言] 回答 問1. この中で一番腹黒そうな人物は誰でしょうか。 レーニア 問2. どの辺りが腹黒なのでしょうか。言動を一つ選んで答えなさい。 ソラの性格を把握しておきながら、彼女が受け入れられな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ