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このチキン野郎が

作者: 矢田こうじ

私は鶏肉好きである。


唐揚げ、素揚げ、ケンタッキー、焼き鳥、グリルチキン。

鶏料理の守備範囲は広く、大体食べる。


といいつつ、書きたいのは、取るに足らないが、言いたい文句だ。


油淋鶏(ユーリンチー)という料理をご存知だろうか。

簡単に言うと、揚げた鶏肉に、甘酸っぱいソースがかかったものだ。


久しぶりにゆっくり休みが取れたので、折角なので、一人どこかで食べようと思った。

私はとてもチャーハンが食べたくなったので、少し近所という位置にある、チャーハンに自信がるというお店に行ったのだ。

頼もうとすると、ラーメンセットにチャーハンが付く、おなじみのメニューの下に


「チャーハンセット、チャーハンと唐揚げ付き」


というメニューが目に飛び込んだ。

しかも100円増しで、唐揚げが油淋鶏に変わるという。


あ、そうなんだ。いいじゃない。

じゃあ、ここは奮発?して、と油淋鶏を頼むことにした。


私にとって油淋鶏は、平たいチキンカツのような形で揚げられた鶏肉に、餡が乗っているイメージだった。

当然、そう来るだろうと思っていたのだ。

あまり待たずに、お皿を持ったお姉さんが、どうぞ、と来たのだ。


唐揚げにソースがかかったものを。


いつも混雑しているお店なので、回転も速くしなければならないだろう。

もとよりチャーハンだって、チャーシューなど、ラーメンの具材が流用されている。

働き方改革と言われ続け、効率が求められる世の中、そういうことは必要である。

まあもとよりラーメン屋ならそういうものだけれども。


しかし、これはないだろう、と思ったのだ。

食べてみれば、唐揚げ。いや、唐揚げはおいしいです。


しかし私が食べたかったのは油淋鶏なんだ、と。

これは『甘酢あんかけ唐揚げ』じゃないか。


もとよりチキン野郎なので、何も言わなかったが、なんだかだまされた気分になった。


家に帰り、調べてみると、やはり油淋鶏は少ない油を鶏肉にかけながら揚げたものに甘酢っぽい餡をかけたもので、唐揚げは味付けした鶏肉を揚げたもの、ということ。

だがしかし最近では、唐揚げにかけたものもの油淋鶏となるそうだ。


そうなのか。

あながち間違っていないんだな。

そう思ったけど、いやいや、納得できない。違うだろう、と。


言いたいことは、手間のかかる料理だということはわかるにしても、やはり違うものは違うわけで、ちゃんと『油淋鶏風唐揚げ』とかにして、正確に伝えてほしいのだ。

皆さんも似ている、一応認められている、というところで妥協せず、正確に物事は伝えるべきだと思う。


そうすれば私は素直に100円出さずに、唐揚げを頼んだのだ。

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