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怠惰の神候補   作者: タイト
番外編 ドワーフの里、その後
72/74

ゴンゴンは星になった、しかしガイアの力で記憶と引き換えに蘇った

本日2本目です。

 村が滅んで数年ダンジョンは姿を変化させ、それに伴い地盤沈下に巻き込まれるような形で村は地下へ地下へと沈み込んでいった。

 そんなさなか、村に来客があった。


『う……誰だ、そこにいるのは?』

『ほう、魂付きの肉体とは、遠路はるばる訪れた甲斐があったな』

『質問に答えろ、お前は誰だ!』


 スクリーンから、ゴンゴンの声が聞こえた。なんと彼は、死後も霊体としてこの土地に留まっていたようだ。


『そこの……新たな命が欲しくはないか?』

『何……今なんと!!』

『命だ! 新たな肉体を得て、新たな生を望みはしないか?』

『まさか? そんな! 無理だ、出来るわけない!!』

『このガイア・J=ガイザードが可能だといったのだぞ』


 来客の名は、ガイア(・・・)というらしい。

 ガイアは、白衣を身にまとった研究者風の男だ。

 だが決して細身というわけではなく、きちんと鍛えられ筋肉がそれなりに発達した健康的な肉体をしていた。

 そして何よりも特徴的なのが、黄金のような金髪がオールバックにされたその頭であろう。恐らく筋肉よりも気を使われていると思われるその頭が、彼の存在感を際立たせていた。


「おい、奴のシャツを見ろ、あのロゴマークは……」

 シリウスが指摘したそのロゴマークは、つい最近知ったばかりのものだ。


 犯罪結社ビースト、彼らを暗示するマークに他ならなかったのだ。



 その後も映像は続き、どこかの研究施設へと移動したゴンゴンの魂。


 そこで彼は、新たな肉体を手に入れたのだが……。

『ああぁぁぁヴァヴァヴァヴァヴァヴァああああぁァァァ!!!!』

『おめでとうゴンゴン、君のおかげで貴重なデータがいくつも手に入った、心より感謝する。……だがこのガイア・J=ガイザードの技術が悪用されれば世界に大いなる災いをもたらす』

 ガイザードは、カプセルの中で泡を吹くゴンゴンに語り続けた。


『よって、君の記憶を改変する。いいか、君は死ななかった。君は生きて故郷を離れ、今は生き別れたいるはずもない(・・・・・・・)同郷の仲間を探し旅をしている、そのようにな』


 そこで一度映像が途絶え再び映し出されたのは、ガイアに改変された記憶に従い旅をつづけるゴンゴンの姿だった。



「全て、思い出した……」

「ゴンゴン! 良かった、意識が戻ったんだな」

「ああ、今のは()の記憶、魂の記憶だ。きっとこの土地にあふれる力が作用して、私の記憶を映し出してくれたのだろう……」

 ゴンゴンは、二日酔いの朝のように頭を抱えながら答えた。


 

「大丈夫か? おい、誰か水を「ぶえっつ! また砂が入ったのだぁ!」おいおい今は「いえシリウス様、妙でございます。粉塵の量が先ほどより増しております!」……まさか!!」

 

 ――ゴン!

 まさかと思い上を見上げたシリウスに、とても大きな石が直撃した。

 落石はそこで終わらず、さらに大きな物まで降り注ぎ始めた。

 

 そう、洞窟が崩れ始めたのだ。



「全員壁際まで走れ! 崩落で出口ができるかもしれん!」

「そんな運任せな「いいから走れ!」」


 いざとなれば、シリウスには転移魔法がある。だが彼の転移はピンチの場所に駆け付けるための技だ、今使用すれば恐らく巨人達の目の前に転移する事になるだろう。

 よって、ぎりぎりまで使わない。


 出口を求めて逃げ惑う中、皆の願いが通じたのか救世主が現れた!



「見て見てアレックス、壁からお寿司が生えてる!」

「ロゼッタ……こんなところでそんな、本当に生えてる!!!!」

「おお、グッドタイミングだぜ! アルマ(・・・)! よく来てくれた」


 壁から這い出してきたのは、ディアークの仲間。ピンク色の鱗甲板を持つアルマジロ、ヒメアルマジロの獣人アルマだ。

 地面を掘るのが得意で、その様は中トロに酷似している。



「ディアーク、たすけにきたモグ……うわぁぁぁぁ! しらん人がいるよぉぉ「人見知りかましてないで行くぞ、ここはもうすぐ塞がっちまうからな!」」

 アルマの掘り当てた穴に、我先にと駆け込む一行。少々手間取ったが、全員無事に抜けられそうだった。


 約1名を除けば……。



「おい、ゴンゴンはどうした!」

「あそこ! まだ倉庫のそばに!」

 一向に逃げる様子のないゴンゴンに、皆は急ぐように叫んだ。


 彼は、何も答えなかった。



「まだ意識が混濁してるのかもしれない。僕が連れ戻してくる!」

 アレックスが、穴から飛び出した。


「おい馬鹿、周りをよく見ろ! 押しつぶされるぞ!」

 飛び出した直後、彼の頭上から一際大きな岩石が彼を襲った。


「大丈夫、こんなの巨人の攻撃に! 比べたら!」

 軽やかな足取りで、落石を回避して見せたアレックス。

 そのまま彼は、早足にゴンゴンに接近した。

 

「な! アレックス君、逃げたんじゃなかったのか!?」

「迎えに来ました。さ、早くここから」

「どこから、逃げるというんだ……」

「どこからって、それは……」




 アレックスが振り返った先には、巨大な岩が存在していた。 

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