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怠惰の神候補   作者: タイト
番外編 ドワーフの里、その後
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超優秀な補佐天使バール

作品内用語解説 ~熱包丁~


ディアークが所有する、大剣の名称。

所有者の炎属性の魔力を糧に、その破壊力と大きさを

無限に変化させることができる。

「喰らえ! 【ルシファー・キャノン】!!」

「ぶった切れ! 熱包丁!!」

 シリウスの魔弾とディアークの大剣が、山のように巨大な土偶の戦士を吹き飛ばした。


「ようシリウスの大将、あんたなかなかやるじゃねえか」

「お前も予想以上だ、ゴブリン名乗るのやめたほうがいいんじゃないか」

「よせやい、オイラは自分の生まれを誇りに思ってんだ」

「はっ、だろうな」

 などと軽口をたたきながら、両者は強大な相手に一歩も引かなかった。


 彼らの活躍を支えているのは、ディアーク達が集めてきた情報の数々、そしてなにより後方で支援している仲間の存在が大きい。

 特にポラリスとニダリー、戦場で最も小柄な彼女達の扱う支援魔法の数々がシリウスとディアークに天下無双の力を与えているのだ。

 


 だが、つぶしてもつぶしても敵の数は一向に減らなかった。損害に応じて、敵は新たに姿を現すからだ。

 しかも目の前に現れるそれらは全て、前回戦った赤竜よりも強く頑丈だった。


「こんな奴らに、どうやって勝つでござるか!?」

「問題ない」

 防御を担当していた忍者の言葉を一蹴りにして、シリウスは戦闘を続行した。


「確かにこいつらは強大だ。だがこいつらには戦略も戦術もない、ただただ力任せにぶつかってくるだけだ」

 巨人を相手取りながら、シリウスは最後にこう付け加えた。


「赤竜達は本当に強かった、こいつらなど足元にも及ばぬほどに」

 


 ――ヒンッッ

 言い終わると同時に、シリウスは敵を切り刻み終えたヴァイスとシュヴァルツの埃を払った。


 巨人は跡形もなく崩れ去った。

 


「そろそろ、吾輩の出番ですかな?」

「バール!?」

「奴らは夜明けとともに消え去る、だがそれまで先は長い」

「ゴンゴン! 体調はもういいのか?」

「本調子ではないが……いつまでも休んでいるわけにもいかないからな」

 ロゼッタとともに視界の確保を行っていたバールそして、

 作戦開始からしばらくして、急なめまいに襲われていたゴンゴンがやってきた。


 ディアークの情報によれば、巨人は夜更けとともに突然姿を現し、夜明けとともに忽然と姿を消してしまうらしい。

 だが夜明けはまだ遠く、途中アクシデントが起こらないとも限らない。なので体力温存のために、前衛後衛を入れ替えながら戦う作戦を事前に立てていた。


 もっとも、アレックスがうまくやれば全員逃げ切れる予定ではあるが。



「予定より早すぎる! 俺より先にお前達がばてるぞ!」

「いえ、今が最善でしょう、あちらをご覧ください」

 バールの視線の先にはアレックスの姿があった、周りには村の男性陣の姿も見える。

 それはつまり、この場から一般人が消え戦いに集中できる事を意味した。


「大将ゥ! 奴らまた来るぞ、早く陣形に!」

 ディアークが叫んだ。

「ディアーク様! お下がりくだされ、吾輩が今から戦いますゆえ!」

「じいさん! 本当に大丈夫か!!」

 ディアークは、バールの身を案じた。


「平気でございます! 吾輩は優秀ですので!!」


 

 ――シュイィィィィン、キャンッ! キャンッ!

 バールの叫びにこたえるように、空に魔法陣が描かれ始めた。


 夜の黒を塗りつぶすように白い光によって描かれるそれは、見る見るうちに巨大な規模に成長し気が付けばその直径は、巨人達と匹敵するサイズになっていた。

 そして、それと同じものが他に2つ、計3つの巨大魔法陣が現れた。


「ななななな、何でござるかこれはぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うわぁ~、おおきいねぇ~」

「まさか召喚魔法!? こんな規模……ありえない……」

「すごいのだ、すごいのだぁ~」

 仲間達は、戦闘中であることを忘れ魔法陣に見入っていた。


 動きを止めたのは、巨人達も同じだった。

 けして魔法陣に見とれたわけではない、新たな標的の力量を計ろうとしているのだ。計測の結果、彼らの出した答えは、集団による総攻撃だった。


 巨人の突撃のさなか、魔法陣が起動し巨大な召喚獣がその全貌を顕わに――


 ――ドゴッ! メキャ! バキ!

 顕わに――なる前に集団にタコ殴りにされる召喚獣……。


「そこまでです……、反撃せよ暗黒蟲グレートTUEE、TUEEEバエ!」

『『『TU、TUTUTU――TUEEEEEEEEE!!!』』』


「どういう鳴き声だよおい!」

 シリウスによる激しいツッコミみ。


 バールによって召喚された、やけに筋肉質で頭がハエの、特撮に出てくる怪人のような召喚獣は、まとわりつく土偶巨人にラリアットをぶちかまし! 跡形もなく粉々に粉砕した!!


 彼らの活躍はそこで終わらない!

 新たに展開された土偶巨人達に、ひらりと舞うように接近すると、その剛腕を! 叩きつけて! 粉微塵にして見せた!!


 ハエのように羽ばたき、ゴリラのようにぶち殺す! 

 強い! 絶対に強い!


「……バールよ、お前は何者なんだ?」

「はて? 吾輩はプレアデス様の補佐役の「とぼけるな! 転移や召喚魔法は伊達や酔狂でこなせるもんじゃない! おまけにあの規模だ、答えろ、あんたの正体を!」」


「……ばれてしまいましたか、実は吾輩、皆様に虚偽の申告をしておりました――――吾輩は天界から派遣された優秀な補佐役……ではなく」

 一同に緊張が走る。


「吾輩は天界から派遣された、超優秀(・・・) な補佐役だったのです!!」

 バールの正体は、なんと超優秀な補佐役だった。


「あーそういうことね完全に理解した」

 ※完全に理解している

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