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怠惰の神候補   作者: タイト
新大陸編(後編)
59/74

第59話 黒竜は体は強いけど、火を吐くのは赤竜のほうが得意だぞ 

今回は短めだったので、次回は早めに投稿の予定です。

「ちくしょう、なんなんだよあいつら! 団長を殺されて悔しくねえのかよ!」

 イオルムガルド王都のはるか上空に、若き黒竜の叫びがこだました。


「逆にお前は平気なのか、1人で飛び出してきて? えっと、ホルン?」

「ノルンだ! 間違えんな、人間!」

 そして、はるか上空を行くノルンの背には、プレアデスの姿があった。


 先刻、王都からの砲撃を退ける事に成功したプレアデスは、王都に殴り込み……もとい話し合いの場を設ける為に再び動き出した。

 その際にプレアデスに同行する事を申しでたのが、この若い竜ノルンだった。

 どうやら彼は、プレアデスの実力を目の当たりにし、その力を利用して団長殺しの復讐を果たそうと考えたようだ。


 当然、他の黒竜達も同じように力を合わせる……事はなかった。

 ノルンを除く他の竜達は、

『人間と組むぐらいなら死んだほうがまし』

 その意見を一切曲げる事はなかった。


 プレアデスの想像以上に、竜と人の溝は深いらしい。



「本当はオレだって人間と組むなんてごめんだ、ヘドが出るぜ! けどさぁ、団長の敵を討てないのはもっとごめんだ!! 

お前と組んだら絶対に勝てる、お前を利用して王牙(オウガ)団長の敵を討ち終わったら、最後はお前を八つ裂きにしてやるから覚悟しとけよ!!!」

「………………はい」

 ノルンの発言に対して、いろいろ言いたくなったプレアデスだったが、逆に面倒な事になるだろうと思い言葉をひっこめた。



 敵陣の上空にもかかわらず、結構のんきした様子の2人。


 あれほど苛烈な攻撃を加えてきていた王都側が、

 なぜ今は攻撃を仕掛けてこないのか?

 それどころか、竜族の接近を認知していながら、

 なぜ今だに王都住人達は避難の1つも開始していなかったのか?


 2人まだ、その不可解な状況に気づいてはいない。

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