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怠惰の神候補   作者: タイト
犯罪組織撃滅編
35/74

第35話 第3部完

次回から新章突入です。

「はっはっは、主よ、また会おうぞ」

「おう、二度と帰ってくるなよー」

 ゴンザレス達は、施設にいた他のレプリカ達と共に王都に連れていかれた。


 アジトの壊滅から1日、その間に行われた騎士団の調査と取り調べにより、ビーストについてほんの少しだが分かった。部外者である俺達は本来その情報を知る事は出来ないのだが、シリウスの鶴の一声により俺達にも情報が回ってきた。


 当初はルノワの親権を手に入れるために始めた戦いだったが、この寄り道のおかげで俺の本来の目的に関しても大きく進展した。


 奴らが使用しルノワの餌になった天力吸収装置、俺もシリウスも俺の父ルークでさえも、こんな物の存在は知らなかった。これを利用すれば、天界人から天力を抜き取る事が可能になる。俺の推測の信憑性が増してくるわけだ。


 俺はシリウス達とも話し合い、教会関係者の探索を一時中断、ビーストの本部を見つける事を優先させる事にした。

 マーテルを陥れた犯人がその先にいるかもしれないし、なによりテニシラさんの安否が心配だ。アジトの所長(悪徳商人)を尋問したところ、テニシラさんが奴らに捕らえられている事が確定した。早く助け出さないと、大変な事になるかもしれない――エロ同人みたいに!



「行き先は海の向こう東大陸、ドワーフの里そこで聞き込みを行う、いいな」

「悪いなハルト、俺達まで乗せてもらって」

「構わないさ、敵は大きな組織だ、戦力は多い方がいい」


 ヘブンズゲートとも相談して、次の行き先は東大陸に決定した。

 理由の1つは、例の装置に使われていた技術がかなり高度なものであったため、恐らくドワーフ族、もしくはそれに匹敵するような技術力を持った者達が製作に携わっていると判断したためだ。


 もう1つは、新たな装備を作ってもらおうと考えてだ。

 ロロエルが拾ってきた、アジトの動力源にされていた石板を調べたところ、なんと全てオリハルコンで出来ていたのだ。


 バールの言葉を鵜呑みにするならば、その石板はかつて聖剣エクスカリバーを封印する台座として利用されていたというのだ。自身の強度と聖剣の加護によって、完全無欠の封印として長年活躍していたそれは、聖剣が抜かれ封印の役目を終えた現在でも大いなる力を秘めている……らしい。


 聖剣の魔力を帯びたオリハルコン、これは何としてでも強力な武器として生まれ変わらせてやりたい。



「んじゃあな、おれはおれで自由にやっていくから」

「ロロエル、あんまり無茶してたら、また撃たれるるぞ」

「大丈夫大丈夫、おれは同じへまは2度とやらねえよ」

 それはもう悪事はしないってことなのか、それとも今度はバレないようにうまくするってことなのか、とにかく俺達ともう敵対しないでくれる事を願うばかりだ。


 そして――――俺は孤児院の方を見た。

 あの孤児院は庭に大穴があいたせいで、他の土地に再設置する事になった。昨日まで、悪徳商人が所有していた空き地にだ。


 その屋敷の1室でクレアは現在、深い眠りについている。

 自分が他人のコピーでしかなかった、それを自覚してしまったことで、彼は心に深いダメージを追ってしまったようだ。


 彼はレプリカシリウスの中で、唯一自我に目覚めた個体らしい。他の個体と同じようにシリウス=クレアハルトの記憶を刷り込まれ、まったく同じ素材で肉体を形成したというのに彼以外は生物として目覚めなかったらしい。きっとゴンザレス達より、複雑に出来ているのだろう。


 意識さえ残っていれば俺の能力で何とかしてやれるが、昏睡状態じゃあ俺達では何もしてやることが出来ない。どこかで色欲担当に出会えれば、彼の夢に入り込んで目覚めさせることが出来るだろう、この先で出会えることを祈ろう。



「あの山を越えればその向こうは海だ、身を乗り出しすぎて落ちるなよ」

「わんわん」

「俺は海より、超弩級戦艦や空母が見たいぞー」

「そんな物この世界にはない、エンジンだって開発途中なんだぞ」

 くっそー、何で前世の俺はもっと勉強しなかったんだ! 日本の造船技術をこの世界に持ち込めば、原寸大大和や武蔵に出会えたかもしれないのにぃぃ!



 ――俺は改めて誓った、強くなると。肉体も頭脳も限界以上に鍛え上げて、2度と後悔しなくて済むようにと。


「待ってろよ新大陸、そしてドワーフ達よ、お前達の技も知恵も全て俺が学びつくしてやるからな! 首を洗って待ってやがれよ!」

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