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怠惰の神候補   作者: タイト
犯罪組織撃滅編
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第28話 クレアとハルト

「へへへ、見てくれこの痣、シリウスさんに付けてもらったぜ」

「おいらだって、こんなでかいのもらったぜ」

「甘いなぁ君達、ぼくは鼻の形を変えてもらったぞ」


 旅芸人達は全員シリウスの大ファンだったようで、ボコボコにされた事を怒るどころか逆に喜んでくれたようだ。それにしても、ちょっと周りを観察すればどういった状況か分かっただろうに、人助けをするならもっと冷静でいないと。



「プレア君、こっちむいて~」

「次、私がプレア君と遊ぶの~」

「止めなさい2人とも、そんなにひっぱたら可哀そうでしょ!」


 おいやめろ、頬ばっかりぷにぷにするな! なんでみんなそこばっかり触るんだよ!

 俺は孤児院のちびっ子達のおもちゃにされながら、シリウスの先ほどの行動について、いろいろと考えていた。



「おいお前達、この家のご主人と奥さんから許可をもらってきた。俺とバールとロロエルで2階を、残りで1階の調査を頼んだぞ。特にそこの怠惰、自分だけサボるんじゃないぞ」

『分かってるよ、じゃあみんな――』


「プレア君、喋ったー!」

「変な声~」

『やめろ! のしかかってくるな!』

「「「また喋ったー!」」」

 子供達におもちゃにされている間に、シリウスは隠し部屋がないか探しに行った。俺の方も、ゴンゴンさんに手伝ってもらい、1階の捜索を始めた。


 でもまあ、ほとんど目星はついてるんだけどな。



『多分アジトはこの家の地下だ、転移魔法を利用してのみ行き来できる閉鎖空間になってるんだと思う』

「何故そう思うんだい、まだほとんど調べてないのに」

『この家には、抜け道になりそうな空間がありません。そして、さっきのシリウスの転移失敗、おそらくあれはこの家に結界が張られていて、そのせいで転移先がずれたんでしょう』

 俺の推理を、ロドリエスは一部否定した。


「貴方の言う結界の気配を、わたくしは感じません。それにシリウス様は優秀な方です、結界ごときで転移を失敗するなど考えられませぬ」

『気配を感じないのは、まるでだまし絵のように空間のつなぎ目を隠しているからです。ここに来た時バールが言っていたでしょう、天力の乱れを感じると』

「ところでシンク君、君は今何をしているんだい?」


『この家を俺の、【テリトリー】にしようとしています』

「何故そんな事を!」

『話は作業しながらにしましょう。ゴンゴンさん、そこの置物持ち上げてもらえますか?』


 その後も俺達は、今後の仕込みと調査を続けた。最初睨んだ通り、隠し部屋どころかそれを作る隙間さえなく、天井裏や床下にも怪しげな部分は無かった。

 もちろん、室内の設備で犯罪に使われそうなものもない。



「さてロロエル……こんな嘘をついて、覚悟は出来てるんだろうな!」

「ままま待て! 情報そのものに嘘は無いんだ本当。あ、きっと空だ、ほらあの雲の中に隠してあるんだよ」


「そこはすでに、アルドラが調べた。断言しよう、ここはただの平和な孤児院だ! なんて奴だ、自分の身可愛さに人様に多大な迷惑を……お前は彼らの、このボロボロな顔を見て何も思わないのか!!」

『いやそれ、あんたがやったやつじゃん!』

 やっばいなぁ、完全に視野が狭くなってるよ。


「死ね! 悪党!!」

「いいやぁぁぁ! まだやりたいこといっぱいあるのにぃぃぃぃぃぃ!!」

『ロドリエスさん、彼を止めないんですか?』

「そろそろ止めたほうがよいでしょうね。いやはや、よくあるのですよ、シリウス様の暴走はね」

 


 彼がシリウスを止めようと前に出ようとしたその時、目にもとまらぬ速さで何者かが2人の間に割り込んできた。

 その男は、綺麗な黒い髪と黒い瞳をした若い男……シリウスと同じ姿形をした男だった。


「ロドリエス、こいつは何者だ?」

「な!? シリウス様が2人」

「俺はシリウス=クレアハルト、ヘブンズゲートのリーダーだ!」


 これは……これから俺はどうすればいいんだ、そうだ!

 最初にいたほうをクレア、後から来た方をハルトと呼ぼう。

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