第26話 傲慢な仕切りたがり
『――――というわけなんです』
「……シンク君……壮絶だな――」
俺の転生についての説明に、若干戸惑いながらもゴンゴンさんは理解してくれた様子だった。さてと、今度はヘブンズゲートの2人とロロエル達とも情報共有しないとな。これから一緒に危険に飛び込む仲だ、お互いの手の内は知っておきたい。
『というわけで俺はプレアデス、プレアデス=エルマーズだ。細かい話は、さっきゴンゴンさんにした通りだ』
「オレがその、ゴンゴン・ガンナックルだ。特技は怪力と工作、魔物用の罠が必要なら頼ってほしい」
「不要だな、魔物など素手で十分だ!」
シリウスは、腕っぷしに自信がある様子だった。
「俺はシリウス、シリウス=クレアハルト、傲慢担当の神候補だ。このグリフォンは俺の補佐役のアルドラ、自分を犬だと思っている」
「わんわん」
「わたくしはシリウス様の執事、ロドリエスにございます」
ヘブンズゲートのメンバーは他に後2人、ポラリスとミルザムというメンバーがいるらしいが、その2人は現在別件を調査中らしく、この戦いが終わったら合流する予定らしい。
「あとはおれだな、ロロエルだよろしく」
「他には?」
「天界勤めの天使、手先が器用すぎて強欲の神候補に選ばれちまった。元天使だから、補佐役の天使は来ないってさ」
窃盗がばれて、天界から追い出されたんじゃないか、それ。
『補佐といえば、バールの紹介がまだじゃないか?』
「お、そうでしたな。吾輩はバール、プレアデス様の補佐役にございます」
よし、これで紹介は済んだかな?
「ん~~ん~~」
『ルノワの紹介は、俺の時にやっただ――』
ルノワは、地べたでミミズの様な物を食っていた。
あれは鶏肉みたいな味がして、冒険者の間で有名な生き物だからいいが、毒のある生き物とかまで口にするようなら気を付けてやらないとな、特にフグとか。
「おいしぃ、はい」
『いや、いらないから、いらないって! 今腹減って無いから! やめろ、お前の食いかけのミミズを俺に押し付けるな!!』
「ぷぅー、もうあげにゃい」
さすがに加熱もしてない、砂にまみれたあれを口に入れたくはない。
「ほほう、良い食欲ですな。先ほどもシリウス様のオーラを食しておられましたし、これは将来、暴食の女神の座につけるかもしれませんな」
「……ところでみなさん、みなさんは神を目指しているそうですが、なぜ強欲や暴食といった悪魔みたいな呼び名がついているのですか?」
「そんな話は今はいいだろう、今はアジトを目指す事が最優先だ」
ゴンゴンさんの質問は、シリウスによってさえぎられてしまった。
名前の理由については、俺が後で説明しておこうと思う。
「互いの紹介は、このくらいでいいだろう。そろそろ敵陣地での作戦会議に入らないか、というわけでロロエル……敵組織の名前は? これだけ正確な地図を用意できて、まさか知りませんとは言わないよな」
「まだおれの事疑ってんのか。おれは嘘はつくが今回の話は本当だよ、事前調査もばっち「名前は?」……ビースト、犯罪結社ビーストそれが奴らの名前さ」
「ビースト? そんな組織聞いたことも無いな」
「そんなん当り前だろ! 犯罪やってる人間が、自分から僕は犯罪者ですってばらす分けねえだろう! 世間に名前が知られてないぐらいヤバい奴らなんだよ、そいつらは!」
「……確かにそうだ、そんな情報をつかんでくるとはお手柄だな」
……このシリウスという男、本当に大丈夫なんだろうか?
一抹の不安を残したまま、俺達はアルドラの背に跨り目的地へとたどり着いた。その場所とは、例の悪徳商人が買収しようとしていた孤児院と同じ場所だった。
『ロロエルさんや、ただの平和な孤児院に見えますが?』




