第10話 ※お手元のカードでは神にはなれません
「よし、話がまとまったぞ!」
「すやぁ~」
「……説明は、明日にしようか」
ジースの襲撃から半日が経過した昼下がり、俺とルークは中庭のベンチに寝そべっていた。庭の中央には噴水があり、ライオンの像が水を吹き出し続けていた。
「おっと、君に話があるんだった、そういえば」
『忘れてたのかよ! 危うくまた眠るところだったわ!』
「ごめんごめん、君がどこまで知ってるか僕には分らないから、適当に質問しながら聞いてもらえると助かる」
ルークは、体を起こして話を始めた。
「じゃあまずは、僕の正体を明かそう。僕の真の名はルシフェル、かつては最高神と肩を並べるほどの上位の神だった」
『…………ふぇ?』
おいおいおいおい、この人いきなり何を言い出すんだ。自分がルシフェルだって、かつては最高神だったって、何でそんな偉い人がそもそもこんな所にいるんだよ。
「僕が何故ここにいるのか? そんな顔をしているね。理由は至って単純、僕が担当していた世界が滅んだから、その罪を償うために今まで人として過ごしてきたんだ」
『ルーク=エルマーズとして過ごすのが罪? そんなに厳しそうじゃないな』
俺が顔を上げると、ルークは宇宙の端でも見てるんじゃないかと思うほど、視線の先に意識を集中させていた。
「10万年……」
『え?』
「僕は罪滅ぼしの為に何度も何度も輪廻転生をさせられ、何千もの人生を歩まされてきたんだ、成仏する事も許されずにね」
う~ん、それが罰になるのか否か想像がつかないな、簡単に言ってしまえば強くてニューゲームを無限に繰り返せるわけだろう。
「楽しい人生もあったし、それと同じぐらい辛い人生もあった……そうだ、君は母親のお腹の中にいながらナイフでめった刺しにされたらどんな感覚か、知りいかい?」
俺は全力で、不自由な首を振り回した。了解、いい事ばかりでもないわけね。
「そんな紆余曲折をへてね、また神の座についてくれないかと誘いがあったんだ。僕はこのチャンスを確実なものにしたい、だから協力者を集めていたんだ」
『そもそも、どうやったら神になれるんだ?』
俺が人間界に転生したのは、怠惰の神を目指す修行の為だったはずだ。なのに俺には一切の情報が無く、今日まで魔法の訓練ぐらいしかできてない。赤ん坊の体で焦り過ぎって言われるかもしれないが、前世で散々怠けてたんだから今からでも頑張らないとな。
「一言でいうと、ポイントをたくさん集めればいいんだ」
『ポイント?』
「お~いサバ―ナ、僕のカードを持ってきておくれ」
『カード!?』
サバ―ナが、何かを口にくわえて持ってきた。
それは、青色にTの文字が刻まれたカードだった。
「これが神にいたるための必須アイテム、徳ポイントカードだ!!」
あれのポイントで神になれるのか……DVD借りまくろう。




