表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怠惰の神候補   作者: タイト
エルマーズ領編
1/74

第1話 暇すぎて死にかける怠惰の神

 今作からは、主人公無双ものになる予定です。

 ――前回までのあらすじ――


 高校生だったシンクは、怠惰の悪魔に憑依され自堕落な日々を送っていた。

 あるとき祖父に食事に誘われ、フグを口にしたところ――死んだ。


 悪魔とシンクを引きはがさなければ、シンクの魂が消滅してしまう。そう判断した神々は、シンクの魂を、悪魔に負けぬよう成長させるため、異世界での魔王討伐の使命を与え転生させた。


 シンクは冒険の中で確実に成長を重ね、ついには悪魔の力を凌駕、吸収し、仲間の危機を救うため命を落とした。

 彼は今、怠惰担当の神を目指す修行の為、再び地上に舞い戻る――――。


 


 これがゲームや漫画の世界なら、こんな感じで前回のあらすじが入るんだろうな~、なんて、俺は真っ暗闇の中で暢気に考えてた。

 最初は転生に失敗したんじゃないかとか考えもしたけど、そんなネガティブな考えはひとまず置いておく事にした。天界から落ちる最中に、俺が生まれるであろう世界の様子がちらっと見えたからだ。地球のように青い惑星にぐんぐん近づき、大陸、そして豊かな街並みが見えた。

 その中で一際大きな屋敷の寝室で愛し合う男女の姿を認識したところで、俺の視界は真っ暗になった。


 以上の事から、俺の肉体は絶賛細胞分裂中で、目鼻もない状態だから真っ暗なのだとそう仮定した(神様どうか転生失敗じゃありませんように)。



 それからしばらくして、無事感覚のない世界から抜け出せた。手も足も動くし、へその緒だってちゃんとある。感覚もはっきりしてきて、外の様子が少しずつ分かるようになってきた。



 非常事態発生! ……人生に飽きてきた。

 毎日水の中にぷかぷか浮いて周りの音を聞くか、狭い活動範囲を動き回るだけの毎日。俺、怠惰担当の神のはずだよね、何で退屈で死にかけてるの、ねえ。……そういえば女神のマーテルが、神の力の行使には天力なるエネルギーが必要だと言っていた、それが扱えればこの退屈からおさらばできるかもしれない。



 ――セット! 【インパクト】

 構えた右手から、ボスンと衝撃が伝わってきた。

 へへ、結局天力の扱いは分からなかったけど、かわりに魔力の存在を確認できた。体が未発達で魔力の貯蔵量が少ないせいで、そんな大げさな事は出来なかったけど、それでも前世と同じように魔法が使えた。

 よっしゃー、暇つぶしゲットだぜ! ここにいる間に前世以上に魔力を磨いて、華麗なスタートダッシュを決めてやるんだ!


 と、思ってた時期もありましたが、もう間もなく俺はここを旅立つようです。

 人生ってうまくいかないなー、と思いました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ