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成り行き任せの異世界転生  作者: 狭焼飛露&龍弥&かつらぎネコ
とりあえず
7/10

とりあえず仕切り直し

第7話目まで読み進めてくれてありがとうございます。

しかし遺憾ながら色々詰め込みすぎてバランスが非常に悪いです。

読みにくいとかあると思いますごめんなさいです。

寝ている時、不思議と変わった夢を見ていた。

そこは何も無い空間で真っ暗なはずなのに間取りがわかるような、そんな不思議な場所の夢だった。


呆然と立ち尽くしている俺の目の前には1人、いや一つのなにかが佇んでいた。


「我ヲ振るエ、敵ヲ定めヨ、切リ裂キ潰セ、躊躇いナドナク、我ガ力はソの為ダケニ」


その物体はそんな言葉を言った。

口なんかないから喋っているという表現があっているのかは分からないがとにかくそんなことを言った。


「お前は、何なんだ? なぜ俺にそんなことを…」


問いただすも答えは返ってこない。

しかしこの後の結末は突然だった。

その物体は突然動き出し、腕を生やし、俺の首を締め上げる。


「アグッッッ!?」


容赦なく、気を抜いたら一瞬で持っていかれる膂力で…


そして抵抗を諦め死を受け入れる瞬間に夢は覚める。

それが意識を手放すと繰り返しみるようになった夢だった。



意識は再び体に戻り状況を確認した。

自分は宮嶋零、大丈夫、覚えてるってことは死んでない。

この悪夢を見るたびに起きた時に自分の存在を確認する。

そうしなければいつかなにも分からないうちに自分は死んでいるのではないかと思ってしまうから。


しかし今回は夢が終わっても首の締め付けが続いていた。

こんなことは初めてなので不思議と思いながら体を起こしながら目を開ける。


「zzz…おにぃちゃぁん」


そんな甘ったるい声の主が俺の横で眠っていた。


『俺の首を締めながら』


「おい! 起きろモア! お前人の首絞めないと寝られない病気か? お前と一緒に寝るやつは全員違わず三途の川か!?」


「う~ん、もう食べられないよ~」


モアは寝言を言っていた。

それもどこぞのネコ型ロボットの同型機ガンマンのセリフを…


「モア? 実は起きてるだろ…」

「そろそろ飯時かなぁ~」


・・・・・・・

スッ…バチン!…


「痛い! 何するの、お兄ちゃん!!」


「いやごめん、つい俺の中指がお前の綺麗なおでこにぶつかりたいって疼き出してな、我慢するのもなんだし遠慮なくやらせてもらった」

「そんなぁ、綺麗だなんて、お兄ちゃんお上手!!」


デコピンよりさきに褒められたところに反応するんかい…。


そんな会話をしていた相手が、あらゆる知識を持っているとされる叡智の書、「モア」だ。

どこでとち狂ったか妹設定なんぞしてしまったせいでお兄ちゃんなどと言いながら言い寄ってくる。


別にお兄ちゃんと呼ばれて嬉しいなんてことは無い…俺にロリ趣味は無いはずだ……多分…。


「はぁ、まぁいいや、俺はちょっと外行ってくるからまだ寝てていいぞ、モア」


「ん~今日はね、グリアの所に行ってくる。 お仲間同士話したいこともあるし」


グリアというのは俺と同じ転生者、花崎(はなさき) 遥香(はるか) という少女に付いてきた叡智の書、つまり、俺とモアの関係と完璧に同じ存在で、2人とも転生者の特典として付いてきた万能辞書みたいなものだった。


「そうかい、じゃあ行ってくる」


そうしてレイはモアの気の抜けた行ってらっしゃ~いという声を背に外に出た。


廊下を歩いているとこちらに向かってくる人がいた。

その人物は俺がいま仮住まいしているこの家の当主の娘で、転生したての俺の面倒を見てくれている恩人ニーナ・ルーシェだった。

オレンジの髪を肩くらいまで伸ばした明るい髪に整った顔立ちで、前の世界の女優も裸足で逃げ出すレベルの美少女 (俺調べ)である。


「あ、レイ、おはようございます。 良い朝ですね」


ニーナはニコッと笑いながら社交辞令じみた挨拶をしてくる。


「あぁ、おはよう、天気は見てないからわかんないけどね」


「もう、そこは そうですねって返しておけばいいんですよ。 社交辞令くらい出来ないとお先真っ暗ですよ? 」


「真っ暗は嫌だけど堅苦しいのもな」


そんな他愛のない話を続けていたがなにか思い出したようにニーナは話を振ってくる。


「そう言えばレイ、模擬戦の時の怪我は大丈夫なんですか? 普通の人でも、もしかしたら死んでしまうレベルの攻撃だったのですが…」


模擬戦でそんな技打つなよと言いたい…

しかし実際死んで特典消費したことからかなりの攻撃力があったらしい。


「あ~まぁ、今元気だから大丈夫だろ。 そうだニーナこれからまた模擬戦してくれないか? 」


「模擬戦ですか? 別に構いませんが…」


了承してくれたがニーナの顔は渋い、怪我のこととかいろいろ考えているんだろうか。


「結局あの時、原石(アフィリエイト)の刀の威力試せなかったろ? やっぱりそれが気になってさ」


それだけ言うとニーナは納得したような顔をした。


「確かにそうですね、では早速…」


そうして2人は廊下を歩き外に出ようとした。


「…待ちなさい」


突然廊下の曲がり角から声が聞こえた。

その声の主はコツコツと音をたててその姿を見せた。


「こんな朝早くに何処に行くつもり?」


その人物はこの家のメイドであり俺と同じ転生者である花崎遥香(はなさきはるか)だった。

見た目は立っているだけだがその目付きは敵意を隠していない。


「もう一度聞く、何処に行くつもり?」


俺達が沈黙していると遥香はもう一度同じ質問を繰り返す。


「別に、ちょっと外にでて模擬戦やろうってだけだよ」


俺は嘘は言わずに正直に話すことにした。

彼女から滲み出る殺気から下手はできないと考えたからだ。


「大丈夫ですよ遥香さん 大事になるまでの戦闘はしませんから」


すかさずニーナも支援口撃してくれた。

流石に主人やその娘には逆らえまいと俺は思っていた。


「……不許可です。 認められません」

しかし遥香は逆らった。


「何故なのですか?」


「レイは長連中から疑われています。 貴方が監視につくということは私もその任を担っているということです。 命の危険など関係なくそんな長たちの耳に入りやすい場所での軽率な模擬戦など認めません」


そんな発言をした。

言葉だけを聞いていると俺が長達に目をつけられるの防いでくれているようだ。


「だったら人気のあまり無いあの小屋近くなどでもダメなのですか? 」


「それこそレイがニーナ様を人目のつかない所に連れていったという確固たる証拠ができます。 それはニーナ様も望むことではないでしょう? 」


ここで模擬戦をしてもニーナに危害を加えるつもりだったとされ、場所を移しても拉致その他の疑いがかけられてしまう。

肩身の狭さで窒息しそうだ。


なんにせよ遥香の行動はニーナを慮っての行動だとわかった。

無表情な顔に似合わず主人想いなメイドらしい。

ニーナも渋々下がる。


「ごめんなさい、模擬戦はまたの機会にしてもらっていいですか? 」


ニーナが俺にそう頭を下げてきたが、俺が何かをいう前に遥香が口を開ける。


「私がレイと戦えばいい」


「は? 」

「へ?」


ニーナも俺もそのいきなりの提案に唖然とする。


「ニーナ様は立場上ダメでも私なら長達も何も言ってはこないはず」


遥香は先程より明確に俺への視線を強くして話しかけてくる。


「まぁ、俺はそれでも構わないが」


刀の性能実験さえ出来れば問題ない俺はその提案に乗った。


「では、外に行きましょう。 ニーナ様、また後ほど」

「は、はい…」


そうして俺と遥香は呆然と立ち尽くすニーナを置いて外に出た。

屋敷の前の庭まで歩いてから俺は遥香に話しかけた。


「それで? ニーナを置いてきたのは長たちに睨まれないためなのか? 別に連れてくるくらいいいと思うんだが…」


「あんな理由、建前に決まってる」


遥香は淡々と先程の自分の発言を覆す。


「貴方の原石(アフィリエイト)は危険、だからここで壊させてもらう」


途端に遥香の殺気が一層濃くなった。


「ッ!?」

俺もすかさず刀を抜く。


「貴方もその原石(アフィリエイト)を手にしてから1夜明かしたはず。 その中に眠る何かは危険過ぎる。 だから破壊する、抵抗しないほうがいい。 迂闊に動くと大怪我じゃすまないから…」


そう言いながら遥香は自分の腰に下げてある原石(アフィリエイト)の銃を抜く。


「その理論でいうならお前の原石(アフィリエイト)だって危険なんじゃないのか? 」


「確かに危険。 だけど、まだ力の使い方も分からない貴方が持っていることの方が何倍も危険。 ニーナ様の障害は、私が潰す…」


遥香はそう言い放つと銃を構えた。

そうして転生者同士の戦いは始まった。


戦いが始まったがレイはすごく緊張した面持ちで刀を構えている。

相手の持っているのは元の世界でいう「銃」なわけで、火力もリーチも圧倒的にあちらが有利、何とかして打開策を練らないと早々にやられてしまうだろう。


目の前で構えている遥香を注視し続けていると自然と周りの気温が下がっているように感じた。

いや、突然下がったわけだから自然なんて言葉はおかしかった。

この気温の低下には明らかな発生源があった。

それは遥香の持つ銃だった。

先程まで黒く光沢を放っていた金属質の塊は雪が降ったあとの地面のように白く、霜が付着しているように見えた。


「手加減なんてしない、すぐに終わらせる。」

そういった遥香は銃の引き金に指をかける。


『レバリーア・ガリアス、氷よ、我が手に』


従来通り金属の弾が出るかと思ったがそうでは無かった。

引き金が絞られたとき、銃の周りに渦のようなものが現れた。

その渦は徐々に形を作り氷石へと姿を変えた。

そして頭一個分くらいの大きさになった氷石は凄まじい速さでレイに向かってきた。


シュンッッッ!

「ぬあッ!?」


遥香の弾が俺の持つ刀を標的にしてくれていたお陰で三つの氷石は右手高くに飛んできたので急いで左側へ回避した。


ドスッ!ドスッ!ドスッ!


すぐに体制を立て直し着弾点を見てみると、三つの大きな穴が地面を抉っていた。


「おい、抵抗してなくてもその攻撃じゃ死んじまうだろ! 」


「…腕や足一つ取れても死にはしない」


それだけ言うと遥香は銃を構え直す。

…やばい、完全に殺る気だ。

そう認識したレイは遥香へと走っていた。


「遠距離武器なら近づかれたら何も出来ないよな!」


すぐに遥香へと接近し腰近くに構えていた刀で切り上げた。

当たれば確実に体が真っ二つになるだろう一撃。


「当たればの話…」


遥香は切られる前にレイの刀を持つ右手とは逆の、左手側に即座に踏み込んでいた。

そしてレイの脇腹に抉るようにボディブローを決め、さらにその場でくるりと体を周し後ろ蹴りをレイに叩き込んだ。


「グッ!?」


レイは何も出来ず吹っ飛ばされ庭に転がった。


「クソっ! 体術も出来んのかよ」


あまりの速さに悪態をつく。


「素人のあなたの攻撃なんてコレ無しでだって対応できる」


遥香は余裕を見せるようにクルクルとガンスピンさせながら腰のホルスターに銃をしまった。


「貴方にその力は不釣り合い、悪く思わないで」


遥香がレイに近づく。

レイもすぐに立ち上がり刀を構える。

遥香が拳を握りレイに近寄り、それに合わせてレイも剣を振る。 しかしレイの攻撃は全て躱され、捌かれ、時には剣に拳を当てて受け流された。

その(たび)に遥香の拳は一つずつレイの顔や腹にダメージを与えていく。

そして遂にダメージの限界がきたレイは地に倒れてしまった。


「クソッ、まだ俺は」


「この世界での1年のアドバンテージは伊達じゃない。 …貴方がその剣に触りさえしなければ… いや、きっとそれが運命だった。 こうして貴方が地に伏していることも」


そうして再び銃を抜いた遥香は俺の持っている刀にその銃身を向ける。


「これで終わり」


遥香は静かに引き金を絞る。

シュンッッッガキィィィンッッッ!!!

しかしレイの持っている刀がその放たれた氷石を切り裂き遥香に肉薄する。


「ッ!?」

遥香は迫る刀身を危なげに回避し大きく後ろに下がる。


改めてレイを見ると既に立ち上がっていた。

しかしこちらを見ようとせず俯いて棒立ちしていた。


「・・・・・」


剣を右手に掴んみ俯いているレイに不信感を持っても下手に手が出せない遥香だった。

しかしその時、レイを中心に紅い嵐が吹き荒れた。





ーーーーーーーーーー






「これで終わり」


うつ伏せで声しか聞き取れないレイだったが確実に遥香が止めを刺しにきている事がわかった。

クソっ、こんなことになるなんてな、最悪だ…


『我ヲ振るエ』


声が聞こえた。 俺と遥香しかいないこの場所で、聞き覚えのある声が…

(お前は何なんだ…)


『我ヲ振るエ』

(振るった結果がこれだ)


『敵を定メヨ』

(遥香のことか?)


『切り裂キ潰セ』

(模擬戦で殺しはダメだろ)


『躊躇いなどナク』

(そうすれば勝てるのか?)


『・・・・・』

(躊躇い、なくね…)


そうしてレイはこの声に従うように遥香という害ある敵へ、躊躇いなく切り裂くように刀を振るった。

その刀身は吸い込まれるように遥香の氷石を切り裂き遥香に迫る。

すんででよけられてしまったがその間に立ち上がることができた。


頭がクリアになり視野が広い。 この刀の使い方、扱い方全部手に取るようにわかる。

そして何より明確に違ったのは、遥香に対する心情だった。


先程までの、どこまでいっても模擬戦だという甘えが消え、ただ明確に目の前の人物が敵として、殺す相手として見えるようになった。


遥香を…殺す!


心の中でそう唱えたとき、刀身が紅く燃え上がる。

その紅は伝播し、庭の草を燃やし先程までの下がった気温を一気に引き上げた。


『フィ・マルス・ジ・ガリアス!! 炎よ、我が道を照らせ!!』


詠唱と共に炎が刀を纏い、収束し、形成する。

その炎は何もかもを焼き尽くす炎でありながら、さながら名刀のような鋭さを醸し出していた。

そして炎剣を片手にレイは眼前の敵を見る。

遥香は明らかなほど表情を崩して驚いていた。


「なぜ…」

小さく声が漏れる。


「さてな、俺だってこの炎剣が何なのかは知らねぇよ。 ま、この原石(アフィリエイト)の力ってやつなんだろ、多分」


遥香は即座に銃を発砲し氷石を飛ばしてくる。

しかし三つのある氷石はどれも高すぎる気温で溶けてしまう。


「チッ!」

溶けたことなど気にする余裕もなく遥香は先程より大きい氷石を発射した。


「セァッ!!」

今度は溶けることなくレイの所まで届いたがスパッとレイに切り溶かされた。


「もう、そんな攻撃は効かねぇ、こんどはこっちから行くぜ」


レイは棒立ちから居合いの姿勢になった。

そしてドンッと地面を蹴り付け遥香に肉薄した。


「させない!」

接近してくるのがわかった遥香は氷石を地面に突き刺し盾のようにして進路を塞いぎ後ろに下がろうとした。


「ゼァァッ!!」

居合い一閃、盾になった氷石を切り裂いた。


そしてすかさず蹴りを氷石にぶち込み目の前の遥香に向けて放つ。

氷石は礫となって遥香を襲う。


「アァッッッ!」


遥香は勢いに押されて吹き飛んで地面に転がった。

「くッ…ゥゥ」

レイは刀を肩に担ぎながら近くまでよってきた。


「さっきまでと逆になっちまったな」

レイは無表情に遥香を見下ろしていた。


「なぜ…」

「ん? 」


「なぜ、お前は力を使えるようになったの?」


「ん~そう言われてもよくわからん、声が聞こえて、それに従ったら炎が出た、それだけだ」


レイは自分の中で起こった出来事を簡単にそう説明した。

「あの声と話したの!? 」


遥香は動揺を隠さず質問してくる。


「あぁ、 まぁあいつ勝手に話しかけてくるだけでこっちの言葉聞かねぇから話したかどうかってのは微妙だけどな。 ま、そんなことより」


レイは肩の炎剣を遥香に向けた。


「どうするんだ? これ以上やるならお前を殺すことになるんだが…」


「私は、お前の存在を見逃すわけにはいかない!」

遥香は銃の引き金を引く。


レイの周りを囲うように渦ができ、収束された氷石が全方位からレイを襲う。


「チィッ!」

全方位からの攻撃を捌ききれずレイは仕方なく後方へ飛び退いた。


「お前だけは、たとえ私の魔力全てを使ってでも! 」

遥香がそう叫ぶと遥香を中心に吹雪吹き荒れる銀世界が作られた。


それは外から見れば遥香の吹雪、レイの灼熱がお互い半分ずつ、領土のような版図のように見える。

それはお互いの魔力が拮抗している証だろう。


「なら俺も全開だ、次で決めてやる!」


レイが刀を上段に構える。

遥香も銃口をレイに向け構える。

遥香は年月の熟練の全てを

レイは開放された力のすべてを乗せて


「「ハァァァァァァ!!!!」」


遥香の氷とレイの炎が激しく衝突する。

互いが互いを飲み込まんと進む。


炎が氷に呑まれればそれ以上で焼き尽くし

氷が炎に呑まれればそれ以上で凍り尽くす

一体どれほどその状態が続いたのかは分からない。


一瞬か、数秒か、数分か、数時間か。


しかしその交錯もついに終わった。

水に対する熱による蒸発により蒸気が蔓延する庭

蒸気が昇り視界が回復する。

レイと遥香はどちらも満身創痍で立っていた。


「グッ、ふぅ…」

「はぁはぁ…」


しかしお互いの気力は少しも萎えておらず未だに敵の姿しか見えていない。


2人は呼吸を正した。

「まだ、終わって…ねぇ!」

「ぜったいに、負けない!」


そしてもう何度になるかという攻防が始まろうとした時。


「「そこまでです!」」


突如レイと遥香の間にグリアとモアが出現した。


「お二人共、矛を収めてください。 このままでは共倒れです」

「貴方達がこれ以上戦ってもなにも益はありませんもう、辞めてください!」

グリアとモアはレイと遥香を説得しようと言葉を尽くす。


「どけモア、俺はあいつを倒さなきゃ」

「ダメ、絶対にどかないよお兄ちゃん」


「どいてグリア、これはニーナ様の為なの」

「どけません、それで貴方が死んでしまっては困ります」


互いのパートナーへの説得をするが2人は依然として敵の姿しか映っていない。

そんな2人を見てグリアが嘆息してこう言った。

「モア、やはりダメです。 仕方が無いでしょう」

「そうだね」

意を決するように2人に向き直る叡智の書。


「モア、そこをど──」

「ごめんねお兄ちゃん」

モアがレイへ両手を向けるとそれから数秒で、まるでスタンガンでも浴びたかのようにレイはその場でバタりと倒れた。


そして同様の事がグリアと遥香の所でも起きた。


「グリア、お願い──」

「遥香、ごめん」

遥香もまたパタリとその場に倒れた。


「さて、まずは2人を寝室に運びましょう。 話はそれからです」


「うん、そうだね、2人には話さないといけないことが沢山あるし」


2人は互いの主人を引っ張りながら屋敷の寝室へと向かっていった。


こうしてふたりの殺し合いは終わった。

あとがきまでたどり着いてくれてありがとうございます!

P.S.遥香は銃のちゃんとした使い方はしていません

多分いつかちゃんと使うと思います。

いろいろ説明作りすぎかつらぎさんが書けないらしいので僕(狭焼 緋露)が次も書きます。

拙くてごめんなさい。

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