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犬が西向きゃ尾は東!  作者: 櫻井 千桜
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二日目 OLと初恋の相手

お久しぶりです。約一カ月ぶり位の投稿となります。続きを楽しみにして下さっている方、遅くなりすみませんでした。これからもこの作品は続きますので、どうぞよろしくお願いします。


挨拶はさて置き、前回の続きからお楽しみ下さい!


 今、私の右隣には、キラキラと輝く王子様が居る。あまりにも神々しすぎて直視できていないのだが、それよりも、目の前のインテリ眼鏡の鋭い視線の方が問題であることを忘れてはならない。


「呉橋 はな先生?此方の方を私にも紹介してくれませんか?(一目で分かった、こいつだろう?)」


...心の声が今にも聞こえんばかりの睨みだが、これにはもう慣れた。私は呆れてため息をつき、彼の紹介を始めた。


「彼は、長谷川 渉。高校時代の同級生よ。大学は違ったんだけど、就職先でまた再会したの。長谷川君、こちら、私の編集担当の宇佐美 紗耶香。大学時代の友人よ。」


「長谷川です。何時も倉敷がお世話になってます。」


「こちらこそ、呉橋先生が大変お世話になっているようで...。」


クリ〇カも驚きの真っ白い歯を輝かせて微笑む長谷川君に、思わず鼻を抑える。しかし彼の台詞はまるで親しい友人のようにも、恋人等の親密な間柄のようにも捉えることが可能だ。...彼の気持ちが知りたい。


「これからも、倉橋の友人として、どうぞよろしくお願いしますね?」


「早々に期待を裏切られたーーー!?」


彼の次の言葉によって、私は両手で頭を押さえ、呻くことしかできなくなってしまった。分かっていたさ、分かっていたとも。彼が私に対してどんな感情も抱いていないことを。彼は、その見た目に反して女性との交際話を一切聞かない。告白してきた女性ユウシャに対しては紳士的な態度で、しかし、そこはしっかりと断るため、老若男女問わず社内では大人気だ。


そんな彼と高校時代の3年間を共に過ごしたが、関係はただのクラスメイトで終わっていたし、就職してからも彼は営業部の社長賞受賞経験者、私は一OLで、天と地ほどの差があるのだ。私が彼に惚れられる要素なんて、見つかりっこない...。


「そう言えば、倉橋の編集さんって言ってたけど、倉橋何か他の仕事とかしてるの?」


背後に黒い靄ができたようにぐったりしている私を、長谷川君という太陽が王子様スマイルで照らしてくる。や、止めてくれ!それ以上下心しかない自分を、その凶器にも似た輝きで満たさないでくれ!ますます直視できなくなる...!


「...彼女はこれでも一応、今をトキメク小説家先生様でいらっしゃいます。ペンネームは『呉橋 はな』。」


イケメンが顔を此方に近づけてくるのを両手で必死に抑えていると、それを見かねた紗耶香が私の素性を喋っていた。


「えっ!?倉橋って作家だったんだ!...って、ちょっと待って、その名前、何処かで聞いたことあるぞ...?確か、若菜が好きな作家さんの名前が『呉橋 はな』だったような...。」


長谷川君は表情がコロコロ変わる。私が作家であることを驚いたかと思ったら、今度は何かを思い出そうと、眉間に皺を寄せて考え込んでいる。その姿に思わずほっこりしてしまう。...可愛い。


「そうか!なぁ、倉橋、君の作品に『死神と少女』とか『迷宮』っていうのある?」


突然頭に電球が付いたように閃いた彼の言葉に戸惑いを感じる。その二作品は、いずれもデビュー当初のものだが、あまりにラストが後味最悪の出来だったため、絶版にしてしまったのだ。何故、その本を知っているのだろうか?そして、彼から発せられる『ワカナ』という、おそらく女性と断定してもよいだろう名前も、気になる。


「...そうだよ、二つとも私の作品。よく知ってたね?」


暗い面持ちで呟くように言う。


「やっぱりそうだったんだ!あれ、俺の友人に勧められて読んだんだけど、凄く面白かったよ!」


その天使のような笑顔によって、私は救われた気がしたのだった(結論、今まで考えてたことが正直どうでもよくなってしまったのだった)。



はい。結局単純な女性だった倉橋さん。そして、長谷川君から発せられる『若菜』という名前は一体誰なのか?気になる続きはこれから先の話を楽しみにしていてください!


この作品に評価をいただきました!大変嬉しいです!有り難うございます!これからも作品作者共々、どうぞよろしくお願いいたします。

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