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犬が西向きゃ尾は東!  作者: 櫻井 千桜
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一日目 仕事人間とその編集

初めましての方は初めまして!そうでない方は、お久しぶりです。作者の櫻井(サクライ) 千桜(チハル)です。今作は前作に引き続き、恋愛ものにしてみました!楽しんでいただけると幸いです!どうぞよろしくお願いします!


 ー私が彼を好きになったことに、特別な理由はない。ただ、『好きだなぁ』と思っただけ。そう、ただそれだけだったんだ。ー




「あの時は私も若かったのよ。」

「何時の時代の話をしてんのよ、あんたは。」


 倉敷(クラシキ) 六華(リッカ)、22歳、職業:OL兼小説家。今まで生きてきて一度も染めなかった、枝毛のない毛先ふわふわの髪が自慢だ。普段はOLとして商社に勤務、土日を含む休日は、小説家として働いている。よく言えばキャリアウーマン、悪く言えば仕事人間だ。今日は、小説のネタに詰まっていたところを編集に連れられて、とある有名なカフェへと足を運んでいたのだった。


「大体ね、あんたの好きになる男って、系統似てるのよ。え~っと、なんだっけ?『バスケ上手そうな爽やか系長身男』だっけ?そんな王子様みたいなの居るわけないじゃない!」


目の前でブラックコーヒー片手に人を小馬鹿にしたように笑う女性は、私の編集担当にして大学時代からの友人の宇佐美(ウサミ) 紗耶香(サヤカ)、別名インテリ眼鏡。ちなみに既婚者だ。お相手も例に漏れずインテリ眼鏡である。


「...別に、理想持つくらい良いじゃない。私だって、年齢=彼氏いない歴じゃないんだし。」

「それ、私に喧嘩売ってるの?」


紗耶香は彼氏ができる前に夫ができちゃったため、現在も年齢=彼氏いない歴持続中だ。ま、いないに越したことはないよね?旦那さん泣くし。


「それはおいておくとして、この小説のヒーローもまた、彼、なんでしょ?」


彼、と強調されて肩が思いっきり跳ね上がる。ここ最近の小説のネタは、大体がとある人物で固定されてしまっているのだが、彼女にはバレバレだったようだ。...いや、彼女だけではない。定期的に行っているサイン会に来てくれるお客さんにも、キャラの固定化は見破られていたんだっけ。


~倉敷 六華による回想~

ファンの方『呉橋 はな先生(【呉橋 はな】は私のペンネームだ)!先生の小説、何時も楽しんで読んでます!』

私『あ、ありがとうございます。』

ファンの方『先生の書くヒーローって、何時も爽やかな王子様キャラなので、友達とキャーキャー騒ぎながら読んでます!特に、バスケしてる時の腕まくりとか、超キュンキュンしました!』

私『あ、ははは...。』

~倉敷 六華による回想終了~


 私の理想は何時も変わらない。書き始めた時から、彼以外のヒーローを書いたことがない。紗耶香にも『いい加減他の男を書け』と文句を言われる位には、同じ系統なのだ。



「あ、倉敷だ!休日に会うなんて吃驚だね、隣...良いかな?」


そう、私の理想、長谷川(ハセガワ) (ワタル)。高校が一緒、大学は違ったものの、就職先でまた再会した私の初恋の相手。なんでこんなとこに?とか、どうして今出くわす?とか、そんな疑問は一瞬にして吹き飛んでしまい、ただ、『その笑顔がやっぱり好きだな』って感情ただ一つだけしか残らなかった。





「あのぉ~?私居ること、忘れないでくれるかなぁ?」


って、必死こいて自己主張してる目の前のインテリ眼鏡のことなんて、眼中に入ってなかったことも、忘れずに記しておく。





余談です!この話の題名『犬が西向きゃ尾は東!』はことわざです。「当たり前のこと」という意味があります。確かに、犬が頭を西に向かせたら、必然的に尾は東の方向を向きます。なんだか、響きが好きなんですよねぇ~、とかいう理由でこのタイトルにしてみました!以上、どうでもいい余談でした!

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